ずっと変わらないもの、それは・・・・・・・



時間のうつろい、過去の出来事。



人の心は・・・・・・・どうして変わってしまうのだろう・・・・・・・




ange 【ボクだけのdiva】 vo.28 ~waverⅠ~




今日は一日、アルバムの曲作りをしていたところに、京子さんから一通のメールが届いた。


・・・・・・話があるという。

いったい、どうしたんだろう。


そういえば・・・・・・・この前もクオンが、京子さんが最近変だって、言ってたような・・・・・


それかな???



今晩、私の部屋にお泊りに来てくれることになって、曲作りもそこそこに

部屋の片づけを始めた。


・・・・・・・・・なんといっても、楽譜の山を片付けないと・・・・・・・・




*



彼女が家に来たのは、午後10時も回ったところ。


マネージャーのヒロに迎えに行かせ、家まで連れてきてもらった。

(事務所で仕事をしていたみたいだから、いい息抜きになったようだ)


私のマンションは、2LDK。

これは、社長にどうしても譲れないって言って、ちょっといい部屋にしてもらった。



「・・・・・和奏ちゃんの部屋、結構広いんだねぇ~」



と、キョロキョロを見回す京子さん。



「仕方ないんだ・・・・・こっち、見て??」



といって、ひとつの部屋を開けると、そこにはキーボードや他の機材がずらりと並んでいた。



「・・・・・大体、この部屋で作曲してるから、ね・・・・・」



「・・・・・・大変、なんだね・・・・・・」



そんな当たり障りのないような会話をしながらお泊り準備を始めていく。


お互い交代でお風呂に入り、歯磨きをして・・・・・



「ちょっと狭いけど・・・・・」



ベットの隣に布団をひいておいたのだが・・・・・

最初京子さんは、布団のほうに寝ようとしたたから



「明日もドラマの撮影があるなら、ベットで寝たほうがいいよ??」



と言ったのに



「私はいつも布団で寝てるから、大丈夫よ??」



と、やんわりと言い、布団の中へ入っていった・・・・・


照明を消さずに・・・・・京子さんから話し出すのをずっと待っていた。



「・・・・・・・・あ、あの・・・・・ね??

和奏ちゃんにしか、相談できない話だったから、ちょっとだけ・・・・・

聞いてもらっても・・・・・いい、かな・・・・・・??」



「(クスッ)もちろん!!!そのために、今日来たんでしょ??」



ニコッと笑いかけて待っているのだが、そこからなかなか言い出さないから



「・・・・・・・・京子、さん・・・・・・??」



「・・・・・・・私、ね・・・・・・・

今、ショーのお世話をしてるの・・・・・・・」



「・・・・・・・・えっっと・・・・・・・・

ショーって、不破さんのこと、ですよね??

・・・・・・お世話って・・・・・・???」



「・・・・・あの、ね・・・・・・

お世話っていうのは、毎晩ご飯を作りに行ったりしてて・・・・・・・」



「・・・・・・・・・・・どうして??」



「!!!あ、あのね・・・・・理由はちょっと言えないの。

・・・・・彼の・・・・・プライベートなことだし・・・・・・

それで、その・・・・・・・・・しちゃったのよ、アレを・・・・・・・・」



「?????アレって??????」



「!!!!!!ア、ア、ア・・・・・・アレって言えば、アレよぉぉぉ~~~!!!!!!」



顔を真っ赤にして声を大きくしてバタバタしだした京子さんを見て


・・・・・・・あ、アレ、ね・・・・・・・と思った。



「・・・・・・・・・・なんとなく、わかったけど・・・・・・・・・・

京子さんは、敦賀さんのこと好きだったんじゃなかったの???」



「っ!!!!!!そ、そうなのよぉぉぉ~~~~~っ!!!!!!!

そ、それなのに、私ったら、あいつのいつもと違う顔を見ちゃったら、キュンって

不覚にもときめいてしまったりなんかして・・・・・・

男なのに、カワイイ、なぁ~~んて思っちゃったりなんかもして・・・・・・

気づいたら・・・・・・そのぉ~~・・・・・・・・

・・・・・・・・あいつを、受け入れちゃってた、わけ・・・・で・・・・・・・・」



・・・・・・ふぅ~~~~~ん・・・・・・・・



「・・・・・・・・・和奏ちゃん・・・・・・・聞いてる???」



「(ニコッ)もちろん、ちゃんと聞いてるわよ?!

で、京子さんの相談って??」



「あっ!!!!あの、ね・・・・・・???

今日、敦賀さんにお会いしたの。

・・・・・・・昨日までは、ホントに会うたびにドキドキして、キュンってして・・・・・・

会えるだけでもうれしくて、毎日がんばってきてたの・・・・・に・・・・・・・」



(・・・・・・・今日は、何も感じなかったの・・・・・・・・)



―――――――えっ?!



「いつも、ホントにドキドキするの。何とかなるべく直視しないで演技をするようにしていたのに

今日は・・・・・・・・・普通に演技が出来たの。

何の苦労もなく・・・・・・・・・

愛莉になると、大夢のことが大好きで愛おしくて、誰にも渡したくないって思えるんだけど

ふっと戻ると・・・・・・・いつもの自分とは違っていて・・・・・・」



(どうして・・・・・・??あんなに・・・・・・好きだったのに・・・・・・)



「・・・・・・・・京子さん・・・・・・・

京子さん自身が、自分の心がわからない、と・・・・・・・・???」



「・・・・・・・・・・・・うん・・・・・・・・・・・・・・・」



ふぅ・・・・・・・

これは・・・・・・・、困った話、だなぁ・・・・・・・・・



「・・・・・・・・・・・・京子さんは、敦賀さんへの想いがわからなくなった、ということね??」



コクンっと小さく頷く京子さん。



「じゃあ・・・・・・・不破さんは???好きなの????」



(えっ?!そ、そんなこと急に言われてもっ!!!!)


目を見開き、かなり驚いているようだから



「・・・・・・・ゆっくりでいいから、考えてみたらどうかな??

その・・・・・・・・しちゃったから、好き、とかじゃなく・・・・・・・・・・・・

不破さん自身をどう思っているか、とか

後は・・・・・・・京子さんが、誰とそばにいたいのか、とか・・・・・・・・

好きってことは、そばにいて欲しいってことだし

喜びも悲しみも、怒りも嘆きも・・・・・・

一緒に隣で感じていたい人ってことだと思うし・・・・・・


難しく考えないで、今、京子さんはどうしたいのか、って考えればいいんじゃないのかな??」



「・・・・・・・・今、どうしたい、か・・・・・・・??」



うつむき、考える京子さんを見ていると・・・・・・


またも彼女の心の声が聞こえてきた。


(ドラマを演じきることと・・・・・・やっぱり、今は・・・・・・・

ショーのそばにいてあげたい。

好き、かどうかなんてわからないけど、

ちゃんと無事にツアーを終わらせて手術が終わるまでは

そばにいて、ちゃんと見届けてあげたい・・・・・)



・・・・・・手術???

・・・・・・・・・どこか、悪いの・・・・・?????


っ!!!!!!!あっ!!!!!!!!!

のど・・・・・・・

前に微妙にのどに違和感があったっていうやつね??



「和奏ちゃんっ!!!!!!

私、とりあえず今したいことは・・・・・・わかったわ。

だから・・・・・・・・・」



「・・・・・・京子さんが、したいとおりにしていけば、きっと大丈夫だよ?!

そしたら・・・・・・自分の心の声も聞こえてくるよ?!」



「・・・・・・・うんっ!!!ありがとうっ!!!!!」



ニコッとお互いに笑いあっているのだが、少し気になったことがあるので聞いてみた。



「・・・・・・ねぇ?!京子さん???

京子さんって・・・・・・初めてだったんだよね???

・・・・・・痛くなかった???」



「ふぇっ????い・・・・・痛い????」



「あ、あの・・・・・・しちゃったんでしょ???

初めてってかなり痛いって聞いたんだけど・・・・・・???」



「・・・・・・・・ええええっっっっ?????

い、痛いことって・・・・・・・あるの???????」



!!!!!も、もしかして・・・・・・・・



「ちょっと待ってっ!!!!!京子さんっ!!!!!

不破さんとは、どこまでしたの?????」



「なっ!!!!!!ど、どこまでって~~~~っ///////

そんな、恥ずかしくて・・・・・・言えないよぉ~~~っ!!!!!!!」



(だって・・・・あんなことや、こんなことやっ!!!!!

あぁ~ん・・・・・破廉恥よっ!!!!!)



・・・・・・私にも、レイノの能力が欲しい、と思ってしまった・・・・・


きっと・・・・・最後まではいたしてないのね・・・・・・・・



「・・・・・・も、もういいから・・・・・・ね・・・・??」



「ふぇっ????」



こっちを見た京子さんは、顔をまだ真っ赤にして・・・・・かわいらしかった。


でも、きっと・・・・・・・時間の問題だわっ!!!!

きっとすぐに不破さんの餌食になってしまうっ!!!!!!!



「京子さんっ!!!!!!

不破さんには、絶対に”好き”とは言わないのよ?!

”心配だから、そばにいるんだ”って言うのよ???


好きかどうか聞かれたら、”今は考えられない”ってうまいこと言わないと・・・・・・


もっと、スンゴイこと、されちゃうわよっ!!!!!!」



「っ!!!!えぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ~~~~~?????」



(もっとスンゴイことって・・・・・・何ぃぃ~~~??????)



グルングルン思考の迷宮に入り込んでしまった京子さんを隣で見ながら・・・・・


こういっておけば、不破さんもそうやすやすと手を出さないだろうなぁ、と思った。






vo.29


と、ここまで書いておいて・・・・・

キョコたんとショーは・・・・・どこまでしちゃったんでしょうか??


うう~~~ん・・・・・明確な明言は避けておきましょう。

(読者様のご想像にお任せします)


でも・・・・・ショーちゃん、してないのって・・・・どうしてだろう、かな??