どうして、皆誰かが必要なんだろう・・・・・
ヒトは一人では生きていけないから・・・・?
私は、貴方に頼らない、強い人間になりたい・・・・・
ange 【ボクだけのdiva】 vo.24 ~troubleⅥ~
私は、毎晩見る夢に悩まされる事になっていた。
だって、毎日少しずつ自分の成長を見ていて、この先嫌でもあの場面も見なくてはいけなくなるのだから・・・・・・。
このことは、誰にも相談出来ていなかった。
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〈蓮side〉
今日は珍しく社長に呼び出されたので、ドラマの撮影の後事務所に寄ることになった。
何時になってもいいから必ず来い、だなんて・・・・・。
一体、どうしたんだろうかっ。
・・・・・・それにしても、今日の最上さんはおかしかった。
ちょっと、どころではない、かなりおかしかった。
台詞は忘れるは、愛莉が抜けるは・・・・・
何より、俺とは全く目を合わせようとはしなかった。
・・・・・何かしてしまった、とか!?
撮影終了後も、あっという間に居なくなってしまっていたし・・・・・。
・・・・・とりあえずは、社長の用事を終わらせないことには始まらないな。
*
社長室に入ると、挨拶もソコソコに本題に入ったのだが・・・・・・
「アンジェのアルバムの録音にNYのスタジオに行くぅ~~~~~~っ!?
か、彼女はまだ新人ですよ!?
そ、それに彼女はアメリカから逃げてきたんじゃ・・・・・」
「和奏、とちゃんと言えっ!!!
それに彼女は、お前と違って逃げてきた訳じゃないっ!!!!!」
ムッとした顔で言い返された。
「・・・・・・それに今回は、別件の用事があって、な・・・・・」
「・・・・・別件、ですか!?」
「あぁ・・・・。
実は、ショーンからジュリア・フェリルに映画の出演依頼が来ている。
もちろん、主役で、だ・・・・・・」
「!!!!!なっ・・・・・」
ショーン監督といえば、確かにジュリアの父親でもあるが何ていっても
映画監督として厳しくて有名で、彼の映画に出演した俳優はみな後に有名になることで
知られているはずだが・・・・・・・
「もう、演技をすることから離れて約6年たっているが、ショーンにとってはブランクなど関係ないんだろう・・・・・。
仕方がないことではあるんだがな・・・・・」
「と、いいますと・・・・・?」
「・・・・・・この映画は、ジュリアが子役をしたときからずっと、ショーンがあたためていた作品なんだ・・・・・
ジュリアが、調度良い歳になるまでずっと待っていたんだ・・・・・・。
・・・・・・ショーンが、ジュリアの歌手活動に賛成したのは、他でもない。
(もう一度女優になるための)リハビリの為だったんだ・・・・・・。」
「・・・・・そうなんですか・・・・・・・。
それで、社長としては、その話を請けるんですね!?」
「・・・・・勿論、そのつもりだ。
・・・・・この映画を観てみたいからな・・・・」
「???」
「ジュリア以外には、主役を演らせるつもりはないらしくてな・・・・・
半分、脅されたんだよ・・・・・・。」
「なっ!!!!」
社長を丸め込むなんて、す、凄いな・・・・・・。
「・・・・・それで、お前、その相手役を演らないか?!」
「!!!!!そ、それは・・・・・・」
「勿論、敦賀蓮に正式にオファーがあった訳じゃない。
・・・・・・ジャリアがもし、出演をOKしたらこの映画の話が進み出す。
ショーンは今のところ、相手役はオーディションで決めると言っていた。
今までの実績など関係なく、ただテスト演技の良し悪しだけで決める、と・・・・・・
人種も関係ないから、敦賀蓮で受けようが、クオン・ヒズリで受けようが、そこはお前に任せるが・・・・・・
・・・・・・そろそろ、いいんじゃないのか!?」
「・・・・・・まだです。
まだ俺は・・・・・・・」
そうだ。
まだ俺は――――――――
アメリカに帰れる訳ないじゃないか――――――――
「・・・・・・・蓮。
わかった。もう暫く考えておいてくれ。
和奏がアメリカに行く間、お前も仕事入れておいたから、護衛を頼むぞ!!!!!」
「・・・・・・・・はいっ?!」
「敦賀蓮として、仕事で行くんだから仕方ないだろう!?
・・・・・・和奏には、高山以外にもボディーガードが必要だから、な・・・・・・」
「・・・・・どうして、ですか!?」
「そういえば言ってなかったか・・・・・・
和奏、いやジャリアにはな・・・・・・
厄介なストーカーがいるんだよ・・・・・・」
「えっ、でも今彼女は見た目も変えてますし・・・・・
ジュリア、にストーカーがいたとしても気づかれないんじゃ?!」
「・・・・・・お前だってすぐわかったんだろう?!
なら、相手もきっとすぐにわかる。絶対にわかる。
・・・・・・・・ジュリアには近づけちゃいけないんだ・・・・・・・。」
「・・・・・・・・相手が特定されているんです、か??」
「・・・・・・・・ジュリアのトラウマの、あの相手だといったら・・・・・・・??」
・・・・・・・あのって・・・・・・・・・・・
「12歳のジュリアに手を出し、尚且つずっとずっとアメリカに居る間はずっとこそこそ
周りをかぎまわっていたらしいからな・・・・・・・
あの男、かなりジュリアに執着してる様子なんだ・・・・・・・」
「でも、そうやすやすと見つかるとは思いませんが・・・・・・??」
「・・・・・・・相手は、今も俳優として活躍している。
レコーディングはNYだとしても、ショーンに会うのはきっと実家周辺だろう。
・・・・・・・家もばれているし何より、向こうはいつもショーンの同行に注意しているはずだ。」
「・・・・・・・俳優・・・・・・・」
・・・・・・・・・・誰だ!?いったい、誰が・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前も知っている、やつだよ・・・・・・・・・・・
最近だと、テレビドラマの『REAL FACE』シリーズの主役だと、言ったら・・・・・・???」
!!!!!
「・・・・・・・・デイビッド・グレイク・・・・・・・・・・・・」
「クオン・ヒズリが子役として売れない頃、クオンに対抗意識を燃やし
ことごとく役をもらっていた、子役上がりの俳優だよ・・・・・・・・」
いつも、俺をにらみつけていた、あの男が・・・・・・???
どうして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
*
社長との話も終わり、社さんを探しに事務所をうろうろしていたところで
声をかけられた。
「・・・・・・・蓮、ちょうど良かった。
少し話があるんだけど、今いいか??」
「・・・・・・・高山さん。いいですよ?」
後ろを振り向いたら、アンジェのマネージャーの高山さんが居た。
「他でもない、和奏のことなんだが・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・アメリカ行きを切り出すのが難しい、とか??」
「そんなことじゃねぇよっ!!!!仕事の話だから簡単にいえるよ、そんなこと。
イヤだって言おうがなんだろうが、決まったことはやらせないとなっ!!!!」
「・・・・・・・・えっ?!じゃあ一体・・・・・・・」
「・・・・・・・・最近、あいつ変じゃないか??」
・・・・・・・・えっ???
「あいつって、いつも俺と居るときでも仕事中でもずっと、ちゃんと関 和奏でいるんだよ。
誰にも愛想よく、明るくハキハキと物をいい、元気もよくて周りのスタッフなんかにも気を配って
とてもよく出来たタレントなんだと思うんだよ。
でもな・・・・・・・・・
最近、移動中とか、たま~~に何だが・・・・・・・・・
固まってるんだよ。
俺が話しかけても返事も何もしないし、目の焦点も合ってない。
何度呼びかけても返事しないからしばらく待ってると・・・・・・・
突然”ヒロ、もうつくの??”とか言ってきて・・・・・・
・・・・・・・・・・何か聞いてないか???」
「・・・・・・・・いえ、何も聞いてませんが、というか
最近会ってませんよ??ご存知でしょう???」
「・・・・・・・・毎晩電話かけてるんだろ??」
「・・・・・・・・どうしてそれを・・・・・・・・・・・・・・・」
「あいつはちゃんとわかってるよ。
蓮がどうして毎日、たいした用事もないのに電話してきてるのか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・心配、なんだろ??
毎日、ずっと関 和奏でいるのも疲れるからなぁ~。
息抜きも・・・・・・必要だろう??
お前の電話の前じゃあ、素の自分でしゃべれるんだと思うよ・・・・・・・」
「・・・・・・・そうでしょうか??
いつも素っ気無いて愛想もなくて・・・・・・辛口ばかりですよ??」
「・・・・・・・・それでいいんだよ。
また今度、折を見て聞いてみてくれないか??」
「・・・・・・・・・・・・・・わかりました。
それで、その・・・・・・・・彼女は???」
「あぁ、和奏は今屋上だよ。
今、アルバム用の曲作りに余念がなくて、いつもどこかの公園へ行ったりしてるから・・・・・・
今は夜空を見上げながら、曲を考えてると思うぞ??」
「・・・・・・・・・・・・・・早速、聞いてきますよ」
「おいっ!!!!蓮っ!!!!!!」
後ろで高山さんが呼ぶ声が聞こえたが、もう俺は屋上に向かって歩き出していた。
どうしてだろう・・・・・・・・
毎晩、声を聞いてるのに、無性に会いたくなるなんて・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうかしている。
そう、思った。
⇒vo.25 ヘ
長くなってしまったので、一回切ります!!!!
私の中では、次の話と今回で一話のつもりだったんです・・・・・
そして、会話ばっかりでごめんなさい。
会話だけでも、蓮様の心情がわかればいいんだけど・・・・??
・・・・・蓮様、難しいのよね・・・・・・