<注意!!>


今回は、和奏ちゃんの過去の話をするわけですが、

結構、きわどい内容です。

18歳以下の方は、ごらんにならない方が良いので

18歳以上の大人の方で、きわどい(えげつない)内容もOKという方のみ

以下、お読みください。



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過去の話をするということ


それは、自分の中の苦しみも、憎しみも、すべて見せてしまう


・・・・・・・弱い自分もすべて・・・・・・・・・




ange 【ボクだけのdiva】 vo.16 ~co-starⅥ~




社長の自宅に着き、早速社長の部屋に二人通された。


そこには、社長のほかにマリアも居た。



「ジュリアお姉さまっ!!お久しぶりですぅ~~!!!」


といいながら、飛びついてきた。



「相変わらず、かわいらしいわねっ!!

数日振りだけど元気にしてた!?マリア。」



「もちろんですわっ!!お姉さまも、順調なんですの??」



「任せておいてっ!!!」



二人で笑って話をしていたら



「こんばんは、マリアちゃん。

・・・・・・俺も居たんだけど、見えなかったのかな??」



「蓮様ぁ~~~~!!!!!!」


と言って、敦賀さんの胸に飛びついていった。


・・・・・・さすがマリア、やるわねっ、と感心していると・・・・・・



「マリア、今から大事な話があるから、部屋に戻っていなさい。」


と社長がマリアに言い聞かせていた。



「(シュン)・・・・・・お話が終わったら、また二人にお会いできますか??」



「時間があまりかからなかったらな。

そのときは部屋に行かせるから、待っていなさい。」



「わかったわっ!!!お二人とも、お待ちしておりますわねぇ~~~!!!!」


なんともかわいらしい笑顔で去っていくので、微笑ましかった。



「・・・・・・・さて、蓮は彼女の何を聞きたいんだ??」


!!そうだ、その話をしに来たんだった。



「・・・・どうして、彼女は女優を辞めたんですか?

それに、今は歌手として日本に来ている。

その理由を教えて欲しいんです。」



「・・・・・・お前、自分の過去の話を教えてもいないのに

ジュリアの過去だけ知っておきたいって・・・・・・

かなり、ズルイよなっ!!!」



「っ!!!社長!!!!!」



「(フーッ)・・・・・まぁ、確かに、昔の幼馴染が知らない間に

日本にやってきて、いきなり歌手をしだしたら、気になる、か・・・・・・」



「・・・・・・はい・・・・・・・」



「で、和奏は、どうする?

・・・・・蓮に教えてもいいのか???」



「敦賀さん・・・・・・仕事にならないって・・・・・・・

本当なんですか??」


彼を見上げ、強く問いかけた。



「・・・・・社さんが言うには、そうらしい。」



「・・・・・自分では、ちゃんと仕事をしていたつもり、ってことかしら。」



大きな体の彼が、少し縮こまったように感じた。



「(フーッ)情けないわね・・・・・・クオンの頃とあまり変わりないじゃない」



「っ!!!!」



「それとも、私が近くでうろちょろしてるから、クオンの頃の自分が

ちょくちょく顔を出し始めた、なんてこと言うんじゃないわよね??」



「そんなことはないっ!!!」



「・・・・・・別に、教えてもいいわよ!?隠しておいたって、どうしようもないし・・・・・

ただ・・・・・・・他言は無用よ??」



「・・・・・わかってる」



「社長。社長は・・・・・どうされますか?一緒に聞かれますか??」



「・・・・・・同席させてもらっても、いいかな??(ニヤッ)」



「もちろんです^^」





*





「まずは、社長にお伺いしますね?

ジュリアの経歴を知ってたら、教えてください。」



「あぁ、わかった。要約していうと・・・・・


3歳で両親が離婚。

その数ヵ月後にキッズモデルとしてデビュー。

7歳でスクリーンデビューをし

12歳で引退

18歳で日本に来て関 和奏として歌手デビュー

そして今に至る、と言ったところか・・・・・・??」



「そうですね・・・・・・


3歳でモデルデビューをした後、クーおじ様に紹介されて

クオンと出逢いました。


・・・・・間違いないわよね?クオン」



「・・・・・・あぁ・・・・・・・」



「もともと、両親の離婚後モデルになったのは・・・・・

彼には教えてあったのですが、父に・・・・

ショーンに、もっと私を見て欲しかったから、なんです。


その後、よくクオンとはいろんな時を一緒に過ごしました。

クオンがオーディションに落ちたときとかは、よく励まそうとして

プレスクールで習ってきた歌を歌ってあげたりしてたっけ・・・・・」



「・・・・・よく覚えているよ・・・・・」


フッと笑った笑顔が、敦賀さんではなく、クオンのように見えて

とても懐かしかった・・・・・・



「その後、ちょうどクオンが家族旅行に行っていていないときだったと思う。


映画の監督に、天使の役をやらないか、と言われたの。

・・・・・・最初はもちろん断ったわっ!!!

いつもクオンやクーおじ様や、ショーンの周りの俳優さんたちを見ていたから

演技の仕事は大変なんだって、わかっていたから。

でも・・・・・・・彼は私にこう言ったの。」


(??)


「・・・・・なんて言ったんだ??」



「・・・・・・映画に出れば、日本に居る母親に君の元気な姿を見せることが出来るよって・・・・・・」



「なっ!!!」



「・・・・・・ちょっと待ってっ。母親は、いつも一緒に居た玲子さんじゃ・・・・・・」



「違うわ・・・・・3歳のときに離婚してるって、言ったでしょ??

離婚してからクオンと出会ったから、あまりその話をしなかったかも知れないけど・・・・

母は、離婚した後日本に戻り、女優をしているのよ??

まぁ、結婚する前は、ハリウッドで女優の卵としてがんばってたらしいけど。

・・・・・玲子さんは、母の友人で、一緒にアメリカへ来て付き人みたいなことをしていたらしいわ。」



「・・・・・女優って、今も日本でしているの???」



「もちろん、現役バリバリ、トップ女優よっ!!

・・・・・・・・・・わからない??」


ジッと私の顔を見つめて考えているようだが、わからないようだった。



「・・・・・社長、黒髪のウイッグなんて、ありますか??」



「あぁ、すぐ用意できるぞっ!!!」



少し待って、持ってきてもらったウイッグを着けてみた。



「あっ・・・・・・『福島 楓』・・・・??」



「そのとおりっ!!!」



「彼女・・・・・独身ってことになってるけど・・・・・・」



「本当は、バツ一子持ち、なんだよねぇ~~。

・・・・・・週刊誌のいいネタ、でしょ!?」



「あ、あぁ・・・・・・・」



「ちょっと話がそれちゃったわねっ。

それで、監督にそそのかされて、私は天使の役をやったの。

・・・・・後から聞いたら、いつもクオンが私のことを

『アンジェ』って呼んでいるのを聞いて、イメージしたんだってっ。

いつどこで、誰が見ているのかわからないから、怖いわね・・・・・・」



「ははっ・・・・・」



「ホントは、その天使の役も、あまり重要じゃない、お飾り的な役だったの。

でも・・・・・・・その・・・・・・・良かったらしくって、出番が増えちゃったの。

せりふも出来たし、何より、私が楽しかった。


撮影も終わって、私が気にしていたのは、クオンのこと。

相談もなしに、いきなりスクリーンデビューって・・・・・・

さすがにちょっと怒っちゃうかな、とは思ってた。そしたら・・・・・・」




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「っ!!!アンジェッ!!!!父さんから聞いたっ!!!!

映画に出たって、本当なのか??」



「クオンっ、久しぶりねぇ~~^^、元気にしてた??」



「・・・・・・・質問に答えてっ!!!」



「・・・・・そんなに怒って、何よっ。

相談しようと思ったのに、旅行に行ってて居なかったから・・・・・」



「・・・・・・本当なんだね。

君は、別に俳優になろうとか思っていたわけじゃない。

それなのに、簡単に映画に出れるっていうのはどうしてなんだ??

(ボソッ)・・・・・・ボクはいつもオーディションで落ちてしまうのに・・・・・・」



「俳優って、すごいのねっ!!!なんていうのかな??

違う自分になれるって感じで・・・・・とっても楽しかったっ!!!!

かわいい服着て、笑顔で写真を撮ってもらうのよりも、ぜんぜん楽しいっ!!!!

・・・・・・・私、女優になるわっ!!!!!」



「っ!!!!そんな簡単に将来のことを決めていいの??

・・・・・・・女優って・・・・・・・・・

アンジェ、この仕事、舐めてるのか??


(ハーーーーーーーーーーーッ)

・・・・・・・・・・・信じられないよ・・・・・・・・・・・・・・・・


もう、キミとは会わない・・・・・・・・絶交だっ!!!!!

もう二度と見たくないっ!!!!!!」



「なっ!!!ま、まって、クオンッ!!!


・・・・・・・・ク・・・・・オ・・・ン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




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「・・・・・・・・お前、かなりひどいやつだな・・・・・・・・・・・・・・」



「(社長・・・・・)そうです、ね・・・・・・・」



「その後、しばらく立ち直れなかったけど、次々と仕事が来たので

落ち込んでいる暇もなく、仕事をしていました。

・・・・・・・・違う自分になっていれば、忘れられるから・・・・・・・


少しずつ、立ち直りかけたとき、あの役をもらったんです。」



「・・・・・・・あの役??」



「私の最後の作品、覚えてますか??」



「っ!!『マリオネット』・・・・・・・」



「そう、初めての主役。とてもうれしかったぁ~~。

どうしても、12歳くらいの子を使いたい、と言われてたから、

がんばろうと思ったの。感情のない、人形の役だけど、ね・・・・・・」



「・・・・・すごい、良かったよ??

絶交、とか言いながら、やっぱり気になっていたんだ。

作品は当時にチェックしてた。もちろん、全部・・・・・・。

映画しか出なかったのは、日本にいるお母さんに見せたい、からだったんだね?」



「フフッ、そうよ。・・・・・・見てくれてたかわからないけど・・・・・・」



「・・・・・見ていたみたいだぞ??」



「えっ!?」



「・・・・・・・ジュリアが、日本で歌手デビューする前に、話をしにいったんだ。

かなりビックリしていた。彼女も・・・・・・・ジュリアは女優になるとばかり思っていたんだ。

ジュリアも知っているだろう??『関 和奏』という名前の由来を・・・・・・・」



「・・・・・・・・私の、日本での、名前・・・・・・・・」



「(クスッ)そうだっ!!!!『福島 楓』の本名は、『関 双葉』。

・・・・・・お前に幼いときにつけた、日本での名前が『若菜』だ。」



「漢字を変えたのは、社長が??」



「いやッ。・・・・・・・彼女が考えたんだ。

和を奏でる。・・・・・歌手になるって聞いて、彼女が、ジュリアの歌で

いろんな人を幸せにして欲しい、と言って考えたんだ・・・・・・・。」



「・・・・・・・そうだったんですか・・・・・・」



「(フフッ)・・・・・あの人らしいわねっ。」


強がって言ったけど、本当は・・・・・かなりうれしい。

私をずっと見ていてくれたことも、歌手になるって言った私を

遠くから見守っていてくれることも、すべて・・・・・・・



「・・・・・・マリオネットをしたとき、何かあったの??」



「・・・・・・・・・・」


そう、これを言わないと、どうして女優を辞めたのか、伝えられない。

けど・・・・・・・言うには、勇気がいる。


ギュッと下唇を噛み、目線はしたのまま、体に力が入る・・・・・・


・・・・・・・これを言わないと、彼も仕事にならない・・・・・・・


そんなときだった。



「・・・・言いづらいのなら、俺から言ってやろうか??」



「・・・・・社長っ!!!」



顔を上げ、社長を見ると得意げに微笑んでいたのだが・・・・・・



「・・・・・・どこまで知ってるんですか??」



「うう~~~ん・・・・・・・・・・、まぁ、大体、かな??」



「・・・・・・誰に聞いたんですか??」



「そりゃあもちろん、クーだよ。

ショーンは・・・・・・そんなこと話さんだろ??

ジュリアが日本へ来て歌手になるってことに心配していたのは

ショーンよりもクーのほうだったぐらいだからなぁ~~~・・・・・」



・・・・・・・・やっぱり・・・・・・・・・



「じゃあ、わかる範囲だけでいいので、お願いします。

補足しますから・・・・・・」



「そうか・・・・・・・。じゃあ、早速。


マリオネットを演じるにつれ、ジュリアはどんどん役に囚われていった。

・・・・・役から抜けれなくなったんだ。

休憩中も、仕事以外のときもずっと人形のようにうつろな表情で話もしない

意思をまったく示さないものだから、周りの人間が、かなり戸惑った。


ショーンは、相変わらず自分の仕事しか見えてなかったから、気づいていないようだった。

最初に、玲子が気づいて、クーに相談しようとしたんだ。

ただそのとき、クーもジュリも、仕事が忙しくてな。

・・・・・・なかなか相談に応じることが出来なかった。

(ハーーーーーーッ)

それで、玲子はノイローゼになってしまい、日本へ帰ってしまった。

・・・・・・マリオネットと化したジュリアを残して。


マリオネットになってしまっているジュリアを、この後面倒見てたのが

共演していた男優だ。


最初は、普通に面倒をみていただけだったようだが、もともとそいつは

ジュリアのことが好きだったようでな・・・・・・

そのうち、いけないことをしだしたんだ。」



「っ!!!!(い、いけないことって言うのはつまり・・・・・・)」



「ようやくクーの仕事が落ち着き、ジュリアの様子を見に行ったら・・・・・・

もうマリオネットの撮影は終わったのに、家にジュリアは居ない。

おかしいだろう??・・・・・だから、映画の撮影スタッフにきいたら

とある男優の名前が出てきたから、そいつの家に行ったんだ。

そしたら・・・・・・・・」



「そ、そうしたら・・・・・??」



「(チラッ)・・・・・ジュリア、言っていいのか???」


何も言えず、立ったまま社長の話を聞いていた私は、

ただうなずくことしか出来なかった・・・・・・



「そうか・・・・・・・・・

家の中には、裸のまま、体中には無数のキスマークをつけられた

・・・・・・・・・・ジュリアがいた、そうだ・・・・・・・・・」



「なっ!!!!

まだ、彼女は12だったんですよね!?そんなことって!!!!!」



「クーもかなり怒って、その男優を殴り倒してジュリアを連れて帰った。

その後、病院でいろいろ検査をし、警察にも行こうとしたんだ。

ただ・・・・・・・・警察沙汰は嫌だとショーンに止められて、な・・・・・・・・・

このことは、示談で一応決着はついているらしいんだが・・・・・・

その男優は、いまだにジュリアのことを思っているらしくてな・・・・・・

学校に行くにも、どこに行くにもSPをつけるようになったんだ。


・・・・・・・・ってジュリア??・・・・大丈夫か???」



私は、社長の話を聞いているうちに、昼間の・・・・・・・

あの男の声を手を、感触を、もう一度思い出してしまっていた。


イヤッ!!!あんな汚い手で触らないでっ!!!!

そんな目で私を見ないでっ!!!!


両手で自分を抱え込むように抱きしめ、頭を何度も、何度も振り

聞こえてくる幻聴を追い出そうとした・・・・・


(・・・・・アンジェ・・・・・・・、アンジェ・・・・・・・・・・・・・)



「アンジェッ!!!!!!!」



涙でかすむ視界の中、目の前には、誰かの・・・・・・胸。


・・・・・・・・・誰???


そっと見上げると、そこには・・・・・・・


とても苦しそうな、悲しそうな顔をした・・・・・クオンがいた。



「・・・・・ク・・・オ・・ン・・・・・・・」



グイッと力強く抱きしめられ、耳元で・・・・・・


「ゴメン・・・・・・・力になれなくて・・・・・・・・ゴメン・・・・・・・」


その声はかすれていて、もしかしたら・・・・・ちょっと泣いてるかもしれない。


クオンに抱きしめられ、暖かなぬくもりは、ずっと、ずっと・・・・・・・

欲しかった、暖かな気持ち。


パパも、ママも、玲子も、誰も・・・・・・


こうして抱きしめてくれなった・・・・・・・・



今日までずっと、堪えていた涙が体中から溢れ出した・・・・・・・




クオンは・・・・私が泣いている間、ずっと抱きしめてくれていた。









vo.17


(ちょっときわどい?・・・・・大丈夫?????)


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<追記>


ここでちょっと追記です。


今回のこの・・・・・彼女の幼い頃のトラウマというか、傷、ということで

こういった表現をさせていただきましたが、

私は一応女の子をもつ親として、こういった幼児虐待、というか

未成年への性的虐待、というのは・・・・・好きではありません。


今回書いたのは、私が一番嫌いだから、あえて書いた、というべきでしょう。

主人公の彼女への、試練、というべきものが・・・・・

私の中で一番キライなこと、許せないこと、だと思うと・・・・

これでした。後もうひとつは、日本では表現の難しいことなので・・・・・


最近、またニュースでもあったので、追記させていただきました。


少しでも、こういった事件がなくなることを、説に願っております。



そして、これは思いっきりフィクションなので・・・・・・・

気にしないでくださいね。



そして、私はチキンな心の持ち主なので・・・・・・

えげつなかったら表現変えますから・・・・・

お教えください、ませ。