もう1人の私の姿。それは・・・・・・・



私の中のもう1人の血を思い出させた。



私の中の、女優の血・・・・・・




ange  【ボクだけのdiva】  vo.7  ~reunionⅡ~





変身を完了させ、私の中も、すっかり『関 和奏』へのスイッチを切り替えた。



和奏は・・・・・・・・


明るくて、無邪気で、でも、ちょっとだけしっかりしてるような女の子。


そして・・・・・歌が好きな、帰国子女のハーフ、という設定。


だから、日本語も苦手。



私もアメリカに居たころは、ほとんどずっと英語だったから、この設定はかなり喜んだ。




この後、LMEの社屋へ行き、早速歌手部門へ挨拶に行った。



ここで、始めてヒロにあったのだが・・・・・・・


第一印象は、サーファー?みたいに日焼けをしてて(かなり黒い)


体格もよく、ニコっと笑ったら白い歯がやけにまぶしいような感じの人(←どんなだっ!!)



話してみたら、かなり気さくな感じだった。



「よろしくなっ!!」って差し出された右手を、笑顔で握り返した。


「こちらこそ、よろしくおねがいします ^^ドキドキ



「(なっ!!!!)あんまり、そんな笑顔はいろんなところに振りまくなよ・・・?」


と言われたが、あまり意味がわからなかった。




「早速なんだが、10月から始まる連続ドラマの主題歌を歌ってほしい

と依頼が入ってるんだが、大丈夫そうか?」



主任さんのところにも、ヒロとともに挨拶に言ったら、早速仕事の話になった。



「ドラマの主題歌、ですか・・・・・」



「監督さんが、和奏の歌声に惚れ込んじゃったらしくてなぁ~。

まだ新人なのに、ごり押ししてきたんだよ・・・・・」



「・・・・・どんな曲にすればいいか、要望はあるんですか?」



「まぁ、ドラマに合うのがいいのは当たり前だがなぁ・・・・・

一応、第一話の台本と、その後の話のプロットはもらってきておいたぞ。」



「わかりました。見て、曲が作れそうならOKでいいですよ?!

新人にそんな話がくるなんて、ありがたいことですから・・・・」



「よろしく頼むよ!!!」





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先ほどもらった資料に目を通しながら歩いていると、途中で声をかけられた。



「あれっ?!高山さんじゃないですか???」



「おうっ!!!って、社。久しぶりだなぁ~~~!!!!」



「・・・・・・この子は、誰ですか?・・・・・・もしかして、また担当変わったんですか???」



「・・・・・・まぁ、な。でも、こいつは、女優志望じゃなくて、歌手の卵だ。」



「えっ?!いつの間に俳優部門から異動したんですか????」



「・・・・・・お前らが忙しく仕事しすぎなんだよっ。少し前だぞ!?」



二人が仲がよさそうに話をしているので、私は1人、ポツンと立って取り残されていた・・・・・



「・・・・・・・ヒロさん?????」(←怒りモード発動中)



「!!!!あ、あぁ、すっかり忘れてたな・・・・・・

こいつは、今俺が担当している『関 和奏』だ。」



「関 和奏です。よろしくおねがいします。」(ペコリ)



「えっ?!天使の歌声の、主????」



「はぁ~~~~あ?????」


(天使の歌声って、何???)



「・・・・・・社。こいつは、今朝アメリカから来たばかりで、こっちの情報をまったく知らないんだ。」



「じゃあ、彼女は自分自身が今なんて呼ばれているのか知らないんですか??」



「・・・・・・あぁ、教えてないからな・・・・・・」



「・・・・・・あのぉ~~??『天使の歌声』って、何ですか???」



「あぁ、実はね。『ster』の歌声がまさに『天使の歌声』のようだって

あるタレントさんが言っちゃってねぇ・・・・。それから、みんなが『天使の歌声』って言うようになったんだよ?!」



「・・・・・はぁ、そうなんですか・・・・・」



「・・・・・なぁ、ところで社。今日は1人だけなのか?担当俳優さんはどうしたんだ????」



「あぁ、ちょっと別行動中なんですよ?!」



「・・・・・ふぅ~~~ん・・・・・。あっ、そうだ、和奏。覚えておいたほうがいいぞ?!

この社は、わがLMEの誇る若手俳優NO.1の担当マネージャーさまなんだよ。」



「NO.1俳優、ですか??」



「あぁ、『敦賀 蓮』って知らないか???」



「!!!!!・・・・・・・そ、そうなんですか・・・・・・・・ええ~~っと・・・・・・ヤシロ、さん??

(うう~~ん、呼びづらいなぁ・・・・・。)」



「え~~っと、何かな?和奏ちゃん???」



「その、担当俳優さんは、よく事務所にくるんですか?」



「あぁ、あんまりこないと思うよ?!」


(・・・・・よかったぁ~~。あんまり会いたくないもんねっ!!!)



「・・・・・・何か、あからさまにホッとしたような顔をしたんだけど・・・・・・

蓮に何かあるのかな??用事とか??もしかして、ファン、とか??」



「ありえませんっ!!!!!!!」(きっぱり)



「・・・・・・そんなに即答しなくても・・・・・・」



「あのぉ~~、もうひとつ、お願いがあるんですが・・・・??」



斜め上を見ながら、首をかしげて聞いてみたら・・・・・・・



「!!!な、何かな????(すごい、かわいいんだけどっ!!!!!)」



「ヤシロさん、って言いづらいので、ヤッシーって呼んでも、いいですかぁ???」



(なっ?!頬を赤く染めながら、そんなお願いされたら、誰だってダメって言えないだろう?!)


「も、もちろん、良いよ?!」



「・・・・・・ホントォ~~~~????ヤッシー、いい人で、よかったぁ~~~!!!!

・・・・・・よろしくね、ヤッシー ^^ドキドキ



「・・・・・・う、うんっ(かわいすぎる!!!!)」



「・・・・・・・和奏。もう次に行く時間だぞ?!まだ、レコード会社に挨拶に行ってないだろう??」


「はぁ~~~い。・・・・・ヤッシー、またね音譜」(バイバァ~イ)



「・・・・・また、ね・・・・・・・」





(あぁ、社は完全に落とされたな・・・・・)


「なぁ、和奏?」



「なぁに??ヒロ。」



「・・・・・なるべく、あだ名つけるのやめろよ???」



「・・・・・どうして?読みづらいんだもんっ!!!」(ブーっ!!!!!)



(ブーたれた顔までかわいいのかっ!!!!)


「・・・・・・後々、やっかいなんだよ・・・・・・」



「・・・・・そんなものなの??」



「そうだっ!!!!!」



「・・・・・・じゃあ、日本語ペラペラなハーフってことのほうがいいのかな??」



「・・・・・・・そうだな・・・・・・・・」




*


(その頃、社さんは・・・・・)



「・・・・・・社さん??顔、真っ赤ですよ???熱でもあるんですか????」



蓮にいらぬ心配をかけていた・・・・・・









vo.8



(今回は社さんに逢わせてみました)