6月は新時蔵さんの妹背山が見たかったので、昼の部に行きました。今回3階席の東の4番目位で拝見したので、3階席の様子がよく見えたのですが、演劇系の学校や学部?が借り切っていたためか、ハタチ前後位の学生さんたちが8割以上いらっしゃって、いつもの雰囲気とはガラリと違っており、びっくりしました。全体的に座席は9割以上埋まっていて賑やかで楽しかったです。(萬屋さんの緞帳のデザイン、何か西洋風ですね。)

 

 

一幕目の「上州土産百両首」はOヘンリーの短編を劇作家の川村花菱が日本版として兄弟分の強い情愛を描いたものらしく、こうした人情噺を演じるのが得意な獅童さんにぴったりだろうとは思ってはいたのですが、更に菊之助さんの演じる不器用で、でも非常に可愛げのある牙次郎が、これまでの菊之助さんのイメージとは真逆で、面白かったです。来年菊五郎の襲名があるので、色々な役をこなしておきたいのかもしれないな、と思いました。

二幕目の義経千本桜の時鳥花有里は、又五郎さん演じる義経が都落ち中に不思議な傀儡師と白拍子たちに出会って、、といった
舞踊で、左近さん、児太郎さん、米吉さん、そして孝太郎さんの美しい白拍子姿と踊りが華やかでとても素敵だったのですが、傀儡子を演じている種之介さんが(あの年齢で)貫禄たっぷりで見事な変面芸を披露されていて、素晴らしかったです。種之介さんの舞踊は個人的に大好きです^^。

三幕目はお待ちかね、新時蔵さんの妹背山女庭訓です^^。先日隼人さんのインスタグラムを見ていたら、お三輪をいじめる官女さんたち役を務める方々が出ておられて、皆さんなんと全員小川家の方々ということで(笑)、非常に楽しみにしていたところです。

官女さんたちは錦之助さん、又五郎さん、歌六さん、獅童さん、種之介さん、隼人さん、歌昇さん、萬太郎さんで、妹背山は2回位しか見たことがなく記憶があいまいですが、今回多分、いじめのシーンに長く時間が割かれていたような気がするのですが、でも、温かい身内感を感じるし、何よりもこのメンツの方々はそんなに底意地悪く見えないので、そういった意味でも濃密なのですが面白い、不思議な時間を過ごしました。若いのに古風な雰囲気で、でも凛とした雰囲気の素敵な新時蔵さんですね。これからのご活躍をお祈りしております^^。