今回の昼の部は「双蝶々曲輪日記」の引窓、「七福神」「夏祭浪花鑑」です^^。

 

引窓は、濡髪役の松緑さん、こういう人情味のある役がやっぱりとても似合いますね。変な言い方ですが、いつの間にか歌舞伎役者らしい、立派な顔付きになっていらっしゃるなァ、と思いながら観ておりました。また、東蔵さんと梅玉さんの動きがしっくり合っていて、何か安心してしみじみとした気持ちで観ることができました。東蔵さん、御年86歳とは思えない現役ぶりでびっくりです。お元気で長く活躍していただきたいです。

七福神は人気の若手が集まった短い舞踊ですが、頬が赤くてかわいい布袋さんが縁起が良さそう、ホンモノの福の神のようで、鷹之資さんばかり拝見しておりました^^;。それから隼人さんはお父さまに益々似てきましたね^^。

 


それから夏祭。この作品は2022年に2回だけ拝見したことがありまして、特に最後の、団七と義平次が黙ってもみあっている背景で、お祭りの鉾が通り過ぎてゆく様が非常にせつなく、とても心に残っております。2022年の7月は海老蔵さん(團十郎さん)の実に華やかな団七、そしてあと1回は松竹座の特別公演で愛之助さんの団七を拝見しました。この時は中村亀鶴さんの義平次が迫力あって記憶に残っております。

上方の作品ではありますが、今回も、素晴らしい役者さんばかり揃っていて、いい時間を過ごせました。(若い方だと種之助さんが既に、つっころばしを余裕でマスターしているのに感心しました。)菊之助さんは個人的な印象ですが顔がキレイすぎるので、世話物を演じるのが逆に大変そうに見える時がありましたが、今回の一寸徳兵衛はとても恰好よかったです。何か、若い時の菊五郎さんみたいな磊落な雰囲気もちょっと出てきたような気がして。

 

また、愛之助さん、どの役もかなり全力で取り組んで頑張るイメージの方ではありましたが、これまでで一番気合が入っているような、爆発的なエネルギーが所々噴出していて、役者魂を見たような気がします。おかげさまですっかり2時間、惹き込まれてしまいました。それから橘三郎さんの義平次、何か、どこかあわれな感じと憎々しさが交互に出ている感じが絶妙で、なんて見事なパフォーマンス。特にあの扇の扱い方、ホント苛々する(あちこちに蚊がいるんだろうな、という感じの・笑)。いやでも、義平次が憎ったらしいほど、この悲劇のシーンが鮮烈になるんですよね。圧倒されます。。!今度は本当の真夏に観てみたいです^^。