(しばらく過去の日記を更新します。)坂東玉三郎さんが、大変に残念なことですが、どうやら来年以降に歌舞伎からは撤退されるようなので、玉三郎さんのお峰を観られるのは今年で最後になるかもしれない、と思ったのと、お気に入りの愛之助さんや吉弥さんも出演されるので、怪談・牡丹灯籠を観にいきました^^。

 

↑これは私の勘違いだったようで、玉三郎さん、今年も無理がかからない位のスタンスで歌舞伎座にも出演してくださるみたいですね^^;(2024年3月20日現在)

 

この物語は、一見幽霊話が見どころなのですが、実は人間関係と因果が巡りに巡った「ヒトコワ」話で、もともととてもよくできた物語なのですが、今回は恐らく玉三郎さんの体調を考慮してか、1日に1公演、時間も休憩時間を入れて2時間半くらいの短い舞台だったので、どうなることかと思っておりましたが、いやいや、とても面白かったです^^。

 

 

世話物が上手い役者さんばかりなので、怖い筈のシーンもクスっと笑えるような、茶目っ気を出していたり、お国と源次郎の因縁話をあえて抜いて、その代わりに最後、伴蔵が恐怖のあまり錯乱してお峰とお六の命を奪う結果になった、という結末が逆に、愛之助さんの作る愛嬌溢れるキャラクターに合っていて、よかったです。

 

そういえばシネマ歌舞伎と1回舞台で、仁左衛門さんの伴蔵を観たことがあるのですが、やっぱりぞっとするほど人の気持ちの怖さが伝わってくるのですが、今回は時間的な制限もあり、こうした形がいちばん納得いく終わり方だったかも。

 

あと、今は新派で活躍しておられる、喜多川緑朗さんと河合雪之丞さん、以前やはり玉三郎さんの「ふるあめりかに袖はぬらさじ」の舞台で拝見したことがあったのですが、今回もお二方とも役柄もぴったりで、現在は歌舞伎からちょっと離れていたからか、歌舞伎役者然としていないのが逆に目につきました。印象的でよかったです。世話物や新作でいい存在感を示しそう^^。