現地から見た「生」のベネットさん:ナフタリ・ベネット首相
こんにちは、大変お久しぶりでございます。イスラエルの桜です。なんだかんだと忙しさにかまけているうちに、あれよあれよと時は流れ、すでに2021年は8月も末。もうすぐ9月……つまりイスラエルでは学校等の新年度がはじまり、ユダヤ今日新年ももうすぐ……の流れなのです!早いですね。ほんと怒涛のような一年でございました。コロナ禍も思うようには収まらず、増えたり減ったりを繰り返しながらいつの間にか「日常」に組み込まれていく。ある意味、人間ってたくましいんだなとも思える見方を変えればとても有意義な時代でもあります。特に、ここイスラエル。いろんな意味でコロナによってアップグレード&パワーアップを遂げ一住民といたしましてはこのひとたち、ほんとたくましいなぁ……というのが、素直で正直な感想でございます。と、前置きが長くなりましたが、本日は我がイスラエルの新首相ナフタリ・ベネット氏について、簡単に思うところを記してみようと思います。「…………なんでやねん?」と、思われるかもしれません。いえね、なぜかと言われますと、本日なんとなく日本語で「ナフタリ・ベネット」を検索してみましたらどこもかしこも判で押したように「ネタニヤフ元首相以上の右翼! 右派! 強硬派! イスラエル右傾化の危機!!!」みたいに描かれておりましてフツーにイスラエルに住んでいるフツーの一般市民といたしましては「え? まじ? あのベネちゃんが?」というのが、ポッと出てくる感想でございます。「うーん、まぁ、左ではないかな。左右どっちかっに分けろって言われたらそりゃ右だけんども」くらいの感覚で。部分的にかなり右寄りの政策もあるし、かといえばベネット内閣はイスラエル初のアラブ系議員を含む内閣でもありま、平均値を出せば右? くらいが肌感覚でございます。そもそもこのナフタリ・ベネット氏なる人物を、噛み砕いてご紹介しましょう。うちの首相なんですよ、このひと。よろしく、みたいな。ジェイソン・ステイサムをちょっと猫目にしたような 頭髪 ご容姿のこのひと。2021年現在、御年49歳という若さでございます。ネタニヤフ首相が「ビビ」と愛称で親しまれているのに対し、イスラエル人は基本的に彼のことを「ベネット」と呼び捨てします。「ベネット首相」とか絶対言いません。「ベネット」呼び捨てです。ニュース番組とかでもそうです。これはベネット首相がどうとか言うのではなく、イスラエル人の特性で、とにかく我が強く、自分の信念を固く信じており、すべての国民は他人に一切左右されない一国一城の主、相手が首相であろうと大統領であろうと自分も彼らと同格であると信じて疑っていないあの、気の強さによるものだと理解しております。さてこのベネット氏、両親がアメリカからの移民で、自身もアメリカやカナダでも育っているので英語はネイティブレベルにペラペラです。これはネタニヤフ首相もそうでしたね。「サィエット・マトカル」というイスラエル国防軍参謀本部の超エリート特殊部隊の将校出身でもあります。実はこれもネタニヤフ首相と同じです。ここは、イスラエルのいわゆるベスト・アンド・ザ・ブライテストが入る部隊でまあ結果的に、除隊後も成功者が多く出る場所です。さて、ベネちゃん。軍隊を辞めてからはビジネスの道に入りハイテク系起業で二度ほど成功してミリオネアとなり、イスラエルに帰ってきて、政治の道を志しました。これは、ある意味、現在のイスラエルの若者たちの王道コースでもあります。イスラエルは超小国であり、国内市場が極端に小さいので国内で大成功するには限界がある。「じゃあ、どうすればいいか」と、解決策を求めて全方向に爆走するのがイスラエル人で除隊後、主にアメリカ東海岸を目指して国外脱出。そこで一旗上げて、その資金と経験を元にイスラエルを拠点に豊かな生活を切り開いていく……というのが夢であり、少なくない数の40代〜30代が成し遂げていることでもあります。まあ、なにが言いたいのかと言うと、このナフタリ・ベネットなる人物は、そんなイスラエルのハイテク世代を代表する意味でとてもシンボリックな存在であるということかもしれません。そんなベネちゃん。ちょっと喋り方にスノッブな感じがあるせいか、気取ったやつだと思われる傾向にありますが好き・嫌いが両極端に分かれたネタニヤフ元首相(現在は野党議員です)に比べものすごいサポーター層がいるわけでもなければ逆にすごい嫌っているひとというのも少なくベネちゃんが首相になったことで「イスラエル右傾化の危機!」とか言われるとんー???と首を傾げたくなるところでございます。まず第一にイスラエル人は基本的にとても「個」が強く、そのレベルは世界最強ではないかと思っております。ちょっと日本人には想像さえ難しいレベルです。「首相」など「そういう職種についている我らのうちのひとり」……くらいにしか思っておらず、その人物がちょっと右だとか左だとかで、イスラエルはなにも変わらないんですよ。おそらく日本語の記事の大部分は、そんなところまで取材するキャパシティもなく、どっかが英語記事を訳して公開したのをみんなで真似して書いているだけ……ではないかと思われます。(もちろんちゃんとした記事もあるとは思いますが……まぁ、グッグルさんで検索してトップに出てくる記事の多くは、上記のような感じでした)ちなみにこの「ベネちゃんストーリー」を詳しく知りたい方はこちらのハーレツ紙の記事をどうぞ。若い頃の写真も見られます。かわいいです。長くなりました。御読みくださり、ありがとうございます。こちらはあくまで一住人の「生」の声のひとつとして、ご参考までにご笑覧くださいませ。桜