こちらはメインブログからの移動作品です。

妄想のお話のみ移動中です。

まずは、このふたり〈翔ちゃんと桃恋〈とうこ)さん〉を移動しております。

止まったままになってる作品が多々ありますので、こちらに移したら続きを!ともおもってます。

今現在のあたしが手直し、加筆しての再アップとなっております。







玄関に立って彼を見送るのは、これで何度目だろう?

少しは強くなっただろうか?

どうやったら 強くなれる だろう?

そんな ことを考えていた。

「何。ぼーっとしてんだよ?」

「あぁ、ごめん。なんでも・・・」

「なんでもなく…ないだろ?」

『なんでもない』と言い終わらなウチに突っ込まれたら返す言葉がない。

「いやぁ。たださ?こうやって見送るの何回目かなぁ、なんて思ったら自分は強くなれたかな?と思って。」

「強く?…なんて、ならなくていいんだよ?俺が帰る時に 『さみしい』とか思ってもらわなきゃ困る。」

「うん・・・」

「『バイバイ』とか 『またな』に慣れてもらったら俺さみしいじゃん。
お前が、さみしそうな顔してると俺も…さみしい反面嬉しんだよ?」

「そ・・・っか」

「なんだよ?なんか間の抜けた返事だなぁ」

彼は私の頭を自分の胸の中に収めて抱きしめてくれた。

「じゃぁ、また、な」

私は彼の胸の中でこくんと頷く。

彼は私の背中を数回軽く叩くと、その手を離し顔を持ち上げられ…いきなり深い口づけ。
それに応えるのに必死で朝だというのに頭の中は真っ白だ。

彼が唇を離したとき私はまだ呆然としていた。
さらに彼が放った一言で唖然とすることになる。

「行ってきます。」

「・・・・?」

「ははっ、なんて顔をしてんだよ。
そこは 『行ってらっしゃい』でしょ?」

「・・・?」

なかなか口が開かない私に

「この前ソチに 行く前 『行って来ます』って言ったとき…あぁ、なんかいいなぁって思った。
だからさ、これからは、桃恋のところから帰る時も 『行ってきます』って言おうって 思う。
だから お前は 『いってらっしゃい』って言って?」



ようやく事態が飲み込めた私は

「行ってらっしゃい」

と言うことができた。


にこって笑ってドアを開ける彼と少し涙目だけど にこって笑って見送る私。

そうか…強く…ならなくてもいいんだね。
さみしくても…いいんだね。

でも 『いってらっしゃい』って言える…この挨拶は、とても嬉しいし いい案だと思うよ・・・翔くん。






END

とゆってもタイトル変わって続きますよ。