朝顔が生長し 
幾本かの蔓が縦糸の頂上に達した。



そこで一つ問題が……


今後の彼らの行く先である。


進路選択という問題が起こった。




最初は

彼らが行く方へ伸びていけばいいわ。

とそのままにしていたら


彼らはさらに上へ進もうとしている様子。



でも上にはもうロープもなく

頼るものがない。


壁を這うしかない。


ここは一つ

横向きのロープを伝って頂きたく

そちらへ誘導する。





そして

新たな問題がワタシに発生。


「どっち向きに巻き付ければ左巻きなのか?」


が分からなくなってしまった。




もう一度下から蔓をたどる。

蔓に合わせて指を動かす。



そしてその指を横向きにしてみて……


「あれ? これって右向きじゃない⁉️」


もう右巻きも左巻きも 分からなくなる。



幾度も蔓に合わせ指で真似てみる。


互いの蔓にも ロープにも

複雑に絡み合う蔓をたどり

あっち向いて こっち向いて指でたどる。


ますます混乱する。


「やだ! 本当は右巻き? 

 ってことは時計回りよね。」


「えっ! でも… 

 こうなるってことは左巻きだよね。

 時計と反対だよね……」


ますます不安になる。



そして

Google先生に聞いてみた。


【朝顔は 一般的には左巻き】


の文字を発見。ひと安心。




でも 

それに続いて幾つか記事を見てみると

左巻きも 右巻きも出てきた。


巻きの渦に吸い込まれていく。


もう……

「きゃぁー笑い泣き」だった……





つまりは

右巻き 左巻きは

見る方向で簡単に変わってしまうということだ。


今更ながらなるほど。


試しに紙に渦巻きを書いて覗いてみた。



これが左巻きの渦
上から見ると
陸上のトラックを走る人と同じ。


そして
今度は下から見る。
渦は 時計回りに外へと広がる。



本当に変わってしまった。



ワタシが最初に左巻きだと思ったのは

蔓の動きを根元から上へ

蔓が進む方向へと合わせて指を動かしたから。


それは様々なエネルギーを巻き込み

上へと上昇していく気流のように感じた。



でも上から

今一番先端にある蔓から根元の方へ

たどっていけば

エネルギーを撒き散らすように帰っていく。


どの方向を見据えるかによって

左巻きにも 右巻きにもなる。




これって……


相手の話を

向かい合って受け止めるのと

隣に寄り添って受け止めるのとでは

違うのと似ている。


そう思った。




朝顔の今の気持ちに寄り添えば

その動きは左巻きになり


朝顔のこれまでの頑張りから見れば

蔓の動きは右巻きと捉えられる。




とても単純で簡単なこと。



だけど

とても意味の深いことに感じた。