長男と一緒に帰宅した日、長女は義実家へ預けていました。

長男が亡くなった日、長女は朝から保育園に預けていたので、まだ亡くなった長男には会っていませんでした。


私は長女に長男が亡くなったことをどう話せばよいのかわからずにいました。

自分自身の心の整理もできていないのに、どう話せば良いのかわかりませんでした。


義両親は出産日からずっと私の自宅にいてくれていたのですが、葬儀の洋服の準備もあり、長男が亡くなった日に長男に会ってから長女を連れて義実家へ帰っていました。


自分自身も混乱しているので、全く頭がまわりません。


それでも時間は待ってくれませんでした。

葬儀の日程が決まり、かたちある長男と一緒に過ごすことのできる時間は残り少なくなっていました。


もっとずっと一緒にいたい・・・

もうすぐ目をあけるのではないか?

そう思ったけれど・・・

辛くても現実を受け入れなければいけない状況でした。


長男が自宅で過ごす最初で最後の夜、長男をまんなかにして家族3人で川の字になって寝ました。

長女が一緒でなかったのは残念でしたが、主人と一緒に長男にたくさんはなしかけ、手を握り、好きなだけ抱きしめることができました。


部屋を暗くしてから長男に子守唄を歌いました。


ゆりかごのうたを

カナリヤがうたうよ

ねんねこねんねこねんねこよ


ゆりかごのうたを

○○○○(長男)にうたうよ

ねんねこねんねこねんねこよ


ゆりかごのうたを

パパとママがうたうよ

ねんねんこねんねこねんねこよ


長男の隣で私は久しぶりにちゃんと眠ることができました。

一晩だけでしたが、一緒に自宅で過ごすことができて本当に嬉しかったです。


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翌朝、長男の心疾患のことを話していた友人数人に連絡をして会いに来てもらいました。


まだ外は暗くて日も出ていないような早朝電話をしたにも関わらず、嫌な顔一つせず来てくれた友人、

電話では亡くなったことを告げずに「退院したのでちょっと来て欲しい」と言っただけだったのに、

すぐに来てくれました。


ハイアンドローチェアに眠る長男を前に、2日前に亡くなったことを告げました。

亡くなっているだなんて嘘なのではないかと思うほど安らかな顔の長男・・・

友人は一緒に泣いてくれました。

そして、やさしく長男を抱っこしてくれました。


本当は元気な状態で会わせたかったのですが、かたちの有るときに会って欲しかったので、間に合って良かったです。


この日の10時には火葬することが決まっていましたので

病院と親族以外の方に抱っこしてもらうのはこれが最初で最後のチャンスでした。


友人も長男の誕生をとても楽しみにしていてくれました。

このような結果になってしまったことは本当に残念でしたが、

会わせることができて良かった、

抱っこしてもらえて本当にうれしかったです。


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友人が帰宅してしばらくすると実両親が来てくれて、

まもなく義両親と長女が帰宅しました。


長女はおうちに弟が帰ってきたことを喜んでいて、

ハイアンドローチェアに眠る長男に話しかけたり、おでこをなで、おもちゃを貸してあげたりしていました。

無邪気に笑っている長女にどう説明して良いかわからず、言葉が見つかりませんでした。


葬儀屋さんがお迎えに来る時間が近づいていました。


みんなで眠っている長男にたくさん話しかけました。

実父が長男にと買ってきてくれたベビードレスやスタイをかけ、靴下を履かせました。

長女はずっとはしゃいでいました。


長女に長男の心臓が止まってしまったことを話しました。

心臓は止まってしまったけれど、みんなの心の中で生き続けているよと話しました。

長女に「死」という言葉はあえて使いませんでした。

たぶんちゃんと理解できていないだろうけれど、いつか理解できる日がくると思います。


短い一生ではありましたが、みんなに望まれて生まれてきた長男はとても幸せだったと思います。

一晩ですが、自宅で一緒に過ごすことができて、川の字で寝ることもできました。