長男が亡くなった翌日、長男と一緒に退院しました。
退院の手続きをして、病室から看護師さんと一緒に長男のところに行きました。
長男は冷たくなっていたけれど、本当に安らかな顔をしていました。
「これからおうちに帰りますよ」
そう言って霊安室で眠っている長男をおくるみに包んで抱き、病院の裏側から出た後、
病院の正面玄関の前を通って退院させていただきました。
看護師さんも正面玄関まで一緒にお見送りしてくださいました。
(私が元気な赤ちゃんと同じように、普通に退院させてもらいたいと言ったので、看護師さんが最大限のご配慮してくださったのだと思います。)
主人と長男と一緒に3人で自宅に帰る途中、おくるみに包まれた長男を見て、
たくさんの方が「かわいいね」と言ってくれました。
お声をかけてくれた方に長男が亡くなっていることは言えず申し訳なかったですが、
「ありがとうございます」と応えるたびに涙が頬を伝いました。
「みんなにかわいいって言ってもらって良かったね」そう長男にはなしかけていたら、
アオスジアゲハがやってきました。
私の大好きな蝶々、長女の大好きな青い羽根をもっているアオスジアゲハを見て
瞬時に長男がきてくれたんだと思いました。
「パパ、ママ、心配しないでね」
「僕は元気にしているよ」
長男がそう言っている気がして、長男の名前を声に出して呼びました。
しばらく私たちの近くを羽ばたいたのち、どこかに飛んでいってしまったけれど、
あのアオスジアゲハはきっと長男だったのだと思います。
長男君、来てくれてありがとう、嬉しかったよ。
帰宅して、玄関に入り、初めての「ただいま」をしました。
「おかえりなさい」。
「ここがあなたのおうちですよ」
長男がいるリビング、これが日常だったら良かったのに・・・
そう思うと、抑えていた気持ちがあふれるように涙がぽろぽろこぼれました。
自宅に戻ってすぐに、長男をハイアンドローチェアに寝かせました。
すやすや寝ているようにしかみえない長男・・・
翌日には火葬されてしまうなんて信じられませんでした。
帰宅してしばらくすると、葬儀屋さんが来ました。
葬儀の内容を確認し、支払いを済ませ、各種手続きをしました。
(葬儀の内容を決めるまでのことはまた別記事にしようと思います)
翌朝には火葬することが決まっていました。
たった1日前に亡くなったばかりなのに・・・
短期間でどんどん決まっていきます。
手続きは主人に任せ、私は葬儀屋さんが持ってきてくれたドライアイスをあてたまま、
長男を抱っこしていました。
ずっとこのまま一緒にいられたらいいのに・・・
眠っているかのような長男、
愛おしくて、愛おしくて・・・
ずっと腕の中に抱いていたいと思いました。