長男が生まれた翌日の23時すぎ、
私はNICUから私のベットのある病室に戻りました。
看護師さんのご配慮で、産科の中で一番奥にある(他の新生児ママさんや新生児室の前を通らない場所にある)個室を用意してもらっていました。
相部屋は、母子同室のママ&ベビーがいたり、管理入院中の妊婦さんがいたりして、私にとっては落ち着かないだろうとのご配慮でした。
個室でひとりきりになり、ベットに横になりました。
本当は長男と一緒にいたかったけれど、出産当日から殆んどまともに休息をとらずにいたせいか私の身体も疲れがたまってきていました。
すぐには眠れないけれど、横になれば少しは疲れがとれるかもしれない・・・
残り3時間と言われてから1日以上経っていました。
先生から主人の帰宅許可も出たことだし、すぐに悪くなることはないだろう。
ここまで頑張ったんだからきっと大丈夫。
明日の朝にはきっともっと良くなっている。
ひょっとしたら劇的に症状が改善して手術できるようになるかもしれない・・・
そう思っていました。
明日の夜もきっと長くなる、少し休んで朝に備えよう。
そう思ってもなかなか寝付けませんでした。
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AM3時過ぎ、看護師さんが来て「赤ちゃんの心拍が下がっています、すぐに来てください」と言われました。
つい数時間前まで安定していたのに、どうしたの?
主人も病院から連絡をしてこちらへ向かっている最中だと聞きました。
急いでNICUに向かうと、先ほどと変わらない顔で眠っている長男がいました。
モニターをみると、心拍数が50台になっていました。
生まれてからずっと100以上だったのに・・・
ついに「その時」が近づいてきているのだと悟りました。
「良く頑張っているね」
「もうすぐパパもくるからね」
「生まれてきてくれてありがとう」
何度もこの言葉を繰り返していました。
主人が到着して、二人でたくさん話しかけました。
まだ暖かい長男・・・
怖くてこれ以上モニターを見ることはできませんでした。
もう一度抱っこさせてもらいました。
まずは私、そして主人にバトンタッチしました。
モニターが切られ、もう「その時」がきていることがわかりました。
主人の腕の中にいる長男に、もう一度、パパとママで子守唄を歌いました。
ゆりかごのうたを
○○○○(長男)にうたうよ
ねんねこねんねこねんねこよ
ゆりかごのうたを
パパとママがうたうよ
ねんねんこねんねこねんねこよ
泣きすぎてもう出ないと思っていたのに、涙がどんどんあふれてきました。
先生が長男の胸に聴診器をあてて、心音がないことを確認しました。
たった2日間の命でした。
生まれたばかりなのに・・・
まだこんなに暖かいのに・・・
長男は、今にも目を覚ましそうな顔をしたまま、お空に逝ってしまいました。
2度目の朝を一緒に迎えることはできませんでした。