全世界を魅了する少女が東京にやってきました。
『真珠の耳飾りの少女』
道明寺さくらの美道楽日記
朝日新聞のマウリッツハイス美術館展より拝借しました。


人、人、人の向こうから、彼女はこちらを一途に見つめているよう。
優しくも、強い視線。
そして、白い肌に軽く微笑んだみずみずしい唇。



最近では『真珠の耳飾りの少女』と呼ぶ事が多くなってしまいましたが、
かつては、「青いターバンの少女」と呼ばれていたと記憶しています。


ワシントンDCでも見ているのですが、どの国に行っても大歓迎をされる
絵画界のモナリザと並ぶヒロイン。いや、今ではモナリザより愛されている
のではないかと思えるほど、彼女を見るために炎天下の中人々は上野を訪れています。


つぶらな瞳。そしてより大粒の真珠の耳飾り。
真珠は少しメタリックで、そして真珠ならではの上品かつ優美な光を放っています。
フェルメールの絵の定番である天空の破片「ラピスラズリ」。
「フェルメールブルー」と言われるこの美しいブルーはターバンに使われ
キャンパスの大きなスペースを占めていて、この絵の印象をより鮮明にしています。


フェルメールの描く絵は「牛乳を注ぐ女」や「窓辺で手紙を読む女」「手紙を書く女」
など生活の風景の中に人物を描いているものが多い印象を持っていますが
この1665年に描かれた少女のポートレートは珍しいのではないでしょうか。
フェルメールブルーの占める割合もとても多くて印象的。
何せ、ミキモトが協賛する前までは、このターバンが絵のタイトルになっていたのですから。


優しい眼差しで振り返ったこの少女。
美しく甦り、私達に微笑んでくれることに感謝する作品です。






マウリッツハイス美術館展は東京都美術館で9月17まで開催中です。
道明寺さくらの美道楽日記
ちなみに真珠の耳飾りの少女に会う為に私は平日金曜日の昼間に25分くらい並びました。
前で長時間立ち止まってみられないので、遠くからこちらを見つめる少女を
発見したら、つかさず少女の微笑みを見つめ返して下さいね。