今日は他所に寄越したエッセイを転載いたします。
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真実を追究する生き物、それが人間であろう。大いなる自然に為す術もなかった人類は、その自然を理解しようと努め、科学を進展させた。他の霊長類には真似できないことだ。それゆえ、真理を求めるその好奇心こそ人間の証ではないかと私は考える。しかしながら、真理というものはそう簡単には見つからない。ニーチェ曰く、真理は女性のようなものなのだそうだ。
ディベートというものの本来の目的は、この真理の探究である。しかしながら真理というものは現代の諸問題においては見つかるものではない。そのため、現在における最善解を探求する必要がある。ディベートというものはこれをゴールとして行うものである。間違っても、議題に対して賛成・反対かを相手に論理的に押し付けるものではない。この最善解を探求するために、ディベートの参加者は特定の議題について事前に徹底的に下調べをし、賛成反対の立場をディベートの直前に決め、各々の主張を観衆という第三者に訴えかけるのだ。ジャッジの争点は「どれだけ主張に根拠があるかどうか」である。ディベートは、朝生やTVタックルのように議論を自分の主張を述べるだけ述べてかき回すようなものでは決してないのだ。
主張に確固たる根拠があると説得力が出る。この説得力が他人と話す上でとても重要になる。特に対人交渉であれば、自分の発言に根拠がないものであれば相手を納得させることは確実にできない。自分の主張のメリット・デメリットについて客観的根拠をしっかり提示した上で相手に自らの意見をぶつける必要がある。この根拠こそが重要であり、この根拠の質をいかに高められるかが交渉を左右する。
ビジネスでは常に交渉が行われている。それこそ、本質である「利益を出すこと」ために相手にモノを買わせなければならない。そのためにビジネスマンは客と交渉をすることになる。ここで自分の売り物のメリットを相手に説得するわけだが、相手はこれだけでは満足しない。なぜならデメリットとメリットのバランスによっては自分が損をするかもしれないからだ。この場合、いかに客観的にメリットデメリットを説明し相手に満足させられるかがカギとなる。この際、不当にデメリットを隠そうとすると、その不誠実さが後々仇となる。デメリットとメリットをしっかり提示した上で誠実に対応する。それが根拠が持つ説得力に加えて相手の心をくすぐる。ドラッガーが言うように、真摯さがビジネスにおいては重要なのである。さて、日本の企業の中でそのことを理解しているものがどれだけあるか。ビジネスにおける新しい景色が待っているはずだ。
—————————以上引用ーーーーーーーーーー
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