任せたはずなのに、なぜ仕事が自分に戻ってくるのか
「これ、お願いできますか?」仕事をお願いして、少し肩の荷が下りたはずなのに。しばらくすると、「ここはどうしたらいいですか?」と質問が戻ってくる。途中まで進んでも、「一度確認してもらえますか?」と自分のところへ戻ってくる。そして最後には、自分で修正して仕上げている。気づけば、「任せたはずなのに、仕事が減っていない」そんなことはないでしょうか。私も、この状態は「相手がまだ慣れていないから」「説明が足りなかったから」と考えがちでした。もちろん、それが原因の場合もあります。でも、少し違う見方をすると、原因が見えやすくなることがあります。「誰のせいか」ではなく、「どこで戻ったか」を見る仕事が戻ってきたとき、「もっと自分で考えてほしい」「前にも説明したのに」と思ってしまうことがあります。けれど、そこで人の問題だけにしてしまうと、次も同じことが起こるかもしれません。そこで、一度だけ、その仕事が、どこで自分に戻ってきたのかを見てみます。たとえば、依頼した直後なのか。作業の途中なのか。判断が必要になったところなのか。完成したものを確認するときなのか。戻ってきた場所が分かると、考えるポイントも少し変わってきます。仕事が戻る理由は、一つとは限らない仕事を任せるときには、思っている以上に多くの情報を渡しています。あるいは、「伝えたつもりになっている情報」があるかもしれません。たとえば、 誰がどこまで担当するのか どの状態になれば完成なのか 何を基準に判断すればよいのか 作業に必要な情報がそろっているか どんなときに相談してほしいのか 想定外のことが起きたらどうするのかこうしたもののどこかが曖昧だと、相手は途中で判断できなくなります。すると安全のために、こちらへ確認を戻します。つまり、質問が戻ってくること自体が問題なのではなく、戻らないと進められない状態になっていることがあります。全部直そうとしなくていいここで、「では、今後は完璧な指示書を作らなければ」と考える必要はありません。それでは、仕事を任せるための準備で疲れてしまいます。一つの仕事を選ぶ。どこで戻ってきたかを見る。原因になりそうなものを一つ選ぶ。そして、次回は一か所だけ変えてみる。それくらいから始めてもいいと思います。たとえば、「分からなかったら聞いて」としていた仕事なら、「AとBで迷ったときだけ相談してください」と変えてみる。それだけでも、相手が自分で判断できる範囲が少し分かりやすくなるかもしれません。大切なのは、大きな仕組みを作ることではなく、同じ仕事が戻ってくる理由を、一つずつ減らしていくことです。「任せる」を、人ではなく仕事の流れから考えてみる任せた仕事が戻ってくると、自分の伝え方が悪かったのではないか。相手に任せるのはまだ早かったのではないか。結局、自分でやった方が早いのではないか。そんなふうに考えてしまうことがあります。でも、一度仕事の流れを書き出してみると、人の能力とは別のところに原因が見つかることがあります。仕事の渡し方。判断するための基準。相談するタイミング。必要な情報。そこを一つ変えるだけで、次は少し違う流れになるかもしれません。「任せられる人になる」ことを目指すより、任せやすい仕事の形を少しずつ作る。私は、その方が続けやすいと思っています。Atelier Sync Labでは、「なぜ、任せた仕事が自分に戻ってくるのか」―一つの業務を見える化して、一つ変える実践ワークを用意しています。実際に戻ってきた一つの仕事を使って、「どこで戻ったのか」「なぜ戻ったのか」「次回、何を一つ変えるのか」を順番に整理するための教材です。部下や後輩、担当者などへ仕事を任せているものの、「任せても自分の仕事が減らない」「質問や判断、修正が結局自分に戻ってくる」と感じている方に向けて作りました。▶ 詳しい内容はこちらなぜ、任せた仕事が自分に戻ってくるのか講師:白瀬 航企画・制作:Atelier Sync Lab発行:Atelier Sync