人間には刺激を求める時期があると思う
何か面白いことが起きないかな、今この学校に殺人犯がきたらどうやって逃げようか、なんて馬鹿げたことばかり考える
そんな私の学年では、毎学期2、3人不登校の子が増えている。
200人いる学年でなぜそんなにもひとつのクラスではなく、全てのクラスで不登校の人が増えるのか、しかも全員女の子、1年の3学期の終わり、わたしはふしぎにかんじた
でも、2年の2学期に同じクラスの女の子がターゲットになったのを見て、こうやって今まで何人もの女の子が辛い思いをしてきたのか、、なんて考えていた
私のクラスには、誰よりも優しくて、その子が声を発する度に毎日重く感じている空気をすっと軽くするような人がいる
そんな子がターゲット、でもあんなに素敵な人のことだ。味方する子が沢山いるだろう
だから気にしなくても大丈夫だ
なんて思っていたけどみんなターゲットにはされたくない。今までとても仲良さそうにしていた子達があの子から距離をとるようになっていた
「田村ちょっといい?」
「はい、」
いじめの主犯の彼氏、、そんな奴があの子を呼び出した、みんな一気に注目して、静まり返ったけど、すぐにうるさくなった
田村さん、、大丈夫かな、
「森田ー!ちょっとこれ保健室に届けてくれないかなー」
「、、はーい」
担任は私の事をなんだと思っているんだ、でも退屈でしかない昼休みだから良かったのかもしれない
ついでに田村さん探そ、
保健室に書類を渡して、田村さん探し、、なんて、あの人たちが呼び出す場所なんて大体分かっている
体育館の裏にある池、あそこにあの人たちはいつも人を連れていく。バレたら私もターゲットになるだろうけど逃げ足には自信がある
田村さん、、いた、今日は珍しく主犯、その彼氏、それについてまわってる男女二人がいる
田村さんが問い詰められているのはなんとなく見た感じでわかる。私に力があれば田村さんを守ることができたかもしれないのに、
「っ、、!」
なんて思っていたけど、田村さんが池に落とされた、これは助けないと、、でもターゲットになるかも、、
体が半分くらい池に浸かっている田村さんを主犯の人たちは笑いながらみている
この人たちも刺激を求めているのだろうか、
「あのー、」
「何?」
「先生が田村さんに急ぎの話が、ある、、って言ってたの、で、」
「、、あー、連れてっていいよ」
「、、、」
主犯の人は私ににやにやしながら私に近づいてきた
「この事先生に言ったら次はひかるちゃんだから」
「、、、」
恐怖、、それより田村さん、
「田村さん、」
「どうしたらいいん、いやや、こんなん、」
池の中で泣いている、
全く出る気配がない。池に浸かっている田村さんを出して、プールに向かう
「、、、何考えてるん、はよ先生のところ行かないと、」
「あれ、嘘ですから」
「、、危ないやん、保乃といない方が、」
「、、、」
プールについているシャワー室で洗い流そうと思っていたけど、水が出なかったからバケツに水をためてハンカチで綺麗にした
「ひかるちゃん、ありがと、、」
「うん、」
「、、、」
静かに泣く田村さん。そんな田村さんに近づいて、袖で涙を拭う
田村さんは、私に抱きついて、感情をたくさんみせてくれんだ