ボディガード・キリシリーズの第2作『爆身』(2018年)と、第3作『予幻』(2023年)に登場した、政財界と黒社会においてフィクサーと呼ばれる男・睦月。


『爆身』で知り合ったキリの調査能力を高く評価し、『予幻』では、キリにある要人の娘のボディガードするよう依頼してきました。



フィクサーという言葉の響きは、とても昭和ですね。

睦月は車椅子を利用していることからも年齢は75歳以上で、ボディガードの如月が命令に絶対服従であることや、部下の弥生が「先生の思想に感銘を受けた」と話していることから、元は活動家か総会屋、政治家あたりでしょうか。


しかし私が作品を読んでいて感じる睦月は、先見性を持ち情報戦に長けながらも、非常に洗練されていて“悪”や“野心”の匂いを感じさせない不思議なキャラ。日本を動かす力を持ちながら、どこか道楽のような余裕を感じさせる“現代のフィクサー”像を持っています。



鹿賀丈史さんやでんでんさんがいいかなとも思いましたが、この方を推します。

塩見三省さん。



塩見さんは現在76歳。

大沢さんの『野獣駆けろ』(1986年)が実写化された際に元傭兵の清水や、『新宿鮫』(1990年)の映画では鮫島の同僚である防犯課刑事を演じていますが、世間的にはNHK朝ドラの『あまちゃん』で琥珀に取り憑かれた勉さんや、映画『アウトレイジ』の印象が強いかと思います。



塩見さんは2014年に脳出血で倒れ、リハビリ生活を送っていらっしゃいましたが、今年になって左半身に麻痺を残しながらも俳優活動を再開されました。

塩見さんにエールを込めて、睦月役を是非演じて欲しいです。