俺は井上快斗、誰からも人気な明るい勝組男です!
なんて自分で言っちゃう嫌な奴!
ま!そんな俺をみんな好きなんだけどな!いやぁ!モテるって辛いねぇ!
俺には可愛い彼女も、美人な母さんもイケメンな父さんもいる!いいだろ!
しかも金持ちなんだ!
「今日はデートだしお気に入りの靴で行こ!あれ?どこだっけ?えーと」
靴箱を探してもなかなか出てこないと思ったら奥の方にあった。
「あれ?この箱なんだ?」
箱を開けるとお気に入りの靴がもう一足。
「なんでもう一足?予備だっけ?あれ?」
その時、ガン!と頭が痛くなって声が聞こえる。
『この靴俺大好きなんだ!カッコイイだろ!』
「だ……れ……」
「快斗!」
箱を取り上げられた。母さんだった。
「母さん、なんで靴が2足もあるの?」
「ほら、お気に入りだから悪くなった時のためにもう1足買ったじゃない」
母さんは優しく言った。
「そっか、そうだよな」
「それより快斗、雪ちゃんとデートでしょ早く行きなさい」
「そうだった!やべ!」
俺は慌てて出る。
「行ってきます!」
そな時頭に何か響く。
『返せ』
俺は振り返る、けどそこに誰もいない、気のせいかと俺は待ち合わせ場所まで走る。
「ごめーん雪おまたせ!」
「待ってないよ快斗くん、時間ピッタリ!」
「そう言ってもらえて嬉しいよ、ではお姫様、お手をどうぞ」
「王子様、エスコートを楽しみにしてますわ」
「おう!」
「貴族崩れるのはや」
「は、しまった!」
「もー!前もこんなのしたのにー」
「前も?」
ガンと頭を殴られる感覚がする。
『雪と貴族ごっこ楽しかったからまたしたいな』
「快斗?大丈夫?」
雪の声に目が覚める。
「あ、ごめんごめん、なんかボーとしちまって」
「大丈夫?どこかで休む?」
「いや、大丈夫、映画早く見に行こうぜ!」
「う、うん!」
俺達は映画館の方に足を向ける。
『そこは俺の場所だ』
俺は振り返って、でも、そこに声の主らしき人はいない。
「快斗?」
「あ、ごめんごめん、行こ!」
「うん……」
俺は気にせずに映画を見た。
その後のカフェで感想を話した。
「映画面白かったね!」
「な!まさかあんな展開になるなんてな!」
「あの俳優カッコよかったなぁ」
「俺より!?」
「さぁ?どうでしょう?」
「おいおい、いじめんなよぉ、あの俳優殺したくなるだろぉー」
「ダメ!!!!」
雪は顔を青くして立ち上がり真剣に叫んだ。
「な、なんだよ、冗談だよ」
「あ、そ、そうだよね、ご、ごめんね!」
慌てて座り直し居心地悪そうに目を泳がせる。
「大丈夫か?雪?」
「ごめん、ちょっと体調悪いかも」
「マジか、じゃあ、もう帰るか、送るよ」
「うん、お願い」
「あぁ、もう行こう」
俺達は急いで店を出た。
帰り道はどんよりとしてせっかく映画が面白かったのにもったいないと俺は頭をフル回転させてどうにか雪を元気づけれないかと考える。
「あ、朝さ、お気に入りの靴がなかなか見つからないと思ったらさ、同じ靴が二足あってさぁどんだけ好きなんだよて感じじゃね?」
俺がそう言うと雪は泣き崩れた。
「わあああああ」
「ゆ、雪?どうしたんだよ!」
「無理だよ!快斗だなんて思えないよ!」
「は?何言ってんだよ俺は快斗だろ!」
「貴方は!弟の圭斗でしょ!もう嘘つかないで!」
「け?圭斗?何言って、」
そしてぼうと俺にそっくりな男が雪を抱きしめている
『お前のせいだ』
そして俺は思い出す
「快斗ばっかりずるい!みんなに愛されて!雪くらい俺にくれよ!」
「何言ってるんだ圭斗!雪は物じゃないんだぞ!」
「快斗、良いじゃない、貴方はたくさん交流があんるんだから雪ちゃんくらい圭斗にあげなさいよ、雪ちゃんも圭斗でもいいでしょ?」
「私は………快斗君がいいです……」
「あら、顔は圭斗のほうが良いし成績も圭斗の方がいいわ圭斗にしときなさい」
母親の言葉に快斗は怒鳴る。
「母さん!圭斗を甘やかすの辞めてくれ!圭斗が交友がないのは圭斗がわがまま言ったり誰にでも無礼だから嫌われてるだけだ!圭斗の責任だろ!父さんもなんとか言ってくれよ!」
父は顔をしかめて言う。
「快斗は、彼女作るより勉強しなさい」
「父さん!」
「圭斗が望んでるじゃないか、兄だろ言う事を聞きなさい」
「お前ら頭おかしいよ!もういい!俺は出ていく!」
「快斗出ていくの?なら俺も行く」
圭斗がそう言うと快斗は怒鳴る。
「お前を連れていくわけ無いだろ!」
「なら雪をちょうだい、そしたら付いていかない」
「いい加減にしろ!もういい!行こう!雪!」
「待ちなさい快斗!どこに行くと言うんだ!」
「ホテルでも何でも行くよ!俺はバイトもしてるからな!甘やかされてる圭斗と違ってな!」
「だめよ、快斗、双子の弟を置いていくなんて」
母が快斗の腕を掴んで止める。快斗と両親の言い合いは止まらない。
「なんでわかってくれないんだ」
圭斗はブツブツとつぶやく。
「快斗だけズルい快斗はなんでも持ってるのに雪まで持ってくなんてズルイズルイズルイズルイズルイ」
快斗は雪の手を取って玄関を出る。そんな快斗に圭斗は体当たりをした。快斗は低い段差の階段で転び花壇に頭をぶつけ動かなくなる。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
雪が叫び母が絶句する、父が快斗の息を確認する。
「息、してないぞ」
母はすぐに雪にすがる。
「雪ちゃん、今死んだのは圭斗よ」
「な、何をおっしゃっているんですか?」
「今死んだのは圭斗、だから快斗と付き合えるわね?そうよね」
「正気ですか?本気でそんなことを?」
母の言葉で快斗が死んだショックを受けていた圭斗は笑う。
「そうか、僕は快斗だった、そう、僕は、快斗なんだ、ははは…………ははははははは!僕は快斗!僕は快斗なんだ!人気者の快斗なんだ!!」
笑い続けていたと思ったら圭斗は気絶した。父は圭斗が転けて死んだと警察に連絡して、葬儀の時も快斗は圭斗として燃やされた。
あぁ、思い出した。すべて。
「あは、あはは、そっか、俺、圭斗だった………ほんとだ!圭斗だ!圭斗だった!でも雪は僕と居てくれた!だから雪は僕が好きなんだよね!好きなんだよね!」
「いや!来ないで!貴方なんて好きじゃない!快斗を返してよ!!!」
「なんで?僕は顔一緒だよ?ほら、マネだってできてただろ?君……君笑ってたじゃないか!」
「貴方に殺されたくなかったからよ!もう無理よ!貴方を快斗だなんて思えないわ!!」
雪は圭斗に怒鳴る。
「なんで、そんなこと…………そんなこと言う君なんていらない!!!」
圭斗は雪に殴りかかろうとしたが雪を守ってた快斗が圭斗を吹き飛ばした。
圭人は塀にぶつかり嗚咽を漏らす。
そのまま快斗は圭斗の首を絞める。
「ゆ………き………」
雪は怯えながら圭斗が死ぬのを見ていた。
圭斗はそのまま息が止まった。