1月13日。
函南町消防団出初式が行われた。
その式典において、なんと私が表彰されたのである。
どうやら私は「優良防火管理者」らしい。
果たして私は
表彰の栄に浴する程の防火活動に努めたのであろうか。
思えば、趣味のタイル磨きの際など
家のお風呂場でこんな歌をよく歌う。
「とっにかく用心、火の用心♪
とっにかく用心、ひっのよーじんっ♪」
笹川会長が、高見山関や子供らと、町内をパトロールする、
いにしえのCMソングだ。
あまりにも大声で歌ったため、
これが、防火啓蒙活動につながったのかもしれない。
もし、外で漏れ聞いた方がおられたら ご注意が必要だ。
私の美声で奏でたのは、歌、であり、決してお念仏ではない。
それではお念仏を熱心に唱える珍しい神主になってしまう。
聞けば、この表彰は
消防団の分団長の奥さんに贈られるものだという。
となると、あの努力がよかったのかもしれない。
消防団の、セレモニー用の、白い靴下の
どっかへいっちゃった片方を
根気よく探し出す努力。
余談であるが、我が家では何故か度々靴下が片方だけなくなる。
もしかすると、我が家に
妖怪・クツシタハンブンチョウダイナー
がいるのかもしれない。
いや、
変態妖怪・クサイクツシタハンブンチョウダイナー
の方かもしれない。
さて、今朝もこの妖怪が出た。
今日に限っては時間に余裕がなく、私はダンナにこう申し出た。
「ズボンの裾が長くて、一ミリも外に出ないんだからさ、
別にどんな靴下でもいいじゃん。
いちごちゃんでも、スケスケでも。
パンツと同じだよ。
制服脱いだら、びっくりパンツ履いてる人、いるかもよ。」
「パンツはいいの。
いちごちゃんでもスケスケでも。
でも靴下はダメ。
規則で白、って決まってるんだから。」
結局彼は、800円支払ってコンビニで
誰にも見えない靴下を手に入れた。
私は「靴下くらい…」とぼやいていたのだが、
すぐに、自分を戒める事となった。
それは、出初式典が始まった瞬間。
ももを高くあげ、手を大きく振り、
足並み揃えて行進、整列、敬礼する団員たちの
粛々とした一連の行動を目にした時
潔く高邁な精神に触れた時だった。
このセレモニーに臨むにあたって、何度訓練を繰り返したのだろう。
私は感激し、ただただ頭を垂れるのみであった。
団員たちの仕事は
地域住民の安心安全と財産を守ること。
普段はチャラチャラしていたとしても
ひとたび有事があれば、
団員は心と力を合わせ、思いを一つにして行動しなければならない。
その任務遂行のため、
普段から
ポンプ操法などの実地訓練を行い
気持ちを整えるために厳しい規律訓練をかかさないのであろう。
たかが小さな服装の乱れ、といえど、
それは油断怠慢を生む 心の乱れとなりかねない。
心の乱れは調和の乱れとなり、危険をはらむ。
私は、いちごちゃんやスケスケのびっくりパンツを例にあげて
ダンナに適当な靴下を履かせようとしたことを
本当にすまなく思った。
分団長にみずから、規律を破らせるところだった。
表彰状も戴いたことだし、
これから改めて
ダンナの消防活動を支えてゆきたいと思う。
なお、制服姿のダンナを見て
コマワリ君みたいだなあ、と思ったことは内緒にしておく。
放水活動中の消防団員