新春の神社にて


夫婦でご奉仕にあたる。


朝から何度も私の顔をチラチラ見るダンナ。

しかも、嬉しそうに。

結婚して13年、

改めて私の魅力に気づき、惚れ直したに違いない。


「なあに?

なんで私の顔そんなに見るの?」


「ん?なんかさ、似てるなあ、と思って。

ほら、あの有名な…」


私は、有名人に似ていると言われたことがない。

いや、ただ一度、

生まれたばかりの私を

渥美清に似てる

と、評していただいた事があった。

それが私の 

似ている人物最高ランクであり、

寅さん好きの私としては、

本当にありがたき幸せ

勲章の如し、である。


そこへきて、この私が 

なにやら有名人に似ているという。


「え~誰?誰?」


「えーっと、

ディズニーランドのキャラクターなんだけど…」


ディズニーキャラクターとは!

大出世ではないか!


「どんなキャラ?」


そういえば先日

同じくダンナに


「みずほってリスに似てる。

欲張って、頬袋にいっぱい食べ物詰め込んだ、

リス。」


と言われた事があったので、

これはまさしく

チップとデールに違いないと予測。


「わかった!双子の、でしょ?」


「え?アレ、二人もいるの?」


「そうだよ。いたずらっこでね。」


「いたずらっこ、というよりも、いじめっこじゃないの?

シッポの生えたヒトにイジワルするじゃん。」


そんなシーンあったかな、と思いつつ、


「シッポの生えたヒトって、どんな人?」

と尋ねる。


「ヒトっていうか、魚?

早く、人間になりたーい、

とか言ってた。」


まさか、とは思うが一応

「もしかして、人魚姫、のこと?

私が似てるのは、

その人魚姫のアリエル…」


「違うよ。

人魚姫を食べちゃう怖いおばさん

わ~、その顔、そっくり~!!

うひゃひゃひゃ。」


自分の大事なヨメを捕まえて、なんちゅう事を…


そして、何より、ヤツは

「リトル・マーメイド」の世界について

間違った知識をお持ちのようだ。


あらためていただくためにも、

近々ディズニーシーに誘わねばならない。