あなたは愛犬のドッグフードを選ぶ際、フードのギブルに注目していますか?

 

フード選びではついつい成分や品質ばかり気にしてしまいがちですが、実はギブルにも大きな役割があるのです。わんちゃんの食いつきはフードの風味だけではなく、ギブルの形状や大きさによっても変わります。

 

今回はギブルの形状の種類に加え、味覚の仕組みと犬の嗜好性に関わる4つの要素についても説明します。

 

 

●味覚は「毒や腐っているものを感知するためのセンサー」

 

味覚とは動物が持つ五感「見る・聞く・嗅ぐ・触る・味わう」のひとつで、味を感じる感覚のことです。
魚や鳥、哺乳類などの舌には味蕾細胞という味を感じ分けるための器官があり、これを使って食べ物が安全かどうかを判断します。
つまり味覚は、「生き物が毒物や食中毒による危険を回避するために必要不可欠な機能」といってもよいでしょう。

 

▲犬の味覚は人間の1/5くらい

 

味覚の鋭さは味蕾の数によって決まっているため、動物によって味の感じ方は異なります。

 

【動物別でみた味蕾の数】

 

  • 牛:約25000
  • ウサギ:約17000
  • 豚:約15000
  • 人間(0~12歳頃):約7000~10000
  • 人間:約5000~7000
  • 犬:約1700~2000
  • 猫:約500
  • 鶏:約20~30

 

この表をみてみると、味蕾の数は草食動物>雑食動物>肉食動物の順であることが分かります。


これは草食動物が、色や形、においなど見た目では違いを判断するのが難しい「植物」のみを食べる生き物だから。
そのため牛やウサギなどの草食動物は、自分が食べられる草かどうかを選り分けながら食事をすることができるのです。
たいして肉の場合は腐敗していることが見た目だけでも一目瞭然ですし、においを嗅げばすぐに分かりますよね。
一般に猫はグルメだといわれることが多いのですが、実は味蕾の数だけでみると犬や豚のほうが味覚は鋭いのです。

 

●犬の嗜好性は4つの要素で決まる

 

猫や鶏よりも味蕾の数が多い犬ですが、人間に比べると味にはかなり鈍感といえます。
実際、ほとんどの犬よりも猫のほうが「うちのこは好き嫌いが多くてこだわりが強い」という声をよく聞くでしょう。
実は、犬にとってドッグフードの味はそれほど重要ではなく、むしろ他の3つこそ関連性が高いとされています。

 

【犬の好みを決める4つの要素】
①匂い
②形状
③食感
④味

 

①匂い

 

人の1/5ほどしか味蕾がない犬ですが、そのぶん嗅覚はすさまじく発達しています。
ほとんどの場合、犬はまず匂いを嗅いでこの食べ物が安全かどうか、美味しいかどうかということを判断します。
つまり、犬の嗜好性にもっとも大きな影響を及ぼすのは「ドッグフードの匂い」といってよいでしょう。
チーズやお肉、魚など、タンパク質の多い食材ほど犬の好きな匂いがしやすいといわれています。

 

②形状


ギブルの形状や大きさによって、ドッグフードの食べやすさというのは大きく変わります。
大きすぎてかみ砕くのが大変だったり、逆に小さすぎて口の端からぽろぽろこぼれてしまうようなギブルはNG。
犬の嗜好性でもっとも重要である匂いがクリアできたとしても、食べにくい形状のフードでは嫌になるのも当然です。
ギブルには様々な種類があり、最適なギブルの形状は犬によってそれぞれ異なります。

 

③食感


食べものの温度や歯触りなどのことで、食感が生の獲物に近いほど犬の嗜好性は良くなります。
犬の好みを考えるなら、硬すぎず、軟らかすぎず、それでいてほんのりと温かい35~38℃程度の食事が理想でしょう。
セミドライフードやセミモイストフードは本来の犬の食性によく合っているため、食いつきがよいといえます。

 

④味


犬が感じる味覚は「甘味・酸味・苦味・塩味」の4つで、人間のように「うま味」を感じることはありません。
特に甘味は犬がもっとも敏感に感じ取ることができるため、クッキーや蒸したイモ類、果物やパン類などは大好物!
少しずつ味覚が鈍くなっていくシニア期でも、甘いものだけはいつまでも好んで食べる犬が多いようです。


●ギブルの形状って何種類あるの?


ギブルの形状と大きさには様々な種類があり、メーカーやフードによって異なります。
一般的によくあるギブルの形としては、以下のようなものがあげられます。

 

  • 円形
  • 楕円形
  • 三角形
  • 四角形
  • 円柱形
  • ドーナッツ型
  • ピラミッド型

 

この他、星型やほね型、ハート型などもありますし、猫の場合は魚型をしたフードを見かけることもあります。

基本的に、ドライフードは高い熱を加えた後に圧縮することでフードの形を整えています。
ただし、フードの形を均等にそろえるには、小麦などの穀物や人工添加物である増粘剤などを使用する必要があるため要注意。
ドライフードを購入する時は原材料をよく見て、犬に良くないものが入っていないかどうかを確認しましょう。

 

※「穀物は犬がアレルギーを起こしやすいためNG」などいわれていますが、それは麦類やトウモロコシなどの主穀に限った話です。

 

犬のアレルギー症状は、主穀であるムギ類に含まれるたんぱく質「グルテン」に対して体が過剰に反応してしまうことで起こります。
そのため、いんげん豆やひよこ豆、えんどう豆といったマメ科の穀物であれば、ほとんどアレルギーが起こることはありません。


●ギブルの形が違う理由は大きく分けて2つ


では、フードによってギブルの形が違うのはなぜでしょうか?
ギブルの形状の種類が多い主な理由として考えられるのは、以下の2つです。

 

①飼い主の購買意欲を高めるため

 

鮮やかな色のフードは、人間からみるとなんだかとても美味しそうにみえませんか?
人間はなぜかフードの赤色を「肉」と連想しやすく、無意識に緑を「野菜」と関連づけて考えます。
そのため、赤と緑の混じったフードはなんとなく栄養バランスが整っていそうだ、と感じてしまうのです。
これは、ギブルに様々な色をつけることで見た目をよくして購入意欲をあげようというメーカー側の作戦です。
そう考えると、ほね型、星型などちょっと可愛いギブルの形にもこれと同じようなことがいえるのが分かりますね。
可愛いギブルを見るとつい買いたくなってしまいますが、まずは原材料や添加物をチェックして!
ギブルの整形にコストがかかっているフードは、粗悪な原料や犬の体に有害な着色料を使用している可能性があります。
ドッグフードを選ぶときはメーカーの意図をしっかり見極め、可愛い見た目に惑わされないようにしましょう。

 

②犬が食べやすいようにするため

 

ギブルの形状や大きさは食いつきを左右する大切な要素であり、犬の嗜好性に大きく関わっています。

・超小型犬、小型犬:口が小さく顎の力も弱いため、かみ砕きやすい小さなギブル(5~8mm)が最適です。
一粒ずつしっかり噛むことによって、歯石沈着による口腔内トラブルを予防する効果も期待できます。

・中型犬、大型犬:口の端からぽろぽろとこぼれないサイズのギブルがよいでしょう。
ただし、フードを丸呑みする癖がある場合には、小さめのギブルのほうがよいこともあります。

また、フランスの有名なフードメーカー「ロイヤルカナン」では様々な形状のフードを販売しており、犬種によって適したギブルが異なります。

 

【ロイヤルカナン犬種別フードのギブル例】

 

  • シーズー:マズルが短くフードを口で捉えるのが苦手のため、やや湾曲したギブルが食べやすい
  • フレンチブルドッグ:フードを口で捉えるのが苦手&気道が狭く詰まらせやすいため、湾曲した噛みやすい形状のギブルがよい
  • ダックスフント:顎の構造上、歯垢や歯石がつきやすく口腔内トラブルを起こしやすい。歯垢をこそげ落とせるような歯に引っかかりやすい形状のギブルがよい
  • チワワ:口が小さく顎の力が弱いため、大きくて硬いギブルが不向き。軽い力でも簡単に噛み砕いたりふやかしやすいよう、小さくてやや薄めのギブルがよい

 

このように犬種によってもっとも食べやすいギブルを研究・開発していった結果、ロイヤルカナンのギブルには多くの種類がうまれたのです。
ロイヤルカナン以外にも、犬の嗜好性をあげるためにギブルの形状や大きさを工夫しているメーカーは数多くあります。


●まとめ


今回は、犬の食いつきに関する知識とドッグフードのギブルについてご紹介しました。
飼い主からすると味と匂いだけを重視しているように見えるわんちゃん達ですが、実は彼らの食いつきにはギブルの形が大きく関わっています。
もしも愛犬が評判のドッグフードなのになぜか食いつきが悪い、食事に時間がかかりすぎるなどの様子がある場合には、一度ギブルの形状を見直してみては?
どんなに栄養バランスのとれたドッグフードでも、肝心のわんちゃんに食べてもらえなければまったく意味がありません。
心身の健康を維持するためには、きちんと食事を摂ることがなによりも大切です。
わんちゃんの食事の様子をこっそりと観察し、ぜひ最適なフードを選べるようにしましょう。

 

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