こんばんは☆桜子です。
短期集中連載の卵巣がん編、いよいよラストスパートです!!
卵巣がんとはその後も長い付き合いになるのですが、とりあえずこの連載では『卵巣がん発覚~手術』までを書きたいと思います。
その後の話もまたいつか書けたら良いなと思っています。
◎桜子と卵巣がん(その④)◎
~前回のあらすじ~
A病院で改めて卵巣がんの告知を受けた私。小木医師は一刻も早く手術をした方が良いと提案したのだが、私は卒業に必要な単位取得の為、2月まで入院を待って欲しいと懇願。私の執念にとうとう小木医師が折れて、ギリギリまで入院を延ばしてもらった。
2月5日
とうとう入院の日を迎えた。
ギリギリのギリギリまで登校し、テストも受けた!もう思い残す事は無いぞ!\( *´꒳`* )/⋯まあ、欲を言えば『ゼミ発表会』に出たかったけど、贅沢言っている場合ではない。
私の部屋は3人部屋だったが、入院患者は1人しか居らず、実質2人部屋状態だった(笑)
私は窓際の広いベッドになって、少し嬉しかった。窓も広いし、景色も良い!
私と同部屋になった松井さん(仮名)は60代後半の優しい方だった。松井さんの娘さんもよくお見舞いに来ていて、すぐに松井さん母娘と仲良くなった。
私『はじめまして、桜子と申します。色々ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします』
松『まあ、こちらこそよろしくね!桜子ちゃんって呼んでも良いかしら?』
私『あ、はい(笑)』
娘『桜子ちゃん、母の話し相手になってあげてね!よろしくね』
私『はい!よろしくお願いします☆』
実際、私は入院中に松井さん母娘にとてもお世話になった。
3人でバンクーバーオリンピックの開会式を見たのは良い思い出だ。
松『あら?日本入場してる?』
私『ああ!これ日本ですね!』
娘『まぁー。大勢居るわねー(笑)』
松井さんも私と同じく卵巣がんだ。
松『桜子ちゃんはなんの病気か聞いていいかしら?』
私『あ、私は卵巣がんで⋯ステージⅡ相当らしいです』
松『まあ!!こんなに若いのに⋯』
娘『桜子ちゃん、辛いこととかあったら何でも言ってね!』
私『ありがとうございます(;ω;)』
その時はまだ娘さんの言う『辛いこと』の全ては理解出来ていなかった。
だが、その意味を理解するのに時間はかからなかった。
数日後に手術を控えたある日、小木先生と中村さんに呼ばれた。
小『桜子さんの身体を考慮して、手術は出血を最小限に控える『腹腔鏡手術』にします。これはお腹に穴を開けて、内視鏡で癌を取り除く術式です。』
私『お腹に穴?!へそピアス的な感じですか?』⇽桜子ボケwww
小『へそピアスとは違います』⇽丁寧(笑)
小『傷も最小限に留める事が出来ますよ。但し、もし癌が想像以上に広がっていたら開腹手術になります。』
私『はい、分かりました(`・ω・´)』
中『それとね、今日は桜子ちゃんに大事な話があるのよ』
私『何でしょうか?』
小『桜子さんは手術後、化学療法に入る事になると思われます。そこで、今のうちに『卵子を採取して凍結』しておくと、将来妊娠を希望された時に可能性がn』
私『あ、結構です(・∀・)』
小&中『え?( ゚д゚ )』
私『私、数年前に子宮と卵巣、膣口が傷ついて大量出血した時に『自然妊娠は難しい』って言われてて、もう覚悟は出来てるんで!』
小『ああ、最初にお話していた例の⋯』⇽話してあった。
私『それより先生』
私『私の卵巣がんは、レイプ事件と関係ありますか?!!(血眼再び)』
そう、今回私が1番聞きたかった事がコレ。
私の卵巣がんに、ブサ島の悪行が関連しているか否か。
もちろん、ブサ島の行為が直接関係しているとは思わない。ただ、少しでもブサ島の責任だとしたら、私はいつかブサ島にこの事実を伝えてやろうと思っていた。
それが今の『仇討ち』の原点だ。
小『うーーーん⋯。これはあくまで僕の見解だけどね、物事に100%は存在しないと思うんだ。桜子さんの癌の原因を追求したらキリが無いけど、もしも強姦事件が無かったら桜子さんの大量出血は無かったし、卵巣も子宮も傷ついてはいなかった。もちろん、それが癌に繋がるかと聞かれたら何とも言えないんだけど⋯』
小『僕は一個人として、強姦が桜子さんの人生を狂わせたと思います。それだけは確かです。』
中『私も小木先生に同意だわ。事件が無かったら、卵子凍結の話をしなくても良かったかもしれないんだもの。』
小『その犯人は⋯極悪人ですね。』
これを聞いた瞬間私は
私『絶対いつかブサ島に仇討ちしてやる( º言º)』
と思ったのだ。
すごい伏線だなwww
小『あ、それよりも本当に卵子凍結をしないのですか?』
私『しなくていいです。血液疾患や肝臓疾患もありますし⋯お高いんですよね??』
小『そうですね⋯だいたい卵子1つにつき6万円くらいですね⋯』
私『私のパートナー(まーくん)は子どもが苦手ですし、私は将来子どもに関する仕事をするつもりなので(´>∀<`)ゝ』
小『そうですか⋯いや、桜子さんはまだお若いですから⋯本当によろしいんですね?』
私『はいっ( ´ ▽ ` )ノ手術頑張ります!』
卵子凍結⋯そっかぁ、私子どもが出来ない身体になるんだな。
松井さんの娘さんが言っていた『辛いこと』ってこの事なのかもな⋯と思った。
事実、数年後に色んな人から『お子さんはいないの?』と聞かれるようになった。(⇽これ、悪気は無いんだろうけど余計なお世話だよなー。)
さすがに今は慣れたけどwww
話し合い終了後
中『小木先生、面食らってたわよ(笑)』
私『ですよね(笑)』
中『でも、桜子ちゃんは凍結しないだろうなって何となく思ってた』
そう、卵子凍結はデリケートな問題だ。
実際、凍結して不妊治療をしている知り合いがいるのだが、金銭的な問題はもちろん、肉体的にも精神的にも辛い治療だ。
私の場合は、持病の影響やブサ島の件である程度割り切っていた為に『しない』選択をすぐに決めたのだが、今でもたまに『していたらどうなっていたのかな?』と思う時がある。
難しい問題だからこそ、信頼出来る医師と納得いくまで話し合う必要があるのだろうな。
いよいよ手術前日。
この日は麻酔科の先生(女医さん)が来て、色々話してくれた。
麻『小木先生は婦人腫瘍科の中でも、トップクラスで手術が上手いから大丈夫よ!安心してね』
私『ありがとうございます!(´▽`)』
入院中、ママンは毎日お見舞いに来てくれていた。パパンも仕事帰りに必ず寄ってくれた。休みの日は紅葉お姉ちゃん、梨花ちゃんも来てくれた。
マ『A病院にして本当に良かったわね、先生も看護師さんも親切だし』
私『うん、あと病院食美味しいよwww』⇽マジだ。
マ『松井さんにはママンも助けていただいてるのよ』
私『そうなの?』
マ『そうよ!桜子が検査や診察へ行っている間にママンの話を聞いてくれたり、励ましてくれたり、本当に有難いわ』
私『私も今回の入院で色々な人に助けてもらったよ、手術頑張る!』
マ『そうね、頑張りなさいね!』
2月15日、手術当日。この日は初っ端から軽いハプニングが起こった。
看『困ったわねぇ⋯』
私『はい⋯』
手術着がデカすぎて逆に危険!!!((((;゜Д゜)))
手術着って多少ブカブカな感じだけど、なんて言うかそれ以前の問題。
婦人科の手術着に拒否られた私の身体よ。
看『⋯小児科の手術着、着てみようか?』
私『えwww』
小児科の手術着、ちょうど良いwwwヽ(・ω・)/ズコー
看『ちょっと待ってね!これじゃ小児科の患者さんと間違える可能性があるから』
と言って
手術着にデカく『婦人科 桜子』と書かれた。マジだwww
まあ、これで間違えられる事はない。足にも腕のバンドにも『婦人科 桜子』って明記されてるからねwww
小児科の手術着を着たシュールな婦人科の桜子は、パパンとママンに見送られて手術室へ入った。
手術室は大変広く、私は『第2手術室』だった。
なんか、第2に縁があるのかな??(笑)
手術室には様々なモニターがあり、このモニター全てが私の情報になるんだと思うと不思議な気持ちになった。
ベッドに上がると、昨日の麻酔科の先生がやって来た。
麻『あー!本当に小児科の手術着だwちゃんと情報共有されてるから安心してねー(笑)』
私『あ、はいwww』
麻『ってか桜子ちゃんのパジャマ可愛いね!前開きのワンピースって何かと便利だから、あのパジャマで正解だね( •̀∀•́ )b』
私『あwwwそっすか??』
麻『いつもどこで服買ってるのー?』
と雑談している間に、いつの間にか麻酔の準備が終わっていた。
麻『はいっじゃあ眠くなりまーす!』
私の手術は6時間近く掛かったらしい。
手術は無事成功した。
続く。