週に1度は会う友人、イザベル。

(偽名。関西のおばちゃん)


イザベルは20代前半に車で大事故にあった。


頭を強くうった後、最初は回りの音が聞こえていたそうだが、そのうち朦朧としだした。


「あぁ自分はもうだめだ。」


そう感じたイザベルはゆっくりと目をつぶった。


しばらくすると誰かに声をかけられた。


「おい!イザベル起きなさい!」


聞き覚えのない女の人の声だった。


イザベルはおもい瞼を開けて辺りを見渡した。


しかしそこは今までいた世界とは全く違う真っ白な世界だった。


雲の中のような金色の光の世界。


イザベルは立ち上がった。


正面に人影がみえたからだ。


人影はだんだんこちらに近づいてくる。


イザベルはじっと人影を見つめていが、その正体がわかった時にはとても驚いたそう。


「おとうさん!!」


人影の正体はなんと10年前に亡くなった父親だった。


生きてた頃は働かない酒飲みでどうしようもない父親だった。


働かないので夫婦喧嘩は絶えない家だったけど、他の家を知らないイザベルは、どこの家もこんなもんだとあまり気にしなかったそう。


結局、イザベルの父親は肝硬変でこの世を去ることになる。


父親が亡くなったときイザベルが思った事は


「父親との会話ってあったっけ?」


だったそう。

あまり関わらないタイプの親子だったようです。


イザベルに父親との思い出はほぼないけれど、今、目の前にいて微笑んでいる父親との再会に胸が熱くなった。


自然と涙が溢れてくる。


思い出の少ない父親なのに…。


涙はどんどん溢れてくる。


亡くなった時ですら泣けなかったのに。


生きていた時にもっと話せば良かったと後悔した。


もっと遊んで欲しかった。


甘えたかった。


色んな気持ちがイザベルの心をいっぱいにする。


やっぱり私は悲しかったんだ。


「おとうさん!」


泣き叫ぶイザベルにゆっくり近づいてくる父親。


「おとうさん…」


父親は笑顔でイザベルのすぐそばまで来た。


そしてイザベルをじっと見つめてこう言った。





「ぶす」





「誰がぶすやねん!!!」


自分の声で本当の世界で目が覚めた。


看護師さんがびっくりして振り向いた顔がみえた。


こうやってイザベルは一命をとりとめた。




実話です。


また登場するであろうイザベルを今後ともどうぞ宜しくお願い致します。



↑イザベルと出かけた時の思い出。
「文句ありそな顔しとんな」
と、イザベルはもうしておりました。