プロ野球が開幕して未だ2ヶ月しか経過していないのであるが、5月30日現在のセ・リーグ順位は以下の通りとなっている。



野球評論家たちは各チームの春のキャンプを視察した上で、開幕前に順位予想をしていた。当たるも八卦、当たらぬも八だが、現状から見て彼らの当たり率や如何。

 

 

田淵、大野、廣澤、野村、佐々岡、亀山、関本の7人は "略当たり" だが、それ以外はハズレだ。とは言え、そう気にすることはない。経済学者だって、彼らの経済予測も当たらないことになっている。それに、現在の順位は変わり得るのだから現時点で順位を云々するのは余り意味はない。それより重要なのは、各チームの投打の現状から今後をどう展望するかだ。
 

野球を相撲に喩えると、"打撃" は押し相撲、"守り" は四ツ相撲のようなものだ。押し相撲は、動きを止めることなく前にグイグイ押す。勝てば「強いなあ」と思うが、一旦調子が狂うとなかなか勝てない。"水もの" と言われる打撃と共通する。その点、四ツ相撲は押し相撲程の派手な動きはないが、マワシを掴んでいる分、成績は相対的に安定する。この喩えのようなことがあるからか、どのプロ野球チームの監督も「先ず投手力を含めた "守り" を固めたい」と言う。特に投高打低と言われている今季は、投手力の充実が重要になってくる。

そこで、各チームの投手成績をよく見る。そして打撃成績もチラッと見る。



現時点のAクラスにいるチームは防御率は見事に 2.2台 に収まっている。Bクラスの中日が 2.7台 でAクラスのチームを追う。防御率が3以上のDeNA とヤクルトは埒外となっている。更に細かく見ると、広島と阪神の救援投手の防御率は 1.71、1.80 と抜群にいい。ということは、前半にあげた得点で逃げ切り勝ちをしたり、後半の逆転で勝ちを拾うことができる。

この防御率を維持するためには、これから暑い夏を迎えるので投手陣に疲労が溜まらないような使い方をしていかなければならない。阪神の投手陣はよく分からないが、巨人はベテランの域に入っている菅野には休養も与えながらの起用が必要になるだろう。カープは、これまでも必要に応じてファームで休ませながら先発ローテーションを維持している。救援陣は島内→栗林の「勝利の方程式」がある。しかし、2人の連投させれば疲労が溜まるので、塹江・黒原・河野・矢崎あたりからピックアップして「勝利の第二方程式」を作りたい。

打撃成績を見ると意外である。シーズン前からカープは「西川がオリックスにFAしたので打撃力が落ちる」とか、「ホームラン・バッターがいないので破壊力がない」などと言われた。確かに5月始めまではタイムリーが出ず、得点力が上がらなかった。だが、現時点の数字を見ると、チーム出塁率こそ2割9分2厘でリーグ5位に甘んじているが、チーム打率2割4分6厘はリーグ1位、長打率3割3分9厘はリーグ2位だ。これは現在絶好調の小園と怪我で出遅れていた末包が5月8日に1軍に登録されて以来バッティングが好調で、既にホームラン4本を打っていることも寄与しているのだろう。まあ、バッティングは "水もの" だから、打撃の数字はこれからもアップダウンするに違いない。

現在の投手力から言って、怪我人が出ない限り広島と阪神は投手力のレベルを維持してAクラスに留まりそうだ。しかし、3位は巨人と中日の争いになるかも知れない。巨人の主要投手の体調、中日の投手力と作戦や試合運び如何だ。これが、私の大まかな今後の展望である。