使いの者は何とか間に合って、どうしても江戸を離れると言うハナを落ち着かせてくれた
身重の体で街を移るというのは危険じゃ
だからといって、ワシがしてやれる事も…
引退したとて、それはきっと変わらぬ
自分がこの身分である事が今は恨めしく感じてしまう
なんて、そんな事にばかりに捕らわれず、もっと視野を広げてハナにしてやれる事を考えねば…
ハナには断られたが、やはり文位は書こう
そう思った時、ふと例の文が目に止まる
ハナの騒ぎで忘れておった
文を広げると、前回のワシの質問に幾つか答えが書かれておった
「ふむ…」
名は“しょう”、江戸に住む25歳か…
文字の読み書きが出来る事からどこぞの武士ではと思うたが、商人だと言う
もしや、ワシの事を知って謀(たばか)ろうとしたのではあるまいか?
だとすれば、この文は全て嘘である可能性もある
それでもこのやり取りを続けたいと思うワシは、平和な事に慣れ過ぎてしまったのであろうか?
それとも疑いを持ったワシは、乱世の亡霊なのであろうか?
ふぅ…と一息ついて天井を見上げ目を瞑ると、戦国の世を共に戦い抜いた者達の姿が浮かぶ
こんな危険な事、あの者達が居ったら大騒ぎになってたやも知れぬな
その様子が容易に想像出来て、思わず笑みが零れる
いや、それはさておき、この文をどうするべきか
しょうは“読んだら始末して欲しい”と書いてきた
その真意はどこにあるのか…
色々考えてる内に寝入ってしまった様で、気付いたら辺りは明るくなり始めていた
「あぁ…、ハナへの文も書けておらぬとは…」
そんなワシの嘆きが聞こえたのか、いつの間にか傍に控えていた正信が少し咎める様な目をしながらも、薄く笑った気がした
それは“何でもお見通し”と言われた様で腹立たしくて
ハナへの文を書きたい気持ちも加わってか、仕事を手早く片付けた
「いつもこうであれば、私も何も申しませんのに…」
正信の言ってる事は正しい
じゃが、これは一言多いと言うもの
全くいい性格をしておる
しかしまあ、これで二つの文に集中出来る
そう思って書き始めたハナへの文は何を書いたら良いのか分からず、只々江戸に留まって欲しいとの願いと、募る思いを延々と書き綴った物になってしまった
もっと言いたい事は沢山あったはずなのに
いざとなると言葉に出来ないとは…
しょうへの文は…これこそ何を書くべきか分からず、結局“愛”について説いてしまった
読み返せば恥ずかしくて破り捨てていたであろうが、ハナの事もあり、判断力が鈍っていたのか、そのままいつも通り文机の左側へと置いた
・.。*†*。.・・.。*†*。.・・.。*†*。.・・.。*†
なんだか分からないけど、メチャメチャ忙しくて全然お話しが書けなくて…😭
書いても訂正の連続で先に進まず、超低速カメ更新で申し訳ないです💦
それでもお付き合い下さってる皆様、本当にありがとうございます!
出来るだけ頑張りますので、これからもよろしくお願いします🙇♀️
そんな中、学生時代の友達とランチしてきました
話が出て一週間程で実行という強行突破な感じでしたが、皆昔と変わらなくて、学生に戻ったみたいで楽しかったです♪
そんな友達の一人の娘ちゃんの破天荒ぶりが凄くて、それを笑って話せる友達も凄いなって思っちゃいました(幼稚園から高校まで一貫の私立に通ってたんですが、親が呼び出しを食らったのは数知れずで、超有名人…だとか😂)
久し振りにお腹が痛くなる程笑って帰って来て、ホント、最高でした😆
今回も読んで頂き、ありがとうございました❤️💜