生きている確認をするには心臓が動いていることを確かめ合うだけで十分。
だけどそれじゃ足りないと訴える。求めてるのはそれだけじゃないと。
漠然とした不安を解消するにはもっと内側の深いところで繋がらないと分からない。
外側を満たすだけでは断然不足している。
雅紀から仕掛けられた胸へのキスをきっかけに拍車がかかり、我を忘れ貪るように唇を合わせた。
もっと深く。もっともっと抉るように深く。吸い上げる雅紀の舌が根元から千切れそうなほど。
自分の荒々しい息遣いが己を更に煽る。
唇は合わせたまま着ていたものを脱ぐ。首を抜く一瞬だけ離してすぐまた重ね合う。
「しょー、ちゃ・・・」
余裕のなさに雅紀が若干引いてる気がするけど自分でも抑えが利かない。
これは、飢え。雅紀不足故に引き起こされる焦燥。雅紀を感じ、一刻も早く宥めたい。
雅紀のナカに入りたい。今すぐにでもこれでもかってぐらいそのナカで暴れ回って、ぐちゃぐちゃに掻き混ぜて突き立てて爆ぜたい衝動。
それは、本能。自分の生命が脅かされた時に発動する種の保存に対する危機的状況の回避。はたまた逃避か。
頭では分かってる。でもそんなことどうでもいい。今はとにかく雅紀と俺がここにこうして互いの体を抱き締めあえている現実を実感として欲しいだけ。
しっとりと潤った唇を最後に一舐めしてそのまま首筋へと唇を這わせれば、雅紀の体はぴくりぴくりと小刻みに揺れる。
「雅紀・・・?」
その反応に違和感を覚え顔を上げると、それまで目を閉じていた雅紀がうっすらと目を開けてこちらを見た。
うっとりと蕩けた瞳で俺を見た雅紀からは色気がダダ漏れていて、思わず喉が鳴った。
「・・・しょー、ちゃん」
そして、ゆっくりと俺の名前を呼んで、顔を綻ばせた。