「・・・・・・」
 

「・・・・・・」
 

 

 

意識の外から賑やかな音がして、だんだん目が覚めた。
 

のそのそ起き上がって目を擦り周りを見渡すと、大野くんと潤が起きていて、櫻井くんの姿はなかった。
 

 

「あ、まー、オハヨ」
 

「・・・」
 

「おはよー」
 

 

オレに気付いた潤が声をかけてきて、大野くんはまだ半分寝てるのか座ったままでぼーっと前を見てた。
 

 

「なんかもう朝めし出来てるみたいだけど、行く?」
 

「そうなんだ。・・・カズ、起きれる?」
 

 

潤が部屋の外を指して、どうする?って感じで聞いてくるからまだ眠っているカズに声をかける。
 

 

こっちの船に移る頃にはすっかり乗り物酔いしてたから大丈夫かなと思っていたけど、やっぱりだいぶ辛そうに見えた。
 

 

「・・・」
 

 

だって無言で起きて来たカズの顔は、気分が悪いってしっかり顔に書いてあったから。
 

 

「カズ、大丈夫?朝ごはん、食べれる?」
 

「・・・・・・」
 

 

俯いたままでふるふると頭を振って答える。
 

 

「じゃあ、ここで横になってる?」
 

「・・・・・・」
 

 

その質問にもふるふると頭を振って答える。
 

朝ごはんは食べれない。でもここで寝てるのも嫌。なら一体どうしたいのか。
 

 

「カズ。どうしたい?」
 

 

下から覗きこんで聞いてみた。
 

 

「・・・・・・一緒に、行く」
 

「一緒に?ごはんはいらないけど、オレ達と一緒には行くんだね?」

 

 

小さな声で呟き、オレの質問には小さく頷いた。
 

 

「よしっ。じゃ行こっか」
 

 

先にドアの前で待っててくれた潤と大野くんに合流して四人でデッキへ向かうと、オレたちに気づいたスタッフの人がテーブル席まで案内してくれた。
 

そこには既に櫻井くんが座ってて食べ始めていて、軽く挨拶を交わして先にカズを座らせた。
 

潤が櫻井くんから朝食の説明を受けていたので、一緒に食べ物や飲み物を取りに行き、カズには小さな器に果物を少しと、水を用意してテーブルに置いた。
 

だけど結局ほとんど食べられなくて、テーブルに腕を置いて枕にしてぐったりしていた。