「・・・相葉くん。起きて」

 

「・・・ん」

 

 

肩を軽く叩かれて目が覚めた。

 

 

「もう朝?」

 

 

ゆっくり起きあがりゴシゴシ目をこすった。

 

 

「まだ朝じゃないんだけど、ごめんね、急いで着替えて隣の部屋で待っててくれるかな」

 

「ふぁい・・・」

 

「二宮くん・・・」

 

「松本くん。松本くん」

 

 

同じようにカズや潤を起こす声を聞きながら、言われるままその場で袖を抜いて服を脱ぎ着替えを始める。

 

 

「んしょ・・・っと」

 

「おはよ、まーくん」

 

 

最後にベルトのバックルをはめて着替えを終えると、カズが眠そうな顔で歩いて来た。

 

 

「おはよ・・・って、カズ!?」

 

「え?」

 

 

まだまだ眠そうなカズの目は真っ赤だった。

 

 

「松本くん、起きて。ねえ、松本くん。松本くーん、朝ですよー」

 

「ん、ん~・・・」

 

 

潤を起こすスタッフさんの声がだんだん大きくなっていく。

 

でも潤は起きる気配もなくて、布団を巻き込んでぐるんぐるんの巻き潤になってしまった。

 

 

「二人とも準備が出来たら向こうの部屋で待っててね」

 

 

別のスタッフさんに言われて先に他のメンバーが待つ部屋に向かう。

 

 

「あらら、あれじゃ潤起きないね」

 

「むしろあれは逆効果だね。翔くん呼んできた方が早いんじゃない」

 

 

潤は寝起きがとてつもなく悪くて、ちょっとやそっとのことでは起きてこない。

 

潤を起こすにはコツがいる。それを使えば一発で目を覚ますんだけど・・・。

 

 

隣に続く部屋のドアを開ければこちら側も既に準備中を終えた大野くんと櫻井くんがいて、こっちを見てた。

 

 

「おはようございます・・・」

 

「お、おはよーございます・・・」

 

「潤は?」

 

 

櫻井くんと目が合った気がしたので挨拶をしたのに、すぐに潤のことを訊かれてカズがまだ起きていないことをジェスチャーで伝えると、急いで顔を洗ってオレたちの部屋へ姿を消した。

 

しばらく戻って来なかったので大野くんとカズと待っていたら、突然櫻井くんの大声がこっちの部屋まで響いた。

 

 

「潤っっ!置いてくぞ!!」

 

「やだっ!!待ってしょおくんっっ!!」

 

 

その後すぐに潤の声も聞こえてようやく潤が起きたのが分かった。

 

 

「あ、起きた。やっぱ潤くん起こすにはあれが一番確実だね」

 

「起きたね」

 

「・・・」

 

 

カズと大野くんは声のする方を見て笑ってる。

 

オレは自分の心臓のあたりを手で押さえてる。すごくドキドキしてるのが分かった。

 

 

 

 

あー、びっっくりした!!

 

 

 

 

毎回思うけど、なんで潤はあの声を聞いても普通でいられるんだろう。オレだったら一回ぐらいは心臓止まるよ?

 

潤に聞いても全然怖くないって言うけど、オレにはあの怒鳴り声は耐えられない。

 

大野くんもカズもけろっとしてるし、オレだけがそう聞こえてるのかなあ。

 

なんて思ってたら櫻井くんと潤が出て来て、向こうの部屋にいたスタッフさんたちも来て全員が同じ部屋に揃った。