「ど、どうしたのしょーちゃん?」
「・・・・・・・・・・・・」
僕の問いかけに答えることなく、僕に抱きついたしょーちゃんは微かに震えているようだった。
「しょーちゃん・・・」
しばらく背中をトントンとあやすように軽く叩きながら、つむじにキスしたり、自分の頭を傾けてしょーちゃんの頭に乗せてみたり、普段できないようなことをしていた。
どれぐらいの時間をそうしていたのか分からないけど、しょーちゃんの体温と夜も遅い時間とがダブルで僕に攻撃をしかけてきた。
だんだん温まってきて眠気が襲ってきた頃に、しょーちゃんがモゾリと動き始めた。
まず、僕の首筋にチュッと軽くキスをした後、首筋を甘噛みして、下から上へと舐め上げた。
その瞬間から僕の身体のスイッチが入り始めた。
「・・・んんっ。・・・しょお、ちゃん?」
続いては耳。ゆっくりその身を起こしながら縁をべろりと舐めて、耳たぶが食べられた。
くちゅくちゅとしゃぶる音が鼓膜を震わせ、その音が何かを彷彿とさせる。
首に回されていた右側の手が、ゆっくりと降りて来て肩を撫で、腕に触れ、指先まで来たところで上から重ねられ、各指の付け根でぎゅっと絡められた。
「・・・んっ」
指。
しょーちゃんの、指。
掴まれたのは僕の指、のはず、なのに。
違うことを連想したのは、なぜ。
思い出すのは、なに。
「雅紀?」
なにかに気づいたのか、クスッと笑ったしょーちゃんが僕を見る目は既に妖艶さを纏っている。
「どうしたの?」
「!?」
わざわざ耳元で息を吹きかけるような話し方をされ、耳を押さえて離れると、やっぱりしょーちゃんはくすくす笑ってる。
・・・わざとだ。絶対しょーちゃん気づいてる。
「どうしたの、雅紀。続きだよ?」
「つ、続きじゃないでしょ、もう。しょーちゃん起きたから続きじゃないよ」
リプレイ中だったならしょーちゃんにキスしたところで終わるんだから。
そこから後は全部しょーちゃんのアドリブでしょ。僕じゃないもん。
「雅紀が残ってたらするはずだったことなんだから、続きでいいんだよ」
そう言って僕をベッドの上へ引き込んで、組み敷いて笑うしょーちゃんはオスの顔をしていた。
「言っただろ?優しくしたいって」