二宮さんたちを待つ間に今までのことを説明していきながら頭の中が整理されて、点と点だったものが繋がり線になっていき、自分のした事の重大さに今更ながら身体の震えが止まらなくなった。

 

 

どうしようもないのに、僕なんかがどうかしようなんておこがましかった。

 

 

僕が手を出していい案件ではなかった。

 

 

こんな、こんな風になるなんて考えてもみなかったんだ・・・。

 

 

 

嗚咽が止まらない。

 

 

自分の浅はかさを責めたところで、なんにもならないと分かっているけれど。

 

僕が余計なことをしなければ、僕のせいでと思わずにはいられなかった。

 

 

 

 

「雅紀」

 

 

しょーちゃんの声にビクンと体が大きく揺れた。

 

しょーちゃんが動く気配がしたけれど、何をされるか、何を言われるかと思うと怖くて顔を上げることができない。

 

ぎゅっと固く目を瞑ったまま、耳を塞いで見ることも聞くことも拒否していた。

 

 

ごめんなさい。

 

 

ごめんなさい。しょーちゃん。

 

 

僕が出しゃばったばっかりにこんな事になってしまって。

 

 

僕のせいで二宮さんたちにも迷惑をかけた。

 

 

「・・・ひっ・・・、ごめ・・・なさ・・・、しょー・・・ちゃ・・・。ごめ・・・、ぼくが・・・ぼくが・・・っ」

 

 

泣いても謝っても許されないかもしれない。

 

 

もう僕は必要ないと言われるかもしれないのが怖かった。

 

 

「まさ・・・」

 

 

もう一度しょーちゃんの動く気配がして、僕の肩にその手が触れようとした時インターホンが鳴った。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

しょーちゃんの視線がしばらく僕を見ていたけど、やがて逸れてその身が僕から遠ざかったのが分かった。

 

 

「・・・はい」

『大野だけど』

「・・・今開けます」

 

 

やり取りが全部聞こえて来て、しばらくすると家のインターホンが鳴ってしょーちゃんが出て行く気配を感じた。

 

 

僕は動くことが出来ずに、ソファーの上で身を縮こまらせたままみんなが来るのを待った。

 

 

「雅紀・・・、大野さんと二宮が来たよ」

 

 

リビングの扉が開いて、ゾロゾロと人が入ってくる気配を感じ恐る恐る顔を上げた。

 

 

「相葉ちゃん」

 

 

大野さんの声に目を開けると、正面に大野さんがいて、横にしょーちゃんがいて、大野さんの陰に隠れるように俯いた二宮さんがいた。

 

 

「ニノ・・・」

 

 

大野さんが二宮さんの肩を抱くように僕の前に押し出すと、二宮さんが絞りだすように僕に声をかけた。

 

 

「・・・相葉くん、ごめんね」

 

 

そう言った二宮さんの目も赤くなって濡れていた。