『お食い初め』という行事をご存知でしょうか。
お子様の生後100~120日くらいの間に行われる、昔からの慣習行事。今はだいぶ廃れてしまっていますが、『箸揃え』や『真魚(まな)初め』など、呼称や地域性は様々。
丈夫な歯が生えてくるように、との願いを込めて、「歯固め石」と呼ばれる小石を口に当てたりするんですけどね。。。
それを、この間、うちの職場の方が行うこととなりまして。
私の現在の所属部門、和食料理屋なので。。。
去年結婚して、今年の7月にお子様が生まれたので、ちょうど生後100日くらいのお子様と、奥様を連れて、お店にやってきましたよー。
前日は仕込みに大忙し。この方、うちの料理長。失敗できないのもありますけど、みんなでお祝いしてあげたかったので^^
料理内容を決めた後、器の選定と、お膳の組み方なんかを、板前さん方と試行錯誤。私は仲居なので実際に料理を盛る事はないんですが、献立段階から打ち合わせにはよく参加しています。ある程度、行事の内容で食材や料理には決まりがあるので、そこらへんは結構簡単に決定。無事に器も組み方も決まり、飾りなどの選定に入ったのですが…
和食ですと、よく装飾に使用されるのが水引や季節の植物など。そこらへんは定番があるのでスムーズに決まったけど、和紙が決まらない。和紙は懐敷やテーブルクロスとして使ったり、アクセントとして器に敷いたりするんですが、この、和紙の柄や植物にも、こういう伝統行事の和食には色々決まりがあるんですよー。
例えば、結婚や結納などのお祝いごとに使えないのが
・桜 ⇒「散る」ことを連想させる為、祝い事に向かない。
・椿 ⇒椿は花が散る時に花が丸ごとボタっと落ちることから、「首が落ちる」ことを連想させる為。
・紫陽花 ⇒色が変化することから「心変わり」を連想させるため。
などなど。
んで、今の季節、うちで使っている和紙は「柿」か「紅葉」の柄。これらも実際の植物であればいいんですが、秋は何かと「暮れる」イメージが多く付きまとうので、ちょい微妙。祝い事には「鶴」の柄も用意しているんですが、これもちょっと料理のイメージと遠い…ということで
最終的に板前さん方が下した結果は
『私が描いてくる』
という事でした。。。。(おいおいおいおいおいーーーーーーーー)
この日もラスト(23時まで)の勤務だったので、結構体力的にはしんどいですけど
お祝いごとですからね!!喜ばしいことには参加したいし、なかなか無い、料理とのコラボw
んな訳で、帰りに厨房から、無地の和紙を拝借して帰宅。ちょっと頑張りました。
↑久々、水彩のお道具出動。。。
↑1枚ずつだと時間かかりそうだったので3枚同時にスタート。
↑3枚お揃いの柄はここまで。菊の花は、うちの職場のパンフレット(ちょっと写ってるw)を見本に…笑
↑1枚ずつに、松・竹・梅を描きこみ。更にゴールドで流水紋を。。。。
↑松はお父さん(料理長)用。筆ペンで一文も添えてみるw
↑竹はお子様(息子さん)用。名前は優太くんw (店名はモザイクで勘弁をw)
↑梅はお母さん用w ちょうどよく松竹梅になって良かったわーwwww
一応、それぞれに私の実名印も押しての完成。
所用時間はおよそ2時間くらいでしょうか。。。この後、きちんとホワイトで菊達のアウトラインを整えて、きれいにしましたよ^^
当日朝、「濡れたら一発でアウトだからね!!」と念を押して引き渡し。
どんな風になって出てくるか楽しみだったのですが、ちょっと結構デカいオブジェ的な盛り付けと装飾で、かなりの重さになっていたので、運ぶのは私たち仲居ではなく(無理と判断)、板前さんたちが持って行ってくれることになりました(笑
どちらにしてもキャンペーン曜日で繁忙時だったので、それはそれで有難いんですが、逆に、なぜこの日にしたんだ、料理長…ともいえましたが(笑
↓そんなお料理の写真はこちら↓
※私のカメラで撮ったものではないので、ちょっと画像が荒いです
↑母上サイド
↑父上サイド
こちらは大人用の、一の膳。前菜・口取と吸い物が、向かい合わせに座る方の両方から見えるように作られてます(笑
ちょっと写真を取れるスペースが少なくて、紅葉がかなりモッサリしてしまってますが、実物は結構まとまった素敵な見た目でしたよwwwww
↑そしてこちらが、当日の主役、息子さん専用のお膳。
小鯛の姿造りと少量の口取り・お吸い物、鶴亀の器の中は香の物や焚き物。
あとは歯固めの小石3粒wwww
レイアウトは特別でしたが、これが基本の『お食い初め』のお料理です。もっと本格的になると、器も決まり事があるんですが、今回はかなり創作性が重視されていたと思われ…笑
派手好きな料理長でもあるので、毎回、若干装飾過多な感も否めませんが(爆)、ご夫婦ともども、かなり喜んでいただけました。。。写真をたくさん撮ったようで、帰り際には、和紙はお持ち帰りいただけたようです^^
なかなか料理の一部としての絵を描くっていう機会もないので、良い経験をさせていただきました。今の職場ではこういう事は無いと思ってもいましたが、板前さん方が、私が絵が好きだってことを覚えていてくれたことにも驚きでした(笑
皆でお祝いできたこともうれしかったですし、忙しい中であまりお座敷にも顔が出せませんでしたが、帰りがけにお子様の笑顔も堪能できたし、感謝、感謝です。
どうぞ元気に育っていかれますようお祈りしております^^
(きっとまた来ると思うけどw)