その電話の声は

言葉も途切れ途切れで弱弱しく

でも気丈に現状を

伝えてきた


「今 病院にいる

 でもここでは処置が出来ないので

 救急車でB病院に行く

 お母さんに病院へ来てもらいたい

 のと お父さんに子供たちを

 迎えに行って欲しい」



夕飯作っていた手を止めて

何が何だか分からないまま

急いで夫と2人

病院へ向かう


処置室に案内されると

朦朧としている娘から

衝撃的な事を言われたが

そんな事はどうでもいい


一刻を争うため

私は救急車の後を

夫は病院に停めていた娘の車で

預かって貰っていた孫たちを

引き取りにそれぞれ走った



ここから

長い夜が始まりました



さく