新幹線が通過する自治体なのですが金沢市、野々市市、白山市、川北町、能美市、小松市、加賀市、あわら市、坂井市、福井市、鯖江市、越前市、南越前町、敦賀市です。

金沢を出発してからすぐに通過する野々市、松任付近では市街地を通るということで防音壁が高くなっています。特に松任駅の南側は行政施設が多くあるということや松任工場の再開発も進んでいるということで住民が多いです。石川県第3位の利用者数となるゆえんです。また、このあたりで白山総合車両所に通じる線路と分岐します。長野新幹線金沢延伸時に設置された車両所でW7系の全編成がここの所属です。また、長野車両センターとは違い全般検査が行えます。つまり松任付近までは2015の時点で線路が建設されていました。南博多線のように回送列車に客を乗せろという構想(いわゆる白山駅設置構想)もありましたが却下となっていました。まあ代わりにIRに西松任が開業しましたしいいんじゃないですかね。また、2024に車両基地付近にトレインビュー白山という施設がオープンしました。新幹線の通過や検査を見学できたり、運転シミュレーターがあったりするそうなので是非行ってみてはどうでしょうか。加賀笠間から徒歩20分ほどとアクセスはよいとは言えないですが

白山総合所をすぎると線路は北陸本線(IR)とは異なり内陸部へと入っていきます。北陸本線は美川によるために海側へと進んでいくからです。美川町は北前船で栄えた比較的大きな町で通らないわけにはいかなかったからです。新幹線は美川に駅がないので通る必要がなかったということですね。そのおかげで今まで鉄道がなかった川北町に鉄道がとおることになっています。駅はありませんが。東北新幹線の茨城県侵入みたいですね。そんな川北町は白山からのきれいな水を利用できるということで電子部品工場が多く立地しています。そこから搾り取った豊かな税収で子育て支援を行っている自治体としても有名です。まあ最近はその工場がオワコン化してきているので(株価20円)怪しいところではありますが。また、川北町にコンビニはありません。(ないんだな、それが

川北町を超えたあたりで手取川を超えます。北陸本線時代は手取川橋梁付近での強風の影響でよく運転を見合わせていました。ただ、新幹線は先述の通り内陸部を走行している関係で海風に直接晒されることがなくなったことや標準機になったことによる車体の安定性の向上で風に起因する運行障害は少なくなりそうです。

手取川を超えて能美市に入ります。根上、寺井、辰口の3つが合併してできた自治体です。能美市にはたくさんの観光名所がありますがそこへのアクセスが能美根上から毎時0.5~1本のバスを利用するしかないのでかなりアクセスが悪いです。二次交通の整備の大切さがよくわかる事例だと思います。

能美市に入るともうすぐ小松に到着します。金沢~小松は11分かかりますが、サンダバ、しらさぎでは16分かかっていたことを考えると新幹線のすごさがわかります。最高時速が倍になっただけのことはあります。ただ、北陸新幹線は所要時間という面で問題を抱えていまして、金沢~敦賀の各駅間距離は以下の通り非常に短いです。

区間

距離

所要時間

金沢~小松

27.1

11

小松~加賀温泉

14.5

8

加賀温泉~芦原温泉

14.3

9

芦原温泉~福井

18

9

福井~越前たけふ

19

12

越前たけふ~敦賀

30.2

 

 

特に小松~越前たけふ間では20kmを下回る間隔で駅が設置されています。小松から越前たけふでは67.8km、34分で表定速度は時速119.6kmにとどまります。ちなみに最速のサンダバ2号では小松、福井、武生に停まり39分、表定時速は時速103.4km、標準でも小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、鯖江、武生に停まり、44分、表定時速は時速91.6kmですので新幹線にしてはあまり短縮できていないという印象です。しかも小松~武生は67.2kmとむしろ新幹線より短いという始末です。どうしてこうなっているかというと新幹線車両は最高速で一番性能を発揮できるようにギアが調整されており駅間隔が短いと最高速を出せる時間が短くなるため性能を発揮できなくなってしまいます。W7系、E7系の加速度は1.7km/h/sと非常に小さいためなおのこと不利です。そもそも駅を置きすぎなのが悪いのですが、どの駅もそれなりに利用客が多く駅を置かないというわけにはいかないのです。ちなみに比較的加速性能のよい800系を使用している(2.5km/h/s)九州新幹線では同じく4駅停車する新鳥栖~熊本では以下の通りの所要時間で表定速度は時速120kmとなっています。(速い、速い)

区間

距離

所要時間

新鳥栖~久留米

5.7

5

久留米~筑後船小屋

15.9

7

筑後船小屋~新大牟田

11.8

7

新大牟田~新玉名

16.7

8

新玉名~熊本

21.9

9

小松到着直前にも防風柵は設置されています。梯川橋梁付近を走行するためです。梯川橋梁付近も強風が吹きやすく北陸本線時代はよく運転を見合わせていました。また手取川橋梁とちがい駅が近く内陸部に迂回できないことや在来線をまたぐ関係で在来線よりも高いところを走行するので高い防風柵を設置することとなりました。

防風柵が終わると見えてくる公園が「こまつの杜」です。小松製作所が作ったダンプやショベルカーが置かれています。さすが企業城下町と言ったところです。

小松駅はガラスを多用することで明るい空間が創出されているほか晴れた日には白山を見ることができるようになっています。駅舎の特徴的な三角形は白山連峰の山々を表現しているようです。小松の発車メロディーの作曲者はユーミンです。

小松はほかの速達つるぎ通過駅とは違い比較的利用者が多い駅です。速達つるぎは遠近分離の関係上停車は難しいと思いますがかがやきの停車は増えそうな気もします。次のダイヤ改正の時に停車パターンが増えそうな気もします。今後サンダバ並みのカオスさをだしてほしいところです。