10月18日、入院
まずは入院のための諸検査のあと、
外来でカテーテル留置の処置を受ける。
いつもの硬膜外ブロックよりも、ズズッと入ってくる感覚が強い。
調べてみると、術中に使われる処置らしく、無痛分娩なんかもこれが使われるのだとか。
硬膜外腔に細いカテーテルを挿入、留置し、局所麻酔薬やオピオイドを持続投与する方法。
脊髄やその周囲の神経線維に麻酔薬やオピオイドが浸透することで、脊髄神経の分節に応じた鎮痛効果が得られるのだそうだ。
脊髄やその周囲の神経線維に麻酔薬やオピオイドが浸透することで、脊髄神経の分節に応じた鎮痛効果が得られるのだそうだ。
外来で行う硬膜外ブロック注射はとにもかくにも痛い。
皮膚麻酔から始まるが、その注射がまず痛い。
そのあとでズズン、ズシンと薬の入る感覚、細い針なのだろうが、体の中心に刺さるような痛みは何度やっても慣れない。
それを考えると、一度カテーテルを入れてしまえば注入のたびに痛みはないのだ。
カテーテルは背中にペタペタとテープで固定され、肩越しに左胸のあたりに注射を入れるための接続コネクタが付けられた。
それを病衣の上に固定し、入院中は看護師さんがそこから麻酔を入れてくれる。
朝6時から、11時、14時、16時、19時、21時、23時、2時と8回。
1回の注入後1時間はベッド上安静なので、ほとんど1日中寝たきりだ。
この回数で鎮痛がはかれてきたら、徐々に回数を減らし、退院に至ると説明を受けた。
初日は注射後は細切れに眠れていたのだが、夜中2時の注射後、1時間も経たないうちにまた右臀部から脚にかけて激痛が襲った。
痛みから逃れる姿勢を必死に探すが増すばかりで、歯を食いしばって耐えた。
その日は、痛い右側を上にして寝て、右脚を後方に伸ばすようにゆっくり負荷をかけるのが良かったようで、30分ほどで激痛は緩和されて眠ることができた。
翌朝、看護師さんに報告すると、
「痛みがひどい時は我慢しなくていいんです。痛み止めの座薬が出てますから、それを使いますから呼んでくださいね。」と言ってくれた。
私は何と闘っていたのか。
目から鱗が落ちるようだった。
唸るほどの激痛で眠れない夜も、救急車よぶか?いやこれくらいじゃ…
痛くて座れないけど、会社に行かなきゃ…
無駄な意地が、どんどん自分を苦しめていたのではないかと思えた。
2日目は、朝から頭痛と吐き気で体を起こすことができなかった。もちろん右脚の痛みも残る。
麻酔の副作用だろうか。
早朝の看護師さんの言葉をありがたく鵜呑みにして、ボルタレン坐剤を入れてもらう。
頭痛と吐き気は1時間程度で収まり、痛み止めのおかげで麻酔後もいつも残る右脚の痛みも消失し、久しぶりに無痛の幸せを味わった。
それからも、麻酔後に2時間は眠れる時もあれば、1時間程度は無痛でいられたり、30分もしないうちに痛みが出たり、また激痛がぶり返したり、と効いたり効かなかったりの日が続いた。