金子みすゞ「このみち」
小さな山あいで育った私は
ちいさな、ちいさな
何者でもない存在で
目の前の高い尾根を
たった独りでは、越えることもできず
ただ、ただ、
大人になって
その小さな世界を飛び出していくことを夢見ていました
その世界から抜け出す術を身に着けたのかもしれないけれど
相変わらず私は
ちいさな、ちいさな
何者でもない私のままで
同じく
ちいさく、ささやくように揺れるイノチの傍らで
歌っていたいと
金子みすゞさんの
「このみち」を歌って感じました。
彼女もきっと
ちいさな自分と向き合ったのでしょう。