人には、心地良い距離感というものがある。


誰もが持っているもの。


人は皆、無意識の内に、自分が心地良い距離感を探り、心地良い距離を保つ。


近すぎず、遠すぎず。


付かず離れずの絶妙な距離を取る。


そして、この心地良い距離感というのは、大概、家族との距離だったりする。


小さい時から馴染みのある家族との距離が、自分自身の基準となっているもの。


しかも、この基準って、人に対してだけ設けられているものではない。


夢や目標、出来事、といったものにも設けられている。


人と人とが関わると、人と物が出会うと、その間には独特の距離が生じる。


すべてのことにおいて言えること。


中には、距離を縮めて取る人もいれば、距離を大きく取る人もいる。


すぐ距離を縮めることができる人もいれば、中々、距離を縮めることができない人もいる。


そして、多くの人は、一度決まった距離のまま過ごしている。


これって、実は、すごくもったいないことをしているんよね。


だって、距離というのは、自分の意思で縮めることができるんやから。


ただ、多くの人は、自分の意思で距離を縮めようとはしないもの。


距離を縮めようとして、変に思われるのを嫌って…


たくさんの人がこう思っている。


ゆえに、お互いがお互いを警戒し合っている。


警戒しているため、距離が縮まらない。


自分から踏み出せば、あっという間に距離は縮まるものなのに。


距離を縮めずに多くの時間が流れてしまい、今更、距離を縮めることなんてできない、と思い込んでいる人は山ほどいる。


縮めることができるのなら、縮めたいが、自分から動くのは嫌。


そうやって、固執しているに過ぎない。


固執や変なこだわりが、お互いの距離を遠ざけたままにする。


どちらか一方が、自分の固執を手放し、一歩歩み寄るだけで全然違った形になるというのに…


だが、手放すことって、意外と難易度が高いもの。


なんたって、今まで慣れ親しんでいるものだから。


良い悪いに関係なく、自分と共に生きてきたものだから。


変に執着してしまい、持ち続けようとする。


それが、人としての性。


でも、必要ないものは手放す。


すごく大事。


つまらないプライドが、お互いの間の溝を溝のままにする。


けど、どうでもいいプライドを手放すだけで、お互いの溝はアッサリと埋まるもの。


すると、お互いの距離は、グッと縮まるもの。


なんにせよ、自分との距離って縮めた方が良い。


近すぎると、面倒くさくなるが、離れ過ぎると淋しくもなる。


とはいえ、付かず離れずだと、自分自身の存在の価値が薄まるような感じがする。


だから、付かず離れずよりも縮まった距離の方が良い。


そういった距離を保つことがすごく大事。


なんせ、付かず離れずの距離って、自分を守る上では、効果的。


しかし、それだけ。


処世術としては素晴らしい。


けれども、そうやって生きていると、自分自身を見失う。


なぜなら、付かず離れずの距離って、心があまり動かない距離だから。


良くてもあまり動かないし、悪くてもあまり動かない。


そのため、大きな感動が少ない人生を歩んでしまう。


確かに、距離が縮まれば縮まるほど、何かあった時には、大きなダメージが返ってくる。


そのダメージが嫌で、距離を縮めようとしない人は、意外と、たくさんいる。


ただ、距離は縮めた方が、まちがいなく人生は楽しくなる。


ダメージを受けるかもしれないことを怖れて、お互いの距離を縮めないなんて、どこか淋しい生き方のように感じる。


ダメージは受けても良いんやで。


ダメージを受けることによって、心が大きく動き、大切なことを学ぶことができるんやから。


自分との距離を縮めることを受け入れる。


すごく大事。


そのためにも、自分と人、自分と物事との距離がどんなものなのか意識しなよ。


その上で、自分と家族との距離がどんなものなのかをしっかりと見直すこと。


家族との距離を見直し、このままで良いのか、このままで悪いのかを、今の自分が判断する。


小さい時に無意識の内に設定したままの家族の距離を今の自分が判断して、もう一度再設定する。


もし、もっと距離を縮めようと思うことができれば、自分の世界で、少しずつ変化が生じるだろう。


なんたって、様々なものと自分との距離が縮まるから。


自分が距離を縮めると、それに応じて、反応が変わってくる。


自分が距離を縮めたばかりに、離れていく人もいるだろう。


だが、自分が距離を縮めたことを、喜んでくれる人もいるだろう。


自分が距離を縮めることによって、上手くいくこともあるだろう。


お互いの距離って、すごく大事。


これは、すべてのことにおいて言えること。


そして、自分自身の距離感というのは、家族に学んでいることが多いから、家族との距離を今一度意識しなよ。


それによって、気づくことって、案外、あるものだから。


特に、小さい時に、心の傷を負ったことがある人は、ちゃんと家族との距離を見直すこと。


だって、距離を大きく取っている場合が多いから。


そして、それは、人との関係に表れている場合が多いから。


やはり、どんなことも、家族が基準となっているもの。


家族との関係が、自分の世界の至る所に反映されているもの。


よって、根本である家族との関係を修正することで、自分自身の世界も修正されたものが反映される。


だから、ほとんど考えたことがない、家族との距離を考えるんやで。


自分が思っている以上に重要なことだから。



サコヤンの独り言

「自分と家族との距離が、自分の世界で様々なものに反映されている」