理想を語る。


ものすごく大事。


なのに、多くの人は理想を語っていない。


こんな人間になりたいんだ、という想いを伝えていない。


なんたって、理想を語る場がないから。


理想を語ると痛い奴としてとらえられるから。


理想を語ることに恥じらいを抱いているから。


小さい時に理想を語ると、周りは褒めてくれる。


だが、大人になって理想を語ると、大概の大人は、次のようなことを言う。


「そんなことばっかり言っていないで現実を見ろよ」


「理想なんてしょせん理想で叶わないものなんやで」


「もっと地に足をつけた方がお前自身のためになるんやで」


理想を語っていない人、伝えていない人のアドバイスはどうしてもこうなってしまう。


なんせ、理想を語る素晴らしさを知らないから。


実際に経験していないから、理想を語ることにおいて、活きた情報を伝えることができない。


そのため、自分がしてきたことを伝えてしまう。


理想を語らずに、自分の想いを抑えてきた生き方を助言してしまう。


むしろ、理想を語ることを悪のようにとらえてアドバイスをする。


そりゃそうじゃよね。


だって、理想を語っていない人が、理想を語ることを素晴らしいと伝えると、自分を否定することにつながるから。


人は、自分を否定する言動は取らないようになっている。


ゆえに、現時点で選んでいる言動を正当化しようとする。


ただ、理想を堂々と語ることは、まちがいなく素晴らしい。


でも、この事実を知らない人は多い。


事実を知らないから、実際にやろうとする人も少ない。


よくよく考えると、閉鎖的な社会が作られているのかもしれない。


インプットすることが大事、と教え込まれ、自分を出すことをほとんどしない。


だから、理想を語る場なんてものは、ほとんど整備されていない。


それが現状。


けど、ひょっとすると、整備されていないのではなく、整備していないだけなのかもしれない。


誰かの思惑があるのかもしれない。


なぜなら、理想を語る場が整備されると、当然のように、理想を語る人が増えていく。


すると、どうなるのかというと…


未来に意識を向ける人が増える。


自分の可能性を信じる人が増える。


自分の力を活かし、道を切り拓こうとする人が増える。


これらは、一見、どれも素晴らしいもののように感じる。


自分という個で見ると、そう感じるのが普通であろう。


だが、組織の観点や経営者の視点から見ると、そんなことは言っていられない。


なんせ、自分が運営する組織の人が、未来に強く意識を向けるようになると、組織を飛び出す可能性が高まるから。


せっかく、色々と教えて、これからという時に飛び出されたらたまったものではない。


運営する側からすると、未来に意識を向けさせない方が良いんよね。


自分の可能性を信じて、自分の力で道を切り拓こうとは思わせない方が良いんよね。


あくまでも、運営側の視点ではあるが、こうした力も働いているのは確かだろう。


それに、どうしても運営する側の方が力があるため、知らず知らずの内に、そちらの方に巻き込まれているのかもしれない。


また、残念ながら、日本には、夢を抑える風習みたいなものが存在している。


すごくもったいない。


そのため、未来を意識することを放棄している人が山ほどいる。


未来に焦点を合わせない人がたくさんいる。


ゆえに、今だけを見てしまっている。


しかも、自分の都合の良い今だけを見てしまっている。


夢や理想を語ることを無意識の内に封印しているため、知らず知らずの内に、未来に対する指針を失ってしまっている。


指針がないから、どうしても、恐る恐る進むしかないんよね。


一歩一歩チビチビと進むしかないんよね。


これでは、効果が出るものも出やしない。


だからこそ、夢や理想を語ることを意識すると共に、実践する環境を整えていくことってすごく大事なんよね。


仮に、これができた場合、そこに集まる人は皆、未来を意識し未来に焦点を合わせている。


よって、自然と素晴らしい集団を構築することができるんよね。


不思議なことで、夢を語る人の下には、夢を語る人が集う。


理想を語る人の下には、理想を語る人が集う。


だって、自分と合わない人と一緒にいると、居心地が悪いから。


自分が一緒にいる人って、意外と、自分に似ている人だったりするんよね。


なんたって、その方が楽だから。


ただ、楽なままいてはいけないことに気づき、本気になると、環境を変えることは意外と容易になる。


なんせ、居心地悪い環境に対応し、何とも感じなくなるから。


理想を語ることに抵抗があった人でも、理想を語る環境にしばらく身を置くと、理想を語ることが当たり前となる。


人は変わることができる。


その人次第で…


大事なのは、今までとは異なる環境に身を置く重要性を認識すること。


そうすれば、異なる環境に身を置くことができ、自分を変えることができる。


すると、人生が大きく動いていく。


案外、そんなものなんよね。



サコヤンの独り言

「理想を語る重要性に気づこう」