自分自身がどんな人なのか、ちゃんと言える人って、意外と少ないもの。


ちゃんと認識していなければ、口で表現できるものではない。


大概の人は、途中で詰まってしまう。


自分を表現しようとしても、自分がどんな人なのかを認識していないから、次の言葉が出なくなっちゃう。


おそらく、自分のことを一分きちっと話せる人って、あまりいないもの。


自分として今まで過ごしているにもかかわらず、自分のことを口で表現できなかったりする。


なんたって、自分のことを口で表現する機会なんて滅多にないから。


自分のことをきちんと口で表現する訓練を受けている人は少ないから。


機会は少なく、訓練の回数もなければ、やれるものではない。


だから、自分の口で自分のことを説明できる人ってあまりいないんよね。


そもそも、自分のことをきちんと説明しなくとも、日常生活を生きる上では、さほど支障はない。


ただ、自分のことをきちんと説明できる人というのは、多くの場面で得をしている。


なんせ、人と深くつながることができるから。


自分をきちんと説明することで、深いレベルで相手に受け入れてもらうことができるから。


しかも、受け入れてもらえるまでの時間が非常に早くて済む。


ゆえに、得することが多い。


そりゃそうじゃよね。


だって、人は、多くの人と関わりながら生きているから。


人と関わる以上、自分のことをできる限り早くに受け入れてもらえた方が良い。


その術として、自分のことを語ることができた方が良い。


なぜなら、人が人と出会う際、どんな人かを予測するのは、その人の声であり言葉であるから。


どんな言葉を使い、どのように言葉を発しているかで、どのような人かを無意識の内に推測する。


今までの経験則によって…


声量が小さければ自信がないように感じ、声量が大きければ強いエネルギーを感じる。


比喩の表現が多ければ優柔不断のような人だと感じ、断定的な表現が多ければ自信があるように感じる。


上っ面の言葉を使っていれば信頼できそうにないと感じ、想いを込めた言葉を使っているならこの人は信頼できると感じる。


声というのは、相手に多くの情報を与える。


もちろん、声によって、相手から多くの情報を受け取る。


そして、自分自身のことも含め、自分の声できちんと伝えることができる方が、相手は信頼してくれる。


だって、自分の考えや想い、感じていることを何も言わない人を信じようとは、あまり想わないから。


どんな人かも知らないのに、信じることなんてできやしない。


もちろん、自分の行動を長い間見てもらえるのであれば、自分のことを行動で知ってもらえるであろう。


だが、残念ながら、自分の行動を長い間見てもらえることなんて、思っている以上に少ない。


そんなのができるのは、同じ組織にいる人だけ。


ただ、自分の行動を長いこと見てもらえない出会いの方が圧倒的に多い。


なんせ、名刺交換をする際なんて、自分に与えられた時間は長く見積もってもせいぜい数分程度。


多くの時間なんて与えられはしない。


社会に出ると、この数分程度の時間しかない出会いというのが増えていくんよね。


もちろん、数分内では、自分の行動を示すことなんてできやしない。


けど、自分自身の印象を相手に残す必要がある。


じゃなきゃ、次につながっていかないから。


一つの出会いを次につなげている人というのは、高い確率でこの数分程度を活かしている。


活かすための準備を日頃からしている。


自分自身を伝える訓練を積んでいる。


ゆえに、与えられた数分という時間を活かすことができている。


いくらたくさんの人と出会い、名刺を集めたところで、それだけでは意味がない。


大切なのは、一つの出会いを次に活かし、関係を深めていくこと。


そのために必要なのが、自分自身について語ることができること。


自分の想いや考え、感じたことを口で表現できること。


でも、限られた時間で、印象が残るように相手に伝えることって、結構、難易度は高い。


ぶっつけ本番でやれる人もいるが、必ずしもやれる人ばかりではない。


おそらく、やれない人が多いであろう。


だからこそ、自分自身を語る訓練をしておくことが大事なんやで。


しかも、自分の様々な点において…


自分を優しいと思うのなら、優しいということについて一分程度。


自分を不器用と思うのなら、不器用ということについて一分程度。


自分に趣味があるのなら、趣味について一分程度。


一度やってみれば分かるが、思っているだけでは、詰まらずに言えるものではない。


詰まるということは、自分自身のことをきちんと認識していない証拠。


だが、練習している内に、詰まらずに話せるようになる。


一つのことについて、詰まらないで言えるようになるまで練習する。


すごく大事。


だって、自分という人間を今までより高いレベルで認識できるようになるから。


また、一度言えたことでも、少し時間が経った後でもう一度言うことも大事。


なぜなら、同じ題材であったとしても、回数を重ねるごとに洗練されていくから。


余計なものが排除されてより素晴らしいものになっていくから。


こうして、自分自身のことを口で表現することを繰り返すんやで。


すると、いざという時に、自分のことを伝えることができるようになるから。


練習によって、訓練を積むことによって、誰だって、自分を伝えることができるようになる。


自分を伝えることができないのは、単に、それを訓練する機会がなかっただけ。


その重要性に気づいていなかっただけ。


気づいたなら、自分で自分を口で表現する時間を確保したら良い。


空いている時間に、ぶつぶつとつぶやけば良い。


繰り返している内に、きっと、効果が出るようになるから。


案外、そんなものなんやで。



サコヤンの独り言

「自分のことを口で表現する練習をしよう」