マイナスなことは、つい意識してしまう。
意識したくなくても意識してしまう。
好きで意識している人なんて、おそらく、一人もいない。
だが、たくさんの人が意識している。
特に、過去、心に傷を負ってその傷が癒えることなく残っている人は…
自分の中にある心の傷が、再び傷を負わないように警戒している。
マイナスなことを遠ざけ、近づけないようにしている。
けど、無意識の内にしているこの警戒の行為こそ、マイナスに反応し、マイナスなことを意識していることにつながっている。
再び傷つきたくないという想いが、かえって、マイナスなことに焦点を当てることになっている。
マイナスなことを警戒して遠ざけているから、マイナスなことは起こらない。
でも、マイナスなことが起こらないのは、行動そのものをしていないから。
警戒することによって、行動自体を排除している。
やらないことでマイナスなことを排除できるが、行動しないことで事態は何も進展していかない。
やらないという選択で、マイナスなことを排除しても何の意味もない。
これは、自分を守っているのではなく、逃げているだけ。
逃げる行為は、自分の身を守ることはできるが何にもつながっていかない。
ゆえに、いつまでも逃げ続けるわけにはいかない。
どこかで、行動につなげることができるようにする必要がある。
しかし、心が傷ついている状態では、行動どころではない。
行動しようとしても、自然とブレーキがかかり、行動できないもの。
無意識の内に、行動に対して拒否反応が出る。
普段はあまり意識しないことだが、心と行動は密接に影響し合っている。
もし、動こうと思ってすぐ動けるのであれば、引きこもりの問題なんて起きやしない。
動きたい気持ちはあっても、動けない。
だから、引きこもりにつながる。
心の問題は、すごく繊細。
他人が、どうこうできる問題ではない。
だって、その人の心は、他者が分かることではないから。
少しは感じることはできても、完璧に理解することは不可能。
なんせ、自分ではどうでもないことでも、ある人にとってはとんでもないこととしてとらえている場合は多々ある。
各々、育った環境も異なり、価値観も違うため、他者の心を完全に理解することはできない。
理解する努力をし、近づくことはできるが完璧に理解できるものではない。
そのため、自分の心を誰かに理解してもらうこともできない。
自分の苦しみを分かってもらいたいと思っても、それを理解できる人はいない。
だから、自分の心の問題は、基本、自分でどうにかする必要がある。
他者からヒント等をもらいながら、自分自身が自分と向き合う必要がある。
向き合い続けることで、和らげていく必要がある。
そもそも、何も起きていないのにマイナスなことを警戒するのは、過去に負った心の傷を癒やすことができていないから。
心に傷を残したままにしているから。
結局は、過去、心の傷と向き合わなかった自分に大きな原因がある。
ちゃんと向き合って傷を癒やしていれば、今、マイナスなことを警戒する必要はなかっただろう。
とはいえ、そんなことを言っても仕方がない。
だったら、今、向き合い、心にある傷を癒やせば良い。
そして、行動に対する警戒を解けば良い。
警戒を解けば、マイナスなことに焦点を当てずに済むようになる。
心の状態がフラットであれば、何も起きていないのに警戒する必要はない。
警戒するのは、フラットではない証であり、心に傷を残している証となる。
きっと、自分の心と向き合う機会がなかったのだろう。
もしくは、自分の心と向き合う準備ができていなかったのだろう。
ただ、向き合ってみれば分かるが、過去に負った心の傷というのは、今想うとどうってことなかったりする。
いや、どうってことないように感じるだけ成長している、と言った方が良いのだろう。
時を重ね、人は成長するもの。
物事一つ取っても、様々な視点から見ることができるようになる。
でも、心の傷というのは、ある種の強い想い込みのようなところがある。
強い思い込みは、時が流れても、強く思い込んだまま。
時が流れたからといって、変わるものではない。
だが、意識して向き合うことで、修正することはできる。
過去に抱いた思い込みを、今の自分がとらえると、バカらしく想うことはよくある。
なぜ、あの時、あのように思い込んだのだろうと、反省することもしばしば。
当時の自分では見えていなかったものを、成長した今の自分なら見ることができるようになっているもの。
過去抱いた思い込みを、今の自分が冷静にとらえると、大概、和らぐもの。
固執する必要がないものと認識するようになる。
こうして、自分を縛る過去の自分が抱いた思い込みを解き放つことはすごく大事。
思い込みを解き放てば、それだけ自由度が増す。
また、思い込みを解き放つことで、自分自身の傷を癒やすことができると、それからは、警戒する必要がなくなる。
傷を負うことを怖れて、マイナスなことを警戒し、遠ざけようとしなくて済むようになる。
すると、どんな行動でもできるようになり、前に進むことができるようになる。
常に、何かを警戒して、今に留まることは、良いこととは言えない。
何かを警戒する理由は、自分の心にある。
過去に負った心の傷に原因がある。
心の傷が原因なら、それと向き合い、解放することが大事。
時間がかかるかもしれないが、それをできるのは自分だけ。
ゆえに、自分が自分と向き合い、心にある傷をどうにかするっきゃない。
心にある傷は、これまで自分が生きてきたツケなんやから。
自分で作ったツケは、自分でどうにかする。
そして、どうにかしようという想いが、傷を癒やすことにつながる。
当人にどうにかしようという想いがなければ、心の傷はいつまでも残ったまま。
それでは、自分が損するだけ。
だから、覚悟を決め、自分自身と向き合い、過去からのツケを清算したら良い。
それだけで、人生は大きく動いていくから。
案外、そんなものなんやで。
サコヤンの独り言
「いつもマイナスなことを警戒するのは、心に傷が残ったままだから」