人は、育つ過程でかわすことを覚える。


世渡りの術として。


生きる術として。


下手に衝突を起こさない術として。


物事に対しても、人に対しても、ぶつかっていくことが少なくなり、かわすことが多くなる。


大概、歳を重ねれば重ねるほど、それが顕著に現れる。


なんたって、歳を重ねれば重ねるほど、自分に本気でぶつかってくる人は少なくなるから。


自分を本気で叱る人は少なくなるから。


人とぶつかることは、膨大なエネルギーがいる上に、嫌われる可能性も含まれる。


ゆえに、人とぶつかることはもちろんのこと、本音だってあまり言わなかったりする。


好き好んでやる人なんて、滅多にいない。


ぶつかることよりも、放っておいた方が得ととらえてしまう。


何かありそうだと予感がすると、かわしておいた方が良いととらえてしまう。


小さい時は、人のことなんて気にせず本音を言っていたのに、いつの間にか、人を気にして本音を言わなくなっている。


ぶつかることも少なくなっている。


成長することで、周りが見えるようになり、人を気にすることができるようになる。


ただ、これがかえって、自分の想いを抑えることにつながる。


言いたいことがあっても、気になることがあっても、これを言うことでお互いの関係に亀裂が入るのを怖れ、何も告げなかったりする。


そうやって過ごしているうちに、自分の想いを抑えることが習慣となり、当たり前となる。


しかも、自分の想いを抑えていることを正しいことと思い込み、疑うことさえしなくなる。


すると、自分の想いを出すことなく生き、本来の自分とはかけ離れた姿で過ごすことになる。


その上、自分の想いを出さずに過ごす時間が増えれば増えるほど、自分のエネルギーをぶつけることも減っていく。


物事に対しても、人に対しても。


普段、自分のエネルギーをぶつける習慣がない人は、エネルギーをぶつけることが必要な場面であってもエネルギーをぶつけることができなかったりする。


なんたって、ぶっつけ本番でいきなりやれるものではないから。


中には、ぶっつけ本番でエネルギーをぶつけることができる人もいるが、そんなのは稀有な存在。


参考にならない。


ただ、不思議と、人生の節目では、自分のエネルギーをぶつけることが求められる。


好きな人に告白する時であろうと。


面接を受ける時であろうと。


大切なプレゼンをする時であろうと。


美辞麗句を並べたところで、自分のエネルギーが弱ければ、想いが弱ければ、相手の胸には響かない。


それに、人生の節目では、小手先のテクニックやかわすことって、通用しないことが多い。


そして、エネルギーをぶつけることでしか、道は拓いていかない。


だから、自分のエネルギーをぶつけることが大事なんよね。


小手先のテクニックも、かわす技術も生きる上では、大切な手段。


だが、こういったものばかりに重きを置かない方が良い。


なんせ、しょせん、王道ではない道だから。


道を拓くほどの力はないから。


あるのは、その場をしのぐ程度。


やはり、道を拓く王道は、自分のエネルギーをぶつけること。


しかも、持てるエネルギーを全部注ぎ込んで臨むこと。


ただ、多くの人は、小手先のテクニックやかわす技術ばかり用いる傾向があるから要注意。


確かに、楽な方法ではあるが。こればかりでは、その場をしのぐだけで、全然前には進めない。


そんな人生で良いのであれば、何も言うことはない。


でも、こんな人生を望んでいないのなら、自分のエネルギーをぶつけることを、意識して、普段の生活に取り入れなよ。


もちろん、毎日する必要はなく、できる時でいいのだが…


なんたって、普段からエネルギーをぶつける習慣があれば、いざという時、人生の節目の時だって、ぶつけることができるから。


将来くる大切な時を見据えて、普段から、エネルギーをぶつけておくんやで。


人でも良いし。物事でも良い。


また、出来事でも良い。


何だって良いから、エネルギーをぶつける。


そうやっていたら、自分のエネルギーを高めることにもつながる。


自分のエネルギーってぶつけていると、より多くのエネルギーを出せるようになっていくもの。


筋肉が使えば使うほど発達するように、エネルギーもぶつければぶつけるほど、より多くの量を出せるようになる。


ただ、出せるエネルギーが多くなればなるほど、失敗した時の直接的なダメージもでかくなる。


エネルギーをぶつけることには、メリットもあればディメリットもある。


当然といえば当然なこと。


だって、メリットだけあることなんて滅多に存在しないから。


物事は、メリットがあればディメリットもある。


光があれば影もある。


ただ、ディメリットも影も、一概には、悪とは言えない。


また、アカンものとして、判断することはできない。


なんせ、一時的にはアカンものとして思われることであっても、長い目で見ると素晴らしいことにつながっていたりするから。


こういうことって、結構たくさんあるんよね。


だから、ディメリットがあるからといって、リスクがあるからといって、即座に避ける必要はない。


とにかく、人生の節目では、自分のエネルギーをぶつけることが重要となる。


そのため、普段から、自分のエネルギーをぶつけるよう意識して過ごしなよ。


かわすことや、小手先のテクニックに溺れることなく。


そういった積み重ねが、いざという時に活きてくるから。



サコヤンの独り言

「将来くる大切な時のために、普段から自分のエネルギーをぶつけるよう意識して過ごしなよ」