最善を尽くすこと。


すごく大事。


ただ、最善を尽くすことと、完璧を求めることは似ているようで違うから要注意。


最善を尽くすというのは、今の状況でできることを、今の自分の力でできることを精一杯やることなんよね。


だが、完璧を求めると、今の状況ではできないことを求めたり、今の自分の力を超えたものを求めたりしちゃう。


もちろん、その姿勢は、向上心があって素晴らしい。


でも、完璧を求めると、キリがないんよね。


だって、完璧を求めれば求めるほど、終わりがやってこないから。


「これでいいだろう」と思ったとしても、また新たなことに気づき、修正を加えようとする。


そして、「今度こそはこれで大丈夫」と思ったところで、また新たなことに気づき、修正を加えたくなる。


こういったことの繰り返し。


完璧を求めたところで、完璧な状態がやってくることは滅多にない。


だから、完璧を求める必要はないんよね。


求めたところで、自分が苦しむだけなんやから。


そもそも、人は未熟な存在なんやから、完璧を追求したところで得られるものではない。


おそらく、未熟だからこそ完璧に憧れるのだろう。


一種のないものねだり。


ただ、ないものはない。


よって、完璧にこだわる必要はない。


こだわったところで、自分にとって良いことはほとんどない。


それが現実。


完璧にこだわることよりも、現時点でやれることを最大限にやれば良い。


それでOK


たとえ、完璧な状態でなくとも…


もちろん、100やれることを100やった方が良いのは分かっている。


だが、100を追求して100やるのは理想的なことであって現実的ではない。


ゆえに、100でなくとも、7080OKを出せるほどの心にゆとりを持つことは大事。


確かに、7080では、上手くいかない点が多少あるが、それでも、上手くいっている点は多数ある。


上手くいっている点、上手くいっていない点、どちらに意識を傾けるのか。


加点方式なのか、減点方式なのか。


これによって、完璧を求めるかどうかが決まってくる。


そして、日本にいる多くの人は、減点方式を採用して生きているのではないか。


なんたって、日本の教育が減点方式を採用しやすいようになっているから。


その大きな要因に、テストが挙げられる。


100点に近い人ほど素晴らしい人と扱われ、100点から遠ざかる人ほど落ちこぼれのように扱われる。


しかも、能力が高い人ほど減点方式を採用するようになってしまう。


なんせ、テストで95点を取った人は、95という得点に喜ぶのではなく、ー5という得点に嘆いたりするようになるから。


こうして、無意識の内に減点方式を採用し、完璧主義な自分を形成する。


これが、自分の人生にどれほど大きな影響を与えているのか気づくこともなく…


テストの場合、問題数に限りがある上に、問われていることに対して、唯一の答えが用意されているため、100(満点)を取ることが可能。


だが、普段の生活においては、問われていることに対しての絶対的な答えはなく、どんな答えであっても、答えになり得る。


しかも、限りも基準もないため、何をもって満点になるのか判断することができない。


なのに、テスト同様、満点を求めようとする。


テストにおいての考え方を普段の生活に当てはめようとする。


それが正しいことと信じ込んで…


絶対的な答えがないにもかかわらず、絶対的な答えを押し付けようとする。


おそらく、絶対的な答えを想定することで安心することができるのだろう。


絶対的な答えを出そうとすることに慣れてしまって…


そのため、何もできなくなってしまいがちなんよね。


だって、いついかなる時も絶対的な答えを求めるようになってしまうから。


安心を確保することに対して、過剰に意識を注ぐようになるから。


すると、絶対的な答えが見えない場合、やることを敬遠するようになるんよね。


安心を確保できないことで…


ただ、人生において、やる前から100%安心が保証されているものなんて滅多にない。


何かをやる際、大概は、安心は保証されていない。


ある程度のリスクを負ってやる必要がある。


それが普通。


ただ、完璧主義な人はできる限りリスクを減らすタメに、多くの時間を費やす傾向がある。


どこかで覚悟を決めてやるのではなく…


いつまでも安心を高める作業をしてしまう。


確かに、時間をかければ自分なりの安心性を高めることはできる。


だが、そのために多くの時間を費やしていると、スピーディさに欠けてしまう。


安心性や確実性が高いから良いというわけではない。


全体的のバランスが整っていてこそ、良いものとなる。


完璧を求めようとすることは良いことではあるが、過剰になり過ぎると何もできなくなっちゃう。


ゆえに、今の状況を冷静に判断し、今の状況でやれる最善のことに力を注いだ方が良いんよね。


だって、その方がスピーディに事に当たることができるし、全体的なバランスも優れている。


今、何が最善なのか、いつも意識しておきなよ。


この姿勢が、時の流れと共に更なる高みに連れていってくれるから。


案外、そんなものなんやで。



サコヤンの独り言

「過剰に完璧を求めると自分が苦しくなる」