過去の記憶は、記録であって真実ではない。
事実ではあるが、唯一の真実ではない。
ゆえに、解釈によって意味が変わってくる。
例えば、恋人とよく聴いていた曲があるとする。
そして、恋人と別れた後、この曲は、一体、どうなるであろうか。
恋人を思い出す曲になったり、自分にとっての失恋ソングになったりと自分独自の意味が生じる。
自分が、自分の都合で、曲と恋人を結び付けてしまって・・・
こういったように、一つの出来事に対して自分独自の解釈をしてしまうんよね。
ただ、恋人との思い出の曲であろうと、自分以外の人には、そんな思い出はない。
そのため、何ら思い入れがない人にとっては、多くの曲の一つに過ぎない。
そもそも、自分の感情を出来事と結びつけることで、一つの事実が、唯一の真実のように感じてしまう。
でも、決して、真実ではない。
だって、万人が共通して同じことを思うわけではないから。
よって、過去の出来事のほとんどが、単なる一つの事実であって、真実ではない。
ゆえに、解釈が変われば意味も異なる。
案外、そんなものなんよね。
だから、過去の記憶に基づいて動く必要はないんやで。
しょせん、記録に過ぎないから。
ただ、過去に記憶した記録によって、今は、大きな影響を受けている。
なぜなら、過去に記録されている通りに今を生きようとしているから。
良くも悪くも。
過去に記録したものに、良いものが多ければ多いほど、今も良い状態で生きている可能性が高い。
反対に、過去に記録したものに、芳しくないものが多ければ多いほど、今は、芳しくない状態で生きている可能性が高いもの。
何を記憶し、何を記録するかによって、人生は大きく変わる。
まったく違うものになる。
そのため、自分は、今まで、どんなことを記憶し、どんなことを記録したのかを知るよう努める必要がある。
もちろん、全てを知ることはできない。
だが、大切なものは、知った方が良い。
例えば、自分に対しての想いやお金に対しての思い、仕事に対しての思い。
身近にあるものだが、当たり前すぎて、どんな価値観を築いているのか自分でも分からないことは多い。
なんたって、お金について、自分がどのように考えているかは気づいていない人は多い。
自分が自分について、どのように思い、どのような言葉を投げかけてきたのか知らない人は多い。
自分が仕事に対して、どのようにとらえているのか、知らない人は多い。
最高と思ってきたのか、最悪と思ってきたのか、何も思わずにきたのか。
どう思うかによって、この先が、違うものとなる。
なぜなら、人は、過去に記憶されたものを、記録されたものを、繰り返そうとする性質があるから。
最高と思って過ごしてきた人は、これからも最高と思って過ごす。
最悪と思って過ごしてきた人は、これからも最悪と思って過ごす。
何も思わずに過ごしてきた人は、これからも何も思わずに過ごす。
過去の記憶や記録の解釈を変えない限り、いつまでも、今までと同じように過ごしてしまう。
ただ、過去の解釈を変えると、今までの流れに変化が生じる。
だから、今までと違った流れで生きることも可能。
それは、自分次第。
自分が、どんな言葉を自分に投げかけ、どんな感情を抱いて過ごすかにかかっている。
何も変えなければ、今までのままだが、少しずつ変えていけば、ちゃんと変化は生じる。
自分の経験の中に、真実と呼べるものはほとんどないんやで。
でも、このおかげで、一つの事実に対して、解釈を変えることができる。
すると、芳しくない記憶として、芳しくない記録として残っていたものも、解釈を書き換えることで、良い記憶に、良い記録にすることもできる。
この作業は、ものすごく大事。
なんせ、過去に記憶されたものに基づいて、今、行動しているから。
過去に記憶されたものが、芳しくないものであれば、今も、芳しくない行動を続けている。
前に進むためにも、過去に記憶されたことに基づいた解釈を変える必要がある。
当時とは違った視点で、事実をとらえることによって・・・
この作業を行うと、今までの流れを絶つことができる。
また、新たな解釈に基づいて、行動を選択できるようになる。
なんたって、過去に遡って、解釈を変えることができるんやから。
仮に、過去の出来事に対して嫌な感情を抱き、嫌な解釈をしていたとする。
ただ、何かのキッカケで、この嫌な感情がなくなると、嫌な解釈が良い解釈に変わり、しかも、良い思い出に変わる。
そうすると、自分の心からしこりがなくなり、今まで以上に動けるようになる。
多くの人は、過去にしこりが残るような解釈をし、未だに、たくさんのしこりを心に残している。
そして、このしこりの存在が、自分を過去に縛りつける。
過去と同じように、今を生きてしまう。
だから、解釈を変え、心にあるしこりを取り除く必要があるんよね。
今から未来にかけて、自分が楽しく生きるためにも・・・
とにかく、過去の記憶は、単なる記録であってたった一つの真実ではない。
一つの事実ではあるが、解釈は書き換え可能。
だから、自分と向き合い、過去にした芳しくない解釈を書き換えなよ。
これこそ、自分が前に進むために重要な一つの作業なんやから。
ちゃんとやりさえすれば、結構、自分が思うように前に進めるものだから。
案外、そんなものなんやで。
サコヤンの独り言
「過去の出来事であっても、違った視点で見ることで解釈は書き換えることができる」