自分にとって重要なものには、既に出会っていることが多い。


大概は、学生が終わるまでには出会っているんちゃうかなぁ・・・


なんせ、夢ややりたいことを抱くには、必ずといって、何かしらの出会いがあったり、特異な経験をしているはずだから。


それは、人かもしれないし、出来事かもしれない。


他の人にはどうでもいいことであっても、自分の心に響くものがある。


そういうのが、自分にとって重要な出会いや経験なんよね。


教師を目指す人は、学生の間に素晴らしい先生との出会いがあることが多い。


「あの先生のような先生になりたい」


こんな想いが原点となり、教師への道を歩み出す。


もしくは、いじめられた経験があるがゆえに、いじめられっ子の支えになりたいと思って教師を目指す人もいる。


心を動かすものは、必ずしも良いものでなくても構わない。


芳しくない出会いや経験であっても、それで心を大きく動かされたのなら、それに関する道に合っている可能性は高い。


むしろ、芳しくない経験をしている人の方が合っているのかもしれない。


ただし、そのことをちゃんと良い経験として受け入れることができている人なら・・・


なんせ、芳しくないことを経験している人は、その分だけ人の痛みが分かるから。


そして、人の痛みが分かる人は、不思議と、人の深さを感じられる。


しかも、そういう人の方が話をしていても面白いし、参考になることが多い。


人は、成功体験ばかりを聞くよりも、失敗体験を聞く方が、どこか安心する。


「あっ、あなたも私と同じなんだ」


「素晴らしい人に見えるのに、私と同じように失敗もしているんだ」


と思うことで親近感を持つことができる。


案外、そんなもの。


多くの人が、学生の間に、様々なことに対して心を動かされる。


なんたって、学生の間は、感受性が豊かで、多くのものに興味を抱くから。


冷静にいることの方が、かえって、難しかったりするもの。


それほど、自然と、多くのものに興味を抱いちゃう。


ただ、この時期では、自分に何が向いているのか、何が合っているのかは、分からないことが多い、見つからないことは多い。


でも、それでエェんよね。


だって、小さい時に「これ」というものに出会える人の方が稀有なんやから。


学生の間は、あまり、考える必要はない。


それよりも、たくさんのことを経験し、一つでも多くの出会いを増やすことが大事。


その一つ一つが、後になって活きてくるから。


自分の学生時代を振り返り、自分は一体、何に心が動かされたのか。


それを考えると、おぼろけだが、自分に向いている道や、自分に合っている道が見えてくるんよね。


学生時代に、ワクワクしたこと、ムチャクチャ悔しい想いをしたこと、といったものの側に、自分にとって重要なもののヒントが隠されていたりする。


だが、このことに気づいている人は結構少ない。


なんせ、自分に合っていることや向いていることを、未知なる世界に求める人は多いから。


やったことがないことに対して働きかける人は多いから。


もちろん、そのやり方で見つけることができる人もいる。


でも、下手な鉄砲は、数を撃っても当たらなかったりする。


適当に撃って当たれば儲けもの。


けど、このやり方では、当たるまでに時間のばらつきが多すぎる。


ある人にとってはすぐ当たっても、ある人にとってはいつまでも当たらなかったりする。


当たるか当たらないかは、運が大きく左右する。


もちろん、このやり方が合う人はこのやり方でやればエェ。


合わない人は、別なやり方を用いればエェ。


そういう人こそ、過去の自分の想いに照準を合わせて、その周りを探すことをお薦めする。


特に、学生の間に、ワクワクしたことや、ムチャクチャ悔しい想いをしたことの周りを探すことを・・・


なんせ、自分の心が大きく揺れ動くこと自体、自分にとって何かしらの意味がある証だから。


また、人の心は、どうでもいいことには、揺れ動かないようになっているから。


ある人にとっては琴線に触れ涙が流れることであっても、別な人にとってはどうでもいいことなんて世の中にはたくさんある。


これは、人それぞれ違う心を持っている証なんよね。


違う心を持っているからこそ、重要と感じるものが異なってくる。


自分の感情に照準を合わせれば、自分独自の道を拓くことだってできる。


ただし、こういう道は、多くの人に敬遠される道ではあるがね・・・


自分に向いている道や合っている道というのは、ひょっとすると、王道から外れているところに多く存在しているのかもしれない。


王道を外れて、自分に合った道を探すのも良し。


我慢して王道を通り、自分に合った道を諦めるのも良し。


王道という限られた範囲の中で、自分に合った道を探すのも良し。


どんな道を歩もうと、それは、各々の自由。


だって、自分の人生は、自分が歩む人生だから。


他の人がとやかく言うことではない。


ただし、後悔がないような人生を歩みなよ。


そして、後悔がない人生を歩むには、自分に合った道を探し続け、自分に合った道を歩むことが王道なのかもしれない。


そもそも、どんな視点で世界を見るかによって王道は違ってくるもの。


どの王道を歩むのも自由。


好きに選べば良い。


でも、高い確率で、自分にとって重要なものには既に出会っている。


ということは、忘れずに・・・



サコヤンの独り言

「良くも悪くも心が動かされたことの周りに、自分にとって重要なものがあることが多い」