人は、様々なものに対して、色々な感情を抱く。
良いと感じるものもあれば、嫌と感じるものもある。
決して、良いものばかりではない。
人と関わって生きていれば、嫌と感じるものもたくさんある。
それが普通。
ただ、嫌と感じることの危険性を考えたことがあるだろうか。
もちろん、嫌という感情すべてが悪いものではない。
だって、膨大な嫌な感情をエネルギーに変えて前に進むことだってできるから。
時に、悔しさや貧しさ、悲しさというものは、莫大なエネルギーを生む。
こういったエネルギーは、長い間は続かないが、短い期間ならそれ相応の効果を生むことができる。
でも、何かに対して、嫌な感情を抱くと、それ自体を自分の世界から排除しようとする。
嫌がゆえに、関わらないようにして。
例えば、ピーマンが嫌いな母親の食卓には、ピーマンが並ばないように・・・
嫌いな先生がいると、その先生が教えている教科も嫌い避けるように・・・
苦手意識を持つことで、やることから避けるように・・・
一つの嫌な感情が、それ自体を受け付けないようにする。
もちろん、それでも生きていくことはできる。
ただ、排除すれば、それの良さを得ることもなければ、得る機会さえも失う。
どんなことにも、良いこともあれば、芳しくないこともある。
それなのに、芳しくないことばかりに焦点を当てて、良いことに焦点を当てないで生きるのは、なんだか、多くのことを損しているようにさえ感じる。
だって、得られるものを得ない選択をしているんやから。
そもそも、良いと感じる感情よりも、嫌と感じる感情の方が抱きやすいもの。
なんせ、人には、危機を避けようとする本能が備わっている。
ゆえに、良いものよりも、嫌と感じるものの方が敏感になっている。
良いかどうかは、やってみて、続けてみて、分かるものが多い。
なのに、嫌と感じるものは、なんとなく避け、拒み、やらずに決めつけてしまうことが意外と多いもの。
やりもせずに、なんとなくで避け、拒んでいては、それ自体の良さを感じることはできやしない。
それは、どんなに時が流れても変わりはしない。
嫌という感情を抱くことによって、多くの良いものを自分で排除している現状。
この事実に気づくことなく過ごしていた日々。
なんと、もったいないことをしていたのだろう。
自分で成長できる機会を、道を拓く機会を排除していたんやから。
自分でも気づかないうちに、簡単に、気楽に嫌な感情を抱き、それ自体を避けるようにして生きていた。
一つの嫌な感情を抱くことで、それに隠れている良さを見ることができない、意識することができない。
それが、自分にどんな影響を与えているかを考えると、ゾッとする。
なんせ、こうして生きている時間が長ければ長いほど、得られたはずであろう多くの良いものを得ることなく生きているんやから。
ただ、最初から、嫌な感情を抱いたまま生きようとしている人はいない。
むしろ、皆が皆、良い感情を抱きながら生きようとしている。
最初の頃は・・・
でも、生きているうちに、嫌なことも経験し、自分を抑えることも多々あり、自分の感情がマイナスに向かうようになっている人は多い。
特に、子供の頃に抱いた嫌な感情は、その人の人生に大きな影響を与えている。
下手すると、その嫌な感情を受け入れることができずに、許すことができずに、一生を終える人だっている。
なんせ、大人になっても、マイナスな感情に縛られて生きている人はたくさんいるから。
ゆえに、子供の頃に抱く嫌な感情というのはものすごく重要なものなんよね。
なんたって、その嫌な感情が、トラウマになれば、人生において多くの弊害をもたらすから。
子供の頃に抱いた嫌な感情やトラウマというものは、時が流れれば流れるほど、それ自体を意識することがなくなる、考えることがなくなる。
何に対して嫌な感情を抱いていたのかさえも分からなくなる。
だが、そういったものは、なくなっているわけではない。
その証拠に、大人になって、やろうとする意識はすごく強いのにも関わらず、行動が伴わないことって結構あるんよね。
意識は前に進もうとしているのだが、自分の心がブレーキをかけて前に進めないようにしている。
結果、動けなくて立ち往生することにも・・・
自分の心がブレーキをかける時、多くの場合、過去の経験や、過去に抱いた感情が原因になっていたりする。
けど、多くの時が流れているため、その原因に気づくことができなかったりするもの。
理由も分からず、心はブレーキをかける。
前に進む意識があるのに、前に進めない現状。
しかも、こんな現状が続くと、自分の体力も精神力も少しずつ疲弊していく。
そうなれば、負のスパイラルにドップリと浸かることになり、中々この状態から脱することができなくなっちゃうんよね。
冷静に考えるとどうってことないものであっても、心がブレーキをかけることで、とんでもないものになってしまう。
そして、心がかけるブレーキというのは、自分が抱いた嫌な感情が元になっていることが多い。
だから、嫌な感情というのは、決してぞんざいに扱ってはいけない。
だって、今抱く嫌な感情が、将来の自分を苦しめる場合だってあるんやから。
しかも、過去に抱いた嫌な感情を解放するには、膨大な時間がかかってしまうもの。
そんなつまらないことに、多くの時間とエネルギーを使っている場合ではない。
最初から、嫌な感情を解放する必要性がなければ、多くの時間とエネルギーを別なことに使うことができる。
その方が、まちがいなく自分のタメになる。
ゆえに、嫌な感情は、極力抱かない方がエェ。
仮に、抱くならその場で解決すること。
それが、自分の将来にとって、ものすごく大事なことなんやで。
もっと、自分の感情に対して、意識を持って過ごしなよ・・・
サコヤンの独り言
「今抱く感情が将来の自分に大きな影響を与えている」