同じ過ちをしてはならない、という言葉をよく聞く。


なんたって、同じ過ちをしている人は、やる気がないように見られるから。


時間を無駄に使っているように見られるから。


だが、そんなことを一切気にすることなく、同じ過ちを繰り返すことを許そうではないか。


自分が飽きるまでずっと・・・


一度の過ちで完全に修正できる人もいれば、何回もかかる人だっている。


中には、何十回やってようやく修正できる人もいる。


そもそも、人には向き不向きがあるんやから、回数にこだわることはない。


何回失敗しようとできるようになることの方が大事なんやから。


もちろん、時間が少なくてできる方が優秀に見られる。


けど、優秀に見られることにどんな意味があろうか。


そんなものほとんど意味がない。


それに、最初から最後まで優秀な人ってそないにいやしない。


そういう人は稀な存在なんやで。


意外や意外、最初全然できなかった人が、後になって優秀になっている場合って結構ある。


ウサギとカメではないけど、最初優秀な人って、自惚れからか、どこかで手を抜きがちなんよね。


だって、100%の力でやらなくともできてしまい、全力を出すことがアホらしくなっちゃうから。


その結果、手を抜いたまま、ことに取り組むようになり、そのまま時が流れていく。


すると、ある時、最初は余裕で勝っていた人に、追い抜かれていたりする。


特に、諦めることなく自分の100%の力でことに取り組んできた人には・・・


できるからこそ余計な余裕が生まれてしまう。


できるからこそ自分の力を抑えてしまう。


できるからこそ隙を作ってしまう。


優秀だからといって、決して良いことばかりではない。


なんたって、優秀だからこそ、かえって、意識や想いをコントロールするのは難しくなったりするんやから。


優秀な人にも、良い面も悪い面もある。


だが、最終的に勝つ人というのは、最初が優秀かどうかなんて関係ない。


だって、今の力をすべて出し切り、できるようになるまでガムシャラにやる人が最後はやはり強いから。


何も考えずに、一途に全力を尽くすことって、すごく大切なんよね。


もちろん、優秀ではないからこそ、たくさんの失敗を繰り返すだろう。


だが、多くの失敗を繰り返すからこそ、それができるようになった時には、二度と忘れることができない力となる。


上っ面の力と、強固な力では、比べるまでもない。


だから、案外、優秀ではない不器用な人の方が、長い眼で見ると強くなっていたりする。


ただ、周りにいる人は、最初はものすごくもどかしく感じるだろう。


けど、時が経つごとに、そんな人こそ、なくてはならない存在になる。


案外、そんなものやで。


それに、日本最高峰の宮大工の棟梁は、あえて、弟子に、不器用な人をとるらしいしね。


きっと、不器用な人の方が、技を深く習得することに気づいているのだろう。


じゃなきゃ、時間のかかる不器用な人をあえて採用することはない。


そもそも、人は成長する生き物。


ゆえに、いつまでも同じ過ちを繰り返すことはできない。


ある時を境に同じ過ちを繰り返さなくなる。


ただし、それまでにかかる回数や時間は人に応じてバラつきはあるが・・・


一度、できるようになると、そこからは同じ過ちを犯さなくなる。


なんせ、アホらしくなるし、同じ過ちを犯す必要性がなくなる。


そのため、何度でも同じ過ちを繰り返せばエェ。


無理に、同じ過ちを繰り返さない、と自分に言い聞かさなくてもエェ。


なんたって、同じ過ちをしたくないと思えば思うほど、同じ過ちを繰り返してしまうものだから。


同じ過ちをする自分を許して受け入れたらエェ。


その姿勢で臨んでいれば、必ず、同じ過ちを繰り返さなくなるから。


ただ、同じ過ちを繰り返すんやから、それに応じた対価を払う必要はあるがね。


例えば、身近にいる人から怒られるなどは・・・


でも、何度も怒られていると怒られるのが嫌となり、怒られないための方法を模索するようになる。


これは、同じ過ちを犯したくない気持ちの現れであって、ある意味成長なんよね。


よっぽどの理由で諦めたり妥協して、やる気を落とさない限りは、何度も同じ過ちを繰り返すことはできない。


だって、人は、適応力に優れ、成長する生き物だから。


何度も同じ過ちを繰り返すごとに、過ちを犯さないほどの自分へと成長する。


案外、そんなもの。


ゆえに、過ちを繰り返したところで、自分を責めることはない。


なんせ、それは、かえって、逆効果になるから。


優秀ではない自分を受け入れて、不器用な自分を受け入れて、同じ過ちを繰り返す自分を許そうではないか。


そのゆとりが、自分の成長を早めるんやで。


一回で過ちを修正しようと、何回かかかって修正できたところで、そないに大差はない。


なんたって、大事なのは、過ちの回数の少なさではなく、ちゃんとできる力を身に着けることなんやから。


だから、自分が飽きるまで、同じ過ちを繰り返してもエェんやで・・・



サコヤンの独り言

「できるまで同じ過ちを繰り返したらエェ」