突然決まった帝王切開…


心の準備も出来ないまま手術室に運ばれてきました。


手足を十字架貼り付けの形に固定され、

麻酔を入れていきます。

『麻酔入れてますよ〜効いてるか確認するためにひんやりするやつお肌にくっつけてみてますが冷たいですか??麻酔効いてたら冷たく無いはずなので教えてください』


と聞かれ、緊張でなんだかよくわからなかったけどここで

『冷たく無いです』

と言ったら即お腹切られる!

もしお腹切って激痛が走ったら最悪だ!!

と思い、

『つ、冷たいです!!』

と答え、麻酔を足してもらいました。

するとまた、

『これでどうですか??』

と聞かれたから、もうどんどん押し寄せる恐怖で涙と震えが止まらず冷たいのか冷たく無いのか全くわからない状態だけど、やっぱり怖いから限界まで麻酔入れて欲しくて

冷たいです!!
まだ全然冷たいです!!!!』


と言ったら、

おかしいなぁ…

という声が聞こえたので、(やばっ)と思い、


『これでどうですか?』と聞かれたからようやく、

あ…まぁ…だ、だいじょうぶ…です』

と言うと

『でしょうね』


と返ってきて、


カーーーーーー!!!!滝汗


バレてた!!!!

とめちゃくちゃ恥ずかしくなりました。


てか、帝王切開って意識あるやん!!

全身麻酔じゃなくてしっかり意識あるままお腹切られる!!

そんなんいいの!?

動物としてそれっていけてるの??

大丈夫なやつ??


ぎゃわわわわわわわわわわわーわーわー!!!!



いよいよ切られる…どうしよう…

赤ちゃんにとっては帝王切開が一番安全と聞くけど母体にとってはどうなんやろ…

悲しい事故のニュースも聞いたことあるし…

さっき部屋からサラッと分かれてしまった夫ともう二度と会えなかったらどうしよう…


私がいなくても赤ちゃん育てられるかな…


あーもっとしっかり帝王切開の可能性も考えて事前に調べておいたり、万が一の時のこともたくさん話しておくべきだったぁぁぁぁ!!!!


と思ってわんわん泣いて多少死の可能性も覚悟してもうなんだかぐちゃぐちゃに考えている時に私があまりにも震えて泣くから看護師さんも

『大丈夫ですか??』

と優しく声をかけてくれたりしてて




すると頭側に立ってた男性の看護師さん(?)が

突然、命の大切さみたいなありがたいっぽい文章を読み始めて

『何?何?』


と思ってる間に、実はお腹側では先生がもうお腹切ってたっぽくて


『あ!!!!

これもう切られてる!!

お腹ゴニョゴニョされてる!!!!』


という感覚があったかと思ったら、


赤ちゃんの声が


おぎゃぁぁぁ
あぎゃぁぁぁ』


と聞こえてきて、、、、


その瞬間、、











さっきまでの涙が一瞬で嬉し泣きに変わり


『産まれた…

産まれてくれた…


やった!!

ちゃんとお腹に人間入ってた!


という変な感想がよぎって、


私の頭の方まで赤ちゃん連れてきてもらって、

『あ、口の形私と同じや』


と一瞬思ったら、もうすでにお腹縫われてるっぽくてホッチキスの音がパチンパチンとして

『わぁ私工作みたいになってる』


と思って、


看護師さんが

『少し休みましょうねー』

という声が聞こえた瞬間意識を失い数時間眠らせてもらってました。





たぶん赤ちゃんを取り出すのは10分に満たないほどの一瞬の出来事でしたが、


一生分の様々な感情が一気に押し寄せてきた


そんな出産でした。


(続く)