全摘出の場合、入院は6泊7日。

仕事も掃除も洗濯も料理もしなくていいなんて素敵!と私は浮かれていた。

もうすぐ右胸がなくなるというのに。

手術日まで1ヶ月半もあるので、じっくり準備を進めることにした。

 


まずは飼い猫、一番安心なのは動物病院のペットホテルだが、ウチのは超繊細ビビリ猫。

前に抜歯で一泊した時にはずっとトイレの中から動かなかったそうで、おしっこで固まった猫砂をお尻にいっぱいつけて帰ってきた。

はてどうしたもんかと思ったが、姉と姪が世話をしに来てくれると言うのでありがたくお願いした。

 

保険
契約中の医療保険とがん保険の会社に問い合わせたら、現時点では給付できるのは「がん診断一時金」で、がんになったという旨の診断書が必要。

他の給付金は、手術後に病理検査してからの診断書が必要とのこと。

ドクターに手間もかけるしそこまで切羽詰まってないので、今は何もしないことにした。

入院中の暇つぶし
病院にフリーWi-Fiがないのでルーターをレンタルするか迷ったが、そこまでしなくていいかとやめた。

スマホをひとつ上のプランに変更、あとは図書館の本を持っていくことにした。

ちなみに電子書籍は読んでもさっぱり頭に入らず何度も挫折している。

衣類・日用品
 前開きのパジャマと言われたが持ってないし買いたくもないので、病院併設のショップでレンタルすることにした。

パジャマではなく甚平というのが嫌だったが、誰に見せる訳でもないので我慢。

他のこまごましたモノはがんの手術をした方のブログを参考に、100均やネットで購入した。

仕事
休職の時期さえ確定していれば、それを伝えるだけでよかった。

40代後半にデスクワークから介護職に転職して2年、体力的・精神的に限界を感じていた時だったので、正直手術はいいタイミングだった。

今、目の前のこの現実からは逃げられるならなんでもいいやと思った。

 

そして入院3日前、手術前最後の検査があった。

この日から休職に入ったのが嬉しくてたまらず、超音波?レントゲン?PCR検査?何でもやりますよという感じでサクッと終らせる。

現実逃避始めとして、メルカリで大人買いした漫画をひたすら読み耽る。

昔月刊誌で追っていたが長すぎて挫折、いつか完読したいと思っていた萩尾望都さんの「残酷な神が支配する」。

 

 

この結構エグい腐女子ワールドに直前までどっぷり浸かっていた。

そのせいで、ふわふわしたヘンなテンションのまま入院の日を迎えた。