最近、官給品ではない私費で購入した装備品(以下、私物)を使う隊員を目にすることが多くなりました。

これから私物を使いたいと思う人も、既に私物を使っている人にも、私物を使う上で知っておいて欲しいこと、考えて欲しいことについて、個人的にまとめたいと思います。

注意：この記事には、個人装備の更新を遅々として進めなかったお上のことや、保険云々の話は含まれません。~~言っても始まらないので。~~

1. まずは官品を使いこなそう。

「オメェーのギア無ぇから！」

離島にはレプマもリアルメントも無いんだよ…

よく「官品は使いづらいから私物を使っている」という声を耳にします。

実際、基本となる弾帯、サスペンダー、弾納、その他のポーチは90年代の採用から四半世紀が経っており、ユーザーのニーズに合わない時代遅れで使いづらい面もあるでしょう。

しかし私物装具は、その名が示す通り「私物」です。

官品でない以上、たとえば戦闘によって破損あるいは汚染され使用不能になったとしても、同等品が充足される可能性は低いです。

~~あとは乾燥室でパクられたり。~~

何らかの理由で後送されたとして、その先で宛てがわれるのは官品なのです。

(化学汚染環境下で私物リグ(J-tech)ごと引き摺り回される隊員。高額なギアも化学剤に暴露すれば即破棄である)

そうであるならば、もし官給品だけになったとしても、どうにかして使いこすだけの技量(ノウハウ)を持っておく必要があると考えます。

~~(「官品だけじゃ任務に必要な能力を担保できないだろ！」という話を置いておきます)~~

そして、私物を使う貴方自身以外のことも考えてみましょう。

例えばもし貴方が撃ち倒されたり、化学剤を吸って倒れたり、あるいは熱中症になった場合はどうなるでしょうか？

どこにでも居る、ギアに詳しくないごくごく普通の隊員が、官品ではないギアをちゃんと脱がせて十分に救護することが出来るでしょうか？

(官品の中、一人だけ私物アーマーを着用する隊員の図)

ポスト冷戦期のCQB花盛りし頃、私物アーマーを纏った隊員が熱中症で倒れ、本人しか着方を知らなかったのでなかなか脱がせられなかった、なんていう話もあります。

救急品袋もそうですが、隊員の生命に関わる私物(キャリア、リグ、IFAK、CATホルダーetc…)を使うなら最低限、共に戦う人間には使い方を周知した方がいいでしょう。

それが難しいのなら、皆と同じ官品を使った方がいいのかもしれません。

そしてもし、倒れたあなたを救護

するために、隊員が私物をハサミで切り刻んでも、文句を言ってはいけません。

実際に撃たれたなら一刻を争いますし、同僚に解脱方法を周知していなかった貴方の責任です。

長くなってしまったので、続きは次回に持ち越したいと思います。

次回は「その私物、誰が性能を保証してくれるの？」です。

それでは！

【第1回】私物装備を使う上で知っておくべきこと(まず官品を使うべし)