月には不思議なチカラがある。
私に限らず、夜空を眺めることが好きな人はたくさんいるし
昼より夜のほうが心が静かに本心を曝け出せることもある。
太陽の圧倒的な生命力溢れる輝きとは また違う
藍色の暗幕の内側に展開する光の世界は
微笑む女神のような優しさで
心に直接差し込まれる気がしませんか。
そして これもまた圧倒的なのです。
私は16年ほど前に
全身でそれを感じたことがあり
今もそれが密かに忘れられない。
東北の、とある人工的な灯りがない場所で
たまたま晴れの日だった 空気の冴えた夜
月の光が雲や草木の合間をかいくぐり
影絵のような微細な塩梅で景色に淡い色を添え
振動するように光を散らして私に降り注ぐ
瞼を開いても閉じても
浸食してくる
身体に触れる物質と空気と光が一体化して
この身が有るのに無いみたいだった
なんて
今 言葉にしたら嘘みたい
まるで永遠で刹那のような時間を思い出す。
あまりに衝撃だったので
当時活用していたSNSにこの時のことを事細かに書き残しているが
その中に「恩恵を受けた」とある。
頭で考えて当て嵌めた言葉じゃなくて心の中から湧き出た思いだった。
霊感のない私には
見えない世界のことは視えないし分からないことも多い。
しかし その世界の存在や浄化のチカラを疑わない。
月の神は、人間のいろいろな思いを包んで浄化してくれるとKさんは言う。
でも私にその真偽を確かめる術はない。
そう、思うでしょうか。
月の存在を疑う人はいないでしょう。
私はその月の下で
あるとき衝撃的な光を受けて
言葉ではなく感覚で
それが「恩恵」だと知りました。
光、それは私の目で見えて
私の身で浴びた。
でもこれが全てではなかった
恩恵を受けとったのは胸の中の見えないところ
今日の月は 目を細めて笑っている
溢れる光は無いけれど
月なら皆 素直に心を寄せられるんじゃない?
太陽はその強さに中々見上げることは出来ないけれど
月の光ならば受け入れられる
月には不思議なチカラがある。
言葉がなくなる時間
心が疼く
私も きっとあなたにも
